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2023/11/30 22:28
余韻まで脳裏に刻まれる良作
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アイス - この投稿者のレビュー一覧を見る
人間の狂気と欲望と理不尽さを、完成度高く読ませるので魅入ってしまった。表紙、タイトル、絵のタッチ含めて世界観と表現力が素晴らしい。この奇譚は、江戸川乱歩の異常心理に触れたような味わいで、怪しげで妖しく魅了される。
自分を慕ってくれた少年達を自らの手で殺し、その様を「月食奇譚」として小説を遺した殺人鬼と復讐する為に生まれ変わった少年達のお話。
黒岩先生は生まれつき恐怖を知らずに生きていて、自分に愛を告げる少年達に陵辱した後殺し、恐怖と快楽を死に際に刻ませて「僕を愛してるなら来世で会おう」と呪いをかける。
中でも最後の9人目の被害者 月村には好奇心があるのかすぐには手をかけずに偶然とはいえ、7人目の岸部の死体隠蔽を共犯にさせて 8人目の火山の溺死も共犯に誘う。最終的には月村も殺されて転生する。
月村以外の8人は前世の記憶を持たずに、殺された年頃になると記憶が蘇るのか生まれ変わった黒岩先生こと臣彦に復讐をする。復讐を果たしたら前世の記憶も殺した記憶も抹消されたかのように現代で生きていく。月村だけは前世の記憶を持ちながら転生していた。
7人目と8人目の殺人に立ち会っていたからか、月村が星野として転生した現代に7人目も8人目も転生していて、現代では7人目と8人目が黒岩先生こと臣彦に復讐するのを目撃させられる。因果応報である。
ラストは星野(月村)と臣彦(黒岩先生)の全てをかけた最期の呪い。
「僕を愛してるなら一緒に死のう」と臣彦が星野を抱く。
「一緒に死のう」と星野が臣彦を抱く側に逆転し、快楽と死への恐怖を植え付ける。まさに黒岩先生の長年の望みを叶えて、黒岩先生自身が死の間際で得た1番の幸せ。星野だけは転生しても忘れずに、自らの手で黒岩先生の魂を昇華させて 呪縛を解き死からの解放をもって魂の救済をしたと思われる。
終わり方の余白を読み各々の脳裏に余韻まで刻む。
2018/09/03 21:27
良かった
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みきママ - この投稿者のレビュー一覧を見る
年代もののキャラクター絵が話にぴったりで、最近売っている商業bl本とは違った絵のテイストがとても魅力的に感じた。
終わり方もホラー漫画ならではの終わり方で個人的には好きだった。
月食奇譚を読んでから、春泥描いたの本を買い始めたほど引き込まれた本だった。
月食奇譚 (EDGE COMIX)
2017/08/25 10:57
やっぱり春泥さん・・・凄い。
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:はいね - この投稿者のレビュー一覧を見る
最後の辺りを雑誌で読んでいたので重い話だろうとなかなか読み始められなかったのですが
これはBがLや萌を求めて読む本じゃないと思うけど嫌いじゃない!むしろ感動だ。
最後は先生(山田君)が転生するのを孤独(?)に待つことになるのだろうと解釈。