アナザー・ワールド―王国その4―

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2010.06.06.　日曜の書評欄下の広告に載っていた。久しぶりの王国。けっこう忘れてるから、また1巻から読み直したい。

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「なにを滞っていたんだろう？なんでなにかを決めなくちゃいけないと思っていたんだろう。風邪も波頭も気持ちも遠くの緑のざわめきも湊に見える船も全部がバランスよくそれぞれに動いているその世界の中で、私は自分のことをばかみたいと思った。何もかけたものなんかないのに、自分だけ狭い気分になって深刻ぶることさえも、ゆるされているのだと。」

相変わらず言葉がとても美しい。
表現にはっとさせられるものばかりで、付箋ばかりになってしまった。

なんとも、今回の話もさして進展があるわけでなく、特に過去においての進展を振り返るというこのシリーズでよくある方向性だったのだけれど、凄く良いなぁって思った。

優しくて暖かい世界がそこにはあるんだって。
だいじょぶだって。
安心させてくれる１冊なのでした。

【8/23読了・初読・市立図書館】

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雫石と楓と楓の彼氏の子供の話。まああらすじ自体はどうでもいいことのほうが多いというか、本人もどうでもいいと思って書いているところがあらしまへんか、と思うほどよしもとばなな作品のそれであり、特に書く必要を感じない。
人間誰もが持ちうる奥底にある恐れ不安のような大きな塊や痛みを完全に捉えていてその肌触りをだけ書こうとしているなーと感じた前作で、わたしとよしもとばななの間の瓦解を感じたけれど、今回はそれがまた曇りつつあるというか、本人の何かモチベーション的なものなのか、それとも子供との何かなのか、「物語としての流れ」がうまく機能していない気がする。それでも主人公や人々の力でつないでいける部分はあるのだけれど、人々にもそれをする力がない。まだもうひとつ、次の塊を目指していっているのだろうか。非常に不思議。
同時にデッドエンドの思い出を再読したところ、そちらのほうでは繊細に「物語をつむぐ」ということがされているように感じられ、以前はわんわん涙が出たものだったが「おっと繊細」と驚いて涙も出なかった。これが経産婦と経産婦でないの差かもしれないし、もしくは若さと熟練の差なのかもしれない。今の王国４ではずばっと、そのかたまりのあるところまでこころを開かされたような慣れ親しみというか、無遠慮さというか、おばちゃんパワーというか。を感じた。
曇っている。

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王国シリーズの続編ということで読書。

・あらすじ
楓、雫石、片岡さんの愛を一身に浴びて育った片岡ノニ。失恋に苦しむノニは、ギリシャ・ミコノス島で運命の出会いをした。

王国の続編ということで楽しみにしていましたが、内容は番外編といった感じでした。全体的に流れる柔らかい雰囲気が心地よかったです。個人的には特別な能力を持たないノニの存在よりも、王国シリーズの登場人物のその後や、キノさんのキャラクタが好きです。

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ひとは誰でも心のなかの王国を持っているんだと感じた。それは自然のなかで、自分のために太陽がきらきらと陽射しをこぼすようなところなんだと思う。そのことを忘れないように心に刻みたい。

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王国シリーズの最後の一冊。
時は流れて、雫石の娘であるノニが主人公に。物語の集大成とも言えるんだけど、単なる終わりとはまた違って、書かれていないだけで登場人物たちの人生は続いていくんだろうなぁ、なんて思わせられる。
温かい感情が自然と沸いてくるような、やさしい気持ちになれる小説です。今年の終わりに読めて良かった。

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王国シリーズのアナザーワールド。雫石の娘、ノニが運命の人キノと出会う物語。と思いきや、雫石（ママ）、楓（パパ）、片岡（パパ2）のその後がメインで描かれているような気がします。雫石の薬草、楓の占い、片岡の実業がとびきりの才能であるように、ノニにも石に関わる才能がある。一番心を揺さぶったのは、片岡（パパ2）とノニが露天風呂で話をするシーンですね。こういう絆って凄いと思う。

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『サウスポイント』と似た感じのアプローチでできた作品かなという印象を受けましたが、本書の方がより深い場所へ潜った愛についての文章であったように思います。本編に当たる三部作のときよりも切れ味は鋭くなってる。ラストの片岡さんの台詞群は鼻水流しながら読んでました。ここしばらくで読んだ(と言っても最近は離れていましたが)ばなな作品の中ではいちばんのヒットでした。2012年最初の小説にいいものを読むことができて嬉しいです。

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この人の書く本に出てくる人たちは
だらしなかったり破綻していたりもするのだけれど
なぜか皆気高い感じがする。
薬草茶ブレンドしてほしー。
占いしてほしー。

【図書館・初読・8/10読了】

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れ、その１，２，３があったのに、いきなり4を読んでしまった。

これも空想のような話の世界。

ちりばめられている言葉には、いろんなふっと感じる言葉がたくさんあって、

素敵な本でした。

よしもとばななってやっぱり言葉を操るのがうまいなあと思ったのでした。

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そうやって、いつも息が出来ないような濃度で迫ってくる言葉たち。
特別な感情がこの本にはあるからかもしれないけれど、やっぱり確かなパワーがここまでやってきてる。すごすぎて言葉にならないけど。
ただ、途方がくれるくらいの愛情をもらってみんな生きてきたんだと思うし、私もそうしたいってこと。

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王国シリーズの新刊。

楓、雫石、片岡の元で育った片岡ノニ。ギリシャのミコノス島で楓の予言どおりキノと運命の出会いをした。
「猫の女王」の印象が強く残った。
前作の記憶がほとんどなく、つながりを求めて遡って読むことに。

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図書館にて。
ごめん、何だろうこれ…。
子供の日記みたい。すごくひとりよがりで、平坦な感じがした。
どうしたんだろう。言いたいことがあって、それをどうしても書きたいのは伝わってくるけれど、もっと落ち着いて、自分の中で整理してから書いてもいいんじゃないのかな…。
最近のよしもとばななの作品はみんなこんな感じがする。
とにかく、ダメでした。嫌いです、これ。

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「いいからその話はやめて、どんどんお魚を食べて、ワインを飲んで」

その４を読んでこその王国シリーズですね！

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文庫化まで待とうと思っていたけど、文庫既刊分を再読にあたり読みたくなって図書館で借りてきました。
王国シリーズその３までの主人公・雫石の娘・ノニを主人公として書かれた本作。副題に“アナザー･ワールド”とあるとおり、その３までと同列には少し扱いづらい。けれど、やっぱり読んでよかったなぁって思います。
ばななさんの小説がどれもそうであるように、この話も優しいばかりの物語では決してない。 「パパ」である楓から娘ノニへの遺言、 ラストを飾る「パパ２」であるところの片岡さんの言葉、ところどころに涙が出そうになった。
特に一番じーんときたのはこの言葉は

『命があるから生きているのであって、なにかを成すためにいきているのではない』

なんかいいなぁ。
どこまでも楓は楓で、片岡さんは片岡さんで嬉しかった。雫石だけはなんだか今までと少し違うように思えたけれど、娘視点ではこういうふうに見えるのかなぁって思うとおもしろかった。
たぶんその４が文庫化されたら、きっと買ってまたその１から読み直すんだろうな。その後もたまに引っ張り出して読み直すんだろうな。