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2件
いかにして母は女を解放したか
著者 御手洗佑樹
熟れた肉体の疼きに抗えず、息子の友人と関係を持ってしまった春香。純朴に見えた少年に脅され、乱交を強要され…。身体に快楽を刻み込まれる度に抑えていた「女」の本性が解放されていく!!
御手洗佑樹が欲望に翻弄される熟女を濃厚な筆致で描く長編コミック、ついに単行本化!!
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いかにして母は女を解放したか 2
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いかにして母は女を解放したか(2)
2015/01/08 04:19
全てを乗り越えた2人が辿り着いた相姦の神髄
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る
前巻が『いかにして母は女を解放したか』とタイトルのみで続巻の気配が見られなかったことにより「後半は単行本化されるのだろうか」と思っていたが杞憂に終わって何より。いよいよ母子相姦へと至るクライマックスと、思いのほか纏まり良く収まって溜飲の下がる結末を見ることができた。
春香:「母」を解放して「女」になってから再び息子の元へ「母にして女」として帰ってくる。
静也:春香の息子が発する心の叫びは母子相姦の本質を伝えるものでもある。
【第9話】
前巻のクライマックスにして物語全体の折り返しでもあった前話であれほど危機的に演出されていた「危険日の中出し」がまるで何事も無かったかのように次の場面へと移っているのは「?」だが、新たに登場した教育係の女性によって官能的には本巻随一の責められ方で悶絶ここに極まる春香である。この教育係の女性は別の形で後にも登場する。
【第10話】
事の次第を知ってしまい自暴自棄になった静也との相姦、その序章が第10話の後半から始まる。母を求める静也の言動は哀しみを湛えた自問でもある。
【第11話】
風呂場から寝室、翌朝のキッチンへと続く静也の執拗な押しに戸惑う春香。母子の心がすれ違うところに助け舟が現れる。
【第12話】
ここから絡まり合った状況の是正が行われ、終わりに向けて動き出す。
【第13話】
いや、それは犯罪でしょ、といった春香の行動だが「母」としての最後の意地ということか。そして、ここから相姦のクライマックスが始まる。涙ながらに呟く静也の台詞は母子相姦の真意そのものであり、第10話から続く自問への自答でもある。そのストレートな想いに全てを悟った春香も再び「女」を解放する。
【第14話】
全てを乗り越えた2人の情交が延々と続く。春香がこれまで味わってきた性技と快感が全て凝縮されたかのようなシーンの連続は、それまでの男の存在を静也という「新たな男」によって塗り替えられるようでもある。
【最終話】
夜通し続いた激しい情交は朝を迎えて第2ラウンド。お尻まで責められる春香だが、再び前に挿入するならきちんと洗ってからにしようネ、などといったツッコミもしたくなるところ。ここから一気に全てが収まる結末へと向かうが、そこにあるのは外道にも残っていた良心なのか、外道にも戻ってくるべき「母」が戻ってきたからなのか。
正直なところ、そんなにことが上手く運ぶだろうか?といった都合の良さも無いではないが、性根の腐り切った真の悪者はいないとの作者のメッセージにも感じ取れる幕の引き方は悪くなかったと思う。前巻で広げた風呂敷を徐々に畳んでいく展開でもあったために道筋も整理されて読み易かったのも好材料。もっとも、この悪夢を仕掛けた少年(桐野)の手の平に最後まで乗っていたように見ることもできるのだが、そんな桐野“悪魔”少年が誕生してしまう秘話は後のエピソードで描かれる。
<After Story>
平穏な相姦生活を続ける春香と静也の3年後が描かれている。成長した静也はもちろんのこと、凄味すら感じさせる妖艶さが増した春香のしっとりとした色気を描き分けているのは秀逸なところ。どうしても必要なエピソードではないが、あると2人の幸せなその後を知ることができて良い。
