今日からヒットマン
結婚半年の新妻に頭が上がらない稲葉十吉は、上司のグチも聞けば、後輩の尻拭いもする、そこそこ成績のいい、ごく普通の営業マン。ある日、「コンビニ」と呼ばれる組織の有名な殺し屋・「二丁」の死に際に遭遇し、二代目としてその名を継ぐことになってしまった!!ほんの数時間前まで、上機嫌で車を運転していたはずなのに……二丁を狙って次々に襲い来る殺し屋や、名前と一緒に引き継いでしまった初代の因縁、そして謎多き美女。巻き込まれて始まった、表と裏の生活は、まさに急転直下、生涯最大のトラブルの連続!伝説のヒットマンの名を継いだサラリーマンの運命は!?
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今日からヒットマン 1 (ニチブン・コミックス)
2006/08/16 22:22
超A級ヒットマンの名を受け継いだ営業マンを主人公としたアクション劇画
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:uwasano - この投稿者のレビュー一覧を見る
稲葉十吉(いなばとうきち)は34歳、結婚して半年の、そこそこ成績のいい平凡な営業マンだ。接待帰りの夜中の2時頃、田舎の旧道を車で走っていた彼は、拳銃による殺人を目撃する。殺人犯=超A級ヒットマン“二丁”もまた撃たれて死ぬ間際だった。二丁は死ぬ直前、十吉に標的の殺害及び自分の恋人の救出を命じる。それが出来なければ、十吉本人及びその家族が皆殺しになる。その時点から心ならずも“二丁”の名を継いだ十吉の戦い始まる・・・
突然、裏社会に引きずり込まれた男を主人公としたアクション劇画である。「人生、急転直下」「突然始まる命懸けの二重生活」と表紙にあるとおり、巻き込まれ型サスペンスに、サラリーマン+ヒットマンの二重生活の面白さが加わる。営業マンとして培った能力は、裏社会でどう生かされるか? 営業マンと違い、ヒットマンの失敗は即、死につながる。本当の意味でのサバイバル(生き残り)のためのリアルな戦いが開始される。
洋画『コラテラル』(トム・クルーズ主演)や『ニック・オブ・タイム』(ジョニー・デップ主演)に似ているが、こちらの劇画の方がずっと面白い。情報量の多い込み入った物語なのだが、映画と違い、劇画はじっくり読めるため、濃厚さを味わえる。そのくせ、テンポの良い物語世界も堪能出来る。本でなければ味わえない面白さがある。
また、登場人物、犯罪組織、銃器、アクション等が、どれもがリアルに描かれていて、説得力がある。銃撃戦のシーンがたくさん出てくるが、残虐さをほどほどにしてうまく描かれている。
人物等はリアルなのだが、この劇画の物語には、基本的にはリアリティはない。しかし、ある特殊な状況下で人はどのような行動を取るか、というシミュレーションはよく出来ている。架空の物語として楽しむのに丁度よい作品である。
この劇画に登場する犯罪組織“コンビニ”も、劇画の物語として構築されたリアルさがあり面白い。地域ごとに支部長がいる、エージェントは金に細かい、内部の対立・裏切りがけっこうある、という部分部分がとてもリアルである。第1巻では出てこないが、“スーマー(スーパーマーケット)”という名のライバル組織もある。一般企業社会をモデルに犯罪組織を構築しているわけだが、現実の暴力団に存在するという「振り込め詐欺を教える組織」や「北朝鮮から覚醒剤を輸入している組織」よりも、ずっとリアルさを感じる。
この劇画を読んでいて、別の劇画作品『クライングフリーマン』と『静かなるドン』を思い出した。これらは、実写で映像化された作品だが、『今日からヒットマン』も含めて「裏社会にまぎれ込んだ平凡人」の話である。これらは全部、リアリティがあるんだか、無いんだか、よく分からない作品群だが、「ありえねー」と一蹴せずに、劇画でしか味わえない、奇想天外な面白さにどっぷりとハマりたい。
2015/11/01 00:04
面白さノンストップ!
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投稿者:mks - この投稿者のレビュー一覧を見る
まだまだ続く『彼と彼女の第2章』。オールスターで繰り広げられるエピソードは、ぐいぐいと速度を増して、サイコーの展開に! …と思ったら、うわー…次巻で、もう…ですか? 特筆すべきは、住宅街で秘密裏かつ激しく繰り広げられる銃撃戦。スターが、カトちゃんが…カトちゃんが…(涙) 前のめりで夢中になれるノンストップの面白さ! hontoさん、次巻の電子書籍化を早く早くプリーズ!
2015/11/01 00:02
スミレにピアスにスターにハナオ、、、キターーー!
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mks - この投稿者のレビュー一覧を見る
前巻から続く『彼と彼女の第2章』。窮地におちいったコンビニ習志野支部、支店長”丸メガネ”の策略と采配がスゴイ! (笑) 彼の「お丸メガネ」にかなった、あの男が大活躍。さらに、お馴染みのメンツが続々と勢揃いして、ハンパない読み応え。数々の登場人物の、個々の性格を巧みにストーリーに活かす、作者の手腕に舌を巻きます。いちばんの策略家は作者様!