アナザー・ワールド―王国その4―

投稿元：

レビューを見る

くびをながーくしてこれが出るのを待ってた。待たせただけあって、さすがのばなな節です。王国3までとのつながりに気づいたときの衝撃がすごかった！小説の中の「命があるから生きているのであって、なにかを成すために生きているのではない」っていうところに強く心揺さぶられました。

投稿元：

レビューを見る

期待を裏切らないばななワールド。
パパと、ママとパパ２。
正直な気持ちでぶつかり合って、思いあって、一つの答えを探り当てる。
あきらめた世界が、小説の中では当たり前のようで、いろいろ考えた。

ばななワールド。

投稿元：

レビューを見る

2010.06.06.　日曜の書評欄下の広告に載っていた。久しぶりの王国。けっこう忘れてるから、また1巻から読み直したい。

投稿元：

レビューを見る

ストーリーばかり追いかけていた一読目は、なかなか集中できなかったけれど、ひとつひとつのシーンに込められたメッセージを受けとるように、読み方を変えて臨んだ2読目は、それなりに気持ちをのせて読むことができた。ノニの出生の秘密を知ったときは、ちょっと感動。描かれなかった時間に起きたさまざまな出来事を思い、胸がクッと痛くなる。ただ、やはり雫石を好きになれないなー。「人間のことは今でもあんまり得意じゃない」と口にする彼女を、ずるいように思ってしまうのだ。

投稿元：

レビューを見る

王国シリーズのアナザーワールド。雫石の娘、ノニが運命の人キノと出会う物語。と思いきや、雫石（ママ）、楓（パパ）、片岡（パパ2）のその後がメインで描かれているような気がします。雫石の薬草、楓の占い、片岡の実業がとびきりの才能であるように、ノニにも石に関わる才能がある。一番心を揺さぶったのは、片岡（パパ2）とノニが露天風呂で話をするシーンですね。こういう絆って凄いと思う。

投稿元：

レビューを見る

2010.6.18
今までもそうだけど片岡さん（パパ２）の言葉がいいですね。どっしりしてて信頼できる。

投稿元：

レビューを見る

王国、念願の続編です
雫石と楓、片岡にこどもができてます。片岡ノニ。
石の魔法が使える子。そのノニの目線で物語りは進んでいきます
ノニから語られる雫石はほんとうにどうしようもない母親で植物馬鹿でがさつで、やっぱりでもママってすごいみたいな感じ。だから最初戸惑いました。シリーズ通して雫石の成長を見ていたわたしとしてはそれが雫石ではないようで。むしろノニが雫石のようで。
真一郎くんのことも、真一郎と別れるきっかけになったあの女性のことも、雫石から語る感じでは美しい感じなのに、実際はやっぱ腹黒いこと考えてたんだなーって
ノニが旅先で出会う猫の女王の家来であったキノ。
キノに出会ったことでノニ自身も成長していく
出生の秘密
そして片岡さんのことば。涙があふれるあふれる
いつだって片岡さんは冷たくて、きついけど、だけど愛で溢れてるんだ。ひとつひとつの言葉が重たくて、楓をほんとうにほんとうに愛していたことがありありと分かるその情景が、ことばにならない。そしてノニを愛していて、雫石を愛していて、とにかく愛であふれている一冊です
王国シリーズ、きっと終わりね。終わりにふさわしいと出来です

投稿元：

レビューを見る

著者のライフワーク長編、「王国」シリーズの完結編。「王国 その1～3」の主人公である雫石（しずくいし）の娘、ノニの物語。

何かが大きく動くでもない物語なんだけれど、読み終わったあとに気持ちの奥のほうにずしんときます。
盛り込まれている内容をまだ自分の中で消化しきれていませんが、
強いて言うならば、これは「家族」の物語なのかなと感じました。
帯をみると、ノニとキノの出会いのお話としての性格が強そうに見えますが、意外にそうではなかったなという感覚。

ノニの視点で淡々と語られる家族（雫石、パパ＝楓、パパ２＝片岡さん）の姿は、とてもでこぼこしているし、彼らに起こった出来事は幸せなことばかりではない。
それでもノニは確かに愛された娘として育っている。つらかったことも含め、幸福な思い出をしっかり胸に抱いて自分の人生に漕ぎ出そうとしている。
この世で人と出会い、別れていくことの普遍的なかなしさが、楓とノニとのやり取りにとても色濃くあらわれていて、読んでいて苦しかったです。

主人公の性格の違いからか(雫石はタフでずんずん突き進むタイプ、ノニちゃんはおっとりタイプですね）、
王国1～3とはだいぶ趣が異なる世界という印象でした。
ただテーマとして共通しているのは、いまの日本（＝東京）に暮らす上での、自然との乖離ですね。
上京２年目の私としては、東京はあまり住みやすい街ではありません…ノニや雫石ほどとはいかない迄も、定期的に自然のなか、生き生きとした時間の世界にどっぷりつかることは必要だなと感じました。

投稿元：

レビューを見る

ものすごく待ち望んでいたからか。
正直「うーん」といった印象。

星が３つなのは、ノニにかける片岡さんの言葉の一つ一つが
とても良かったからです。

最初は「結局、楓も雫石も･･･」と思っていたけれど
その理由は、ノニに会いたかったから、ということだと知って
読み始め～中盤に感じていた違和感は多少和らぎました。

しかししかし･･･
１，２，３にも増して非現実的過ぎて･･･いまいち入り込めず。

不完全燃焼な感じっす！

投稿元：

レビューを見る

そうやって、いつも息が出来ないような濃度で迫ってくる言葉たち。
特別な感情がこの本にはあるからかもしれないけれど、やっぱり確かなパワーがここまでやってきてる。すごすぎて言葉にならないけど。
ただ、途方がくれるくらいの愛情をもらってみんな生きてきたんだと思うし、私もそうしたいってこと。

