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【全1-2セット】冷戦史
著者 青野利彦 著
冷戦史の全1-2をセットにした商品です。1945年頃から1990年頃にかけて、アメリカ中心の西側陣営とソ連中心の東側陣営が対立した「冷戦」。その影響は21世紀の今日にも色...
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商品説明
冷戦史の全1-2をセットにした商品です。1945年頃から1990年頃にかけて、アメリカ中心の西側陣営とソ連中心の東側陣営が対立した「冷戦」。その影響は21世紀の今日にも色濃く残っている。本書は米ソ超大国やヨーロッパの対立のみならず日本を含む東アジアの展開にも力点を置いた通史である。上巻では、1945年に第二次世界大戦が終わり、大国の協調が崩壊して冷戦が始まる経緯から、朝鮮戦争、脱植民地化の進展、さらに62年のキューバ・ミサイル危機までを描く。
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「歴史は繰り返さないが韻を踏む」を実感でき、歴史の奥深さを堪能できる書
2024/02/06 11:26
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投稿者:巴里倫敦塔 - この投稿者のレビュー一覧を見る
冷戦開始から終焉までの流れを俯瞰して知ることができ、歴史の奥深さを堪能できる書。「歴史は繰り返さないが韻を踏む」という言葉があるが、冷戦時代と現在の混沌とした状況に類似した構造(韻)を、本書からは読み取れる。例えば戦略的な要衝や軍事基地、戦略資源の確保、同盟の形成といった地政学的な利益を追求する構造はよく似ている。1次と2次の台湾海峡危機を生んだ毛沢東の暴走・過激化が、現在の中国の姿とオーバーラップするのは不気味である。
本書は、米国、ソ連、欧州だけではなく、アジアの動きも視野に入れる。冷戦終結後に利用可能になった旧ソ連や東欧の文書などに基づく最新の研究成果を取り入れ、冷戦の複合的な性格・構造を明らかにする。上下2巻で500ページを超える大著だが、お薦めの1冊である。
本書を読むと、現在生じている多くの国際問題の出発点が冷戦にあることが分かる。ロシアのウクライナ侵攻、9.11同時多発テロ、北朝鮮の核開発など、冷戦によって生じた構造が紆余曲折を経て現在につながる。
筆者は、欧州と東アジアの事態がしばしば連動したことを明らかにする。例えば、西ドイツの東方政策にヒントを得て韓国は北朝鮮に対話を呼びかけ、天安門における中国の対応がゴルバチョフの東欧政策に影響を与えた。
歴史の“もし”も興味深い。ゴルバチョフとミッテランらが求めていた、ソ連が参加し東西ヨーロッパ全体を包含するような安全保障秩序が確立していれば、ロシアのウクライナ侵攻は起こらなかった可能性が高い。日ソや日朝、米朝の関係を好転させるチャンスが存在した。例えば、ソ連が北方領土の2島返還を決定したにもかかわらず、日本政府が好機を逃した。