<Episode 0> 前編・後編
前日譚として、今回の顛末の張本人だった桐野少年の過去が前後編として描かれる。桐野の歪み切っていた心は自発的なものではなかったことが判ると共に、同じく「母」が「女」を解放して(実際は解放させられて)戻ってこなかった場合の悲劇が描かれている。本編を読み終えた後だけに深みも増すエピソードである。
いかにして母は女を解放したか
2014/03/30 22:32
ちょっとしたオンナへの開花が招いた蟻地獄
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る
少なくとも単行本としては2009年の『私、Hな気分です』(MDコミックス)以来となるようだが、この間に電子コミックで活動が続けられており、中には単行本化される前に実写でDVD化された作品もあるという異色の経歴の持つ作者と言えるだろう。そんな中で現在も電子コミックで人気を博すシリーズが満を持して(?)単行本化された。それが本作である。ただし、全14話+外伝で完結が予定されている中で本作では8話を収録するのみである。
【春香】未亡人なのか夫がいるのかも不明、年齢も不明なメインヒロイン。
【千鶴】第二話から登場する謎の美熟女。
他に春香の知人、というか以前近所に住んでいた熟女が第5話から登場するが名前は出てこない。
【静也】春香の息子。気弱で純朴な少年。
【桐野】静也のクラスメイト。春香のオンナを開花させながら、実は……。
【石山】桐野の悪友。
【司】 桐野の友人にして静也とも接点のある心優しい少年。
少年達は制服こそ着ているものの学年は不明(ショタ風味があるから中学生?)。
設定として似ているのは、あの『たとえば母が』(著:艶々、アクションコミックス)辺りだろうか。ただ、本作ではまだ母子相姦のテイストは無く、春香が「母」として忘れかけていた「女」を再び開花させる面が強調されている。そして、作風としては『盗まれた美母(ママ)』(著:鬼頭龍一)や『熟母輪姦』(著:夏島彩、どちらもフランス書院文庫)といった官能小説の前半で見られた、息子の友人に脅され、迫られ、貫かれる母の流れを基本としている。ほんの些細なきっかけから当初は良くも悪くも大人の女が少年をちょっと誘惑した結果、それは逆に(少年が用意した)とんでもなく淫靡な蟻地獄への陥落だったという、なかなかえげつないながらもハマる読み手なら確実にツボる展開でもあろう。
官能描写を前面に出してから状況説明を後に行う手法が各話で多用される中、時には突然出てきて「誰?」という感じになったり、訳が分からぬまま話が別の方向から進んだりで、初見では全体を把握するのが少し難しい面もある。一見すると容姿が春香に良く似た千鶴などは最初「あれ?春香さん?急に豹変した?」と第2話冒頭で思ってしまうかもしれない。何より「春香」の名前が出てくるのは次の第3話である。息子の静也にしても、よくよく注意して見ていかないと何故に熟女の相手をさせられているのか分かりにくいし、そもそも名字だけや名前だけで出てくる登場人物に識別性としての統一感が欠けている。要するに、作品の全体像を読み手に掴ませるための情報の出し方には稚拙な部分があると言わねばなるまい。
しかし、それを補って余りある官能面の圧倒的な凄味がある。
スラッとしていた女体が次の場面では急に肉惑的に描かれていたり、そのデフォルメが過ぎてしまったのか、少年とのバランスが少々よろしくないような場面もあるのだが、それらさえも瑣末に感じさせる淫靡で動きがあって興奮度の高い官能描写が随所にある。描写自体が発展途上と言えばそれまでだが、それだけ伸びしろを感じさせるセンスは充分にあると断然したい。この母子の行方にハラハラドキドキしながら次巻を待ちたいと思う。
ただ、続きがあることが明白ながらタイトルに『第1巻』や『前編』といった文言が無いのは少しいただけない。本作次第で次巻を検討との思惑もあるのだろうが、少なくとも作者のキャリアとして残るのだから、その育成という観点からも編集側には本作の完遂を切に望むものである。