投稿元：

レビューを見る

読み始めは「王国ってこんな話だっけ？？」と思いきや
主人公の片岡ノニちゃんは雫石の子どもだった！
時間の経過をこんな風に表現するとは。
また雫石に会えて良かった。

「あ、これも忘れちゃいけないところだな」と
何度も思わせる圧倒的な『王国』ワールドは健在。
これで最後かと思うと読むのがもったいなかった！

投稿元：

レビューを見る

この人の書く本に出てくる人たちは
だらしなかったり破綻していたりもするのだけれど
なぜか皆気高い感じがする。
薬草茶ブレンドしてほしー。
占いしてほしー。

【図書館・初読・8/10読了】

投稿元：

レビューを見る

おとぎ話のような空気を持つ王国シリーズが好きです。

雫石の子供が主人公というのには
少しびっくりしましたが。

1〜3をまた読み直そうと思います。

投稿元：

レビューを見る

「なにを滞っていたんだろう？なんでなにかを決めなくちゃいけないと思っていたんだろう。風邪も波頭も気持ちも遠くの緑のざわめきも湊に見える船も全部がバランスよくそれぞれに動いているその世界の中で、私は自分のことをばかみたいと思った。何もかけたものなんかないのに、自分だけ狭い気分になって深刻ぶることさえも、ゆるされているのだと。」

相変わらず言葉がとても美しい。
表現にはっとさせられるものばかりで、付箋ばかりになってしまった。

なんとも、今回の話もさして進展があるわけでなく、特に過去においての進展を振り返るというこのシリーズでよくある方向性だったのだけれど、凄く良いなぁって思った。

優しくて暖かい世界がそこにはあるんだって。
だいじょぶだって。
安心させてくれる１冊なのでした。

【8/23読了・初読・市立図書館】

投稿元：

レビューを見る

王国シリーズの４作目、完結編。
４作目にあたる今作「アナザー・ワールド」では、語り手である主人公は、雫石からノニに交代です。
読み始めは「あれ...これって誰から話がはじまってるのかな？」と一瞬戸惑いますが、少し読み進めていくとおなじみの登場人物の姿が見えてきて、すんなり「王国」の世界に入っていけます。
今までの１～３作からすると、少し間があいた先のお話になっています。(詳しくはネタばれになるのであえて避けます）

自分的には、１作目でこういうひとたちが作品の中とはいえ存在してくれたことに強い共感と安心感を覚えたのですが、言葉の端々には「わかるひとにはわかるけれど、気づかないままさらりと読み流してしまうひとも確かにいる」といった文章でもあるのがうかがえます。
それは差別的とか上から目線とかではなくて、今のタイミングで共感するひとならわかる、とでもいいましょうか。


ともすれば、これらの言葉は小説という世界の中に生まれた「単なる台詞」にもなりがちです。
でも、気づくひとにはちゃんと気づくようにできているのです。
１回目に読んですぐぴんとくるひともいれば、何回目かにようやく気づくひともいます。それはよいとか悪いとかではなく、そのひとそれぞれに、一番ふさわしいタイミングで訪れるのです。ですから、読後なにも残らなかったかたもいらっしゃるかもしれません。でも、それはそれでいいんです。今のそのかたには、この文章は必要ではないときなのでしょう。
（本来、手にした本というのはそういうもので、なんらかのご縁とかひきつけられる部分があるからこそ手にとるわけなのですが。何処をどう感じるのかは、そのときの本人次第なので。いい感想も悪い感想も、そのときの自分の状態の反映なのです）

そして、このことは、ひとから指摘されたから、文章の中から見つけ出す、といったものでもないのです。
自分が、自分の意志で感じ取ることに意味があります。
人生がそれぞれ違うように、同じ真理でもそれぞれ立場も考え方も性格も異なるのですから、同じ感想になる必要はないのです。

共感するということは、自分の波動のどの部分かが、たまたまその対象と重なっている部分があったということで、共感したからすべてが同じ、というわけではありません。

あなたには、あなたならではの感じ方があって当然なのです。
あなたの人生が、あなただけのものであるように。


自分にとってこの本は、自分の感覚とか意識を開かせるちからになる本であり、文章はとてもストレートな表現で大事なことを伝えていると感じるのですが。
みなさんはどう感じられるのでしょうか。
あるかたにとっては全然違うものかもしれません。おそらく、そういう場合のほうが多いかとも思います。でも、そういうかたは別の何処かで、意識が開かれるような出会いがあるのだと思います。


よしもとばなな作品はすべて読みましたが、彼女の作品を好きになったのはデビュー時からではなく、かなり後になってからです。いわゆる大自然というものに生かされているんだとか、人��を超えた大きなある存在とか目にみえないけど確かに存在しているものとかに触れはじめてからですね。
ああ、この方は「悟られた」なぁ、と直感的に感じた、それ以降ですね。

世の中の真理とか、生きていくうえでとても大切なこととかを、登場人物の言葉の中に織り込んで語られる。そのメッセージこそがこれらの作品の本当のテーマではないでしょうか。


「もののけ姫」とかに共感される方とか、妙に植物と波長が合う方などは、この「王国｣シリーズに何かを感じやすいかもしれません。
あと、「世間一般」とどこか違うね、といわれてしまうような、もの静かな方とか...www

まあ、気になったかたはとにかくご覧になってみてください。

(自分は１で強烈に共感し、2,3を軽く物語として読み、４で再び強く共感してボロボロ泣けてきました。この４冊のなかに、ひとつの生き方の示唆があります）