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7件
さよならもいわずに
著者 著者:上野顕太郎
「祈りのような清々しささえもたらす」夏目房之介、絶賛。『このマンガがすごい! 2011』第3位、『このマンガを読め!2011』第3位、第14回文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品、マンガ大賞2011第6位…現代を代表する漫画として高い評価を受け大ヒット。幸せな家庭を築いていた漫画家に突如訪れた悲劇、妻の死。最愛の人との最後の日々を、繊細で果敢に描き尽くすドキュメント。
さよならもいわずに
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さよならもいわずに (ビームコミックス)
2011/04/30 00:36
サヨナラだけが人生さ
10人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Tucker - この投稿者のレビュー一覧を見る
一人の男を突然、襲った悲しい出来事。そして、その後の一年間を描いた作品である。
その「悲しい出来事」とは「妻の死」
正直、一回目は読むのがつらかった。それは不快な表現があるから、とかいう類の理由ではない。
誰にでも起こりえる事であり、あまりに痛切すぎるから。できれば、何十年か先になったら、考えたい事だったからだ。
「1回だけだとしても多すぎる」という類の出来事なので、できれば経験したくない。
冒頭に「大切な人を失ったすべての人に。そして大切な人がいるすべての人に。」と掲げてあるが、おそらくこの一文はタテマエであろう。
著者自身が気持ちに一つの区切りをつけるため、というのがホンネだと思う。
作品中、葬儀社の人と葬儀の内容について話をするシーンがある。
当初、著者は「来てもらうだけでいい」と希望するが、葬儀社の人に「何か形があった方が送り手の方が安心するものだ」と言われ、花か線香をあげてもらう事にした、という件がある。
著者にとっての「形」がまさに「この作品」という事であったのだろう。
(ちなみに自分の親類でも同じように自費出版の本にまとめた人がいた。(こちらは大往生だったが))
そして、ある「一言」を言いたいためだったのだろう。
口に出してしまったら、妻の死を認め、忘れていくのではないかと恐れて、あえて使わなかったのでは、と思えるほど、作品中、出てこなかった一言。
だが、言えなかったためにずっと心残りであった一言。
・・・「さよなら」と。
さよならもいわずに (ビームコミックス)
2010/11/11 17:28
共に生きた証
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:こぶた - この投稿者のレビュー一覧を見る
マンガ家上野顕太郎が
妻の突然の死と
彼女や娘とともに生きてきた日を振り返り
その悲しみの日々を描いている。
まだ幼い娘を残し愛する妻が突然先立ってしまったら
いくら彼女が病を持っていたにしても
彼女の死に
自分を責め
それでも娘のために
生き続けていかなければならないと思いつつ
繰りごとのように
彼女との日々を振り返り
共に生きた証を追い求め
悲しみの底に沈む
彼は悲しみの日々からどうやって立ち直り
新しい未来を生きようと思えるようになったのか
私はその過程が知りたい
どうしようもない悲しみに身をよじりながら
彼女の面影を追う日々から
どうやって新しい希望を見つけていったかを。
2013/10/22 10:17
胸が苦しくなる
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みるお - この投稿者のレビュー一覧を見る
身内の死についての話。感情表現が経験した人にしかわからない
ということを理解できる。非常に揺さぶられる作品。実際に経験したことが
ある人は読まない方がいいかも。