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魔界転生 上 山田風太郎忍法帖(6)
著者 山田風太郎 (著)
心をこの世に残しつつ死の際に立った男が愛する女と交わる――と、一ヵ月後にその女胎を裂いて男が再誕する。妖異凄絶の忍法「魔界転生」。血風の中に甦る大剣鬼は天草四郎を筆頭に、...
魔界転生 上 山田風太郎忍法帖(6)
魔界転生 上 (講談社文庫 山田風太郎忍法帖)
商品説明
心をこの世に残しつつ死の際に立った男が愛する女と交わる――と、一ヵ月後にその女胎を裂いて男が再誕する。妖異凄絶の忍法「魔界転生」。血風の中に甦る大剣鬼は天草四郎を筆頭に、宮本武蔵、荒木又右衛門、柳生但馬守……。背後で操る森宗意軒と由比正雪。紀伊大納言頼宣をそそのかして天下を大乱に導くか!?
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紙の本
これぞ山風!
2015/08/12 07:37
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひろにゃご - この投稿者のレビュー一覧を見る
過去に数度劇場映画化されたこともある”山風”作品。
現在は、せがわまさき先生によるコミカライズも進行中である。
本作の主人公は時代劇好きなら知る人ぞ知る柳生十兵衛三厳。
謎の怪老人「森宗意軒」と彼が率いる魔人(当代の剣豪を忍法に
より転生せしめたもの)による国家転覆計画に、隻眼の剣豪
柳生十兵衛が立ち向かう。
紙の本
ああ,山田風太郎よ永遠なれ。
2001/11/17 17:49
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Snake Hole - この投稿者のレビュー一覧を見る
世の中には,まだそれを読んでいない,これからその本を読むというヤツがねたましくなるような本がある。山田風太郎「魔界転生」はそのひとつ。
私が初めて読んだのはもう20年以上前であり,以降4,5年ごとに読み返す。そして読み返すごとに,この本の中身を何も知らないでこれから読むことができるヤツはなんと幸せであろう,と思うのである。
酸鼻を極める島原の乱終結の時,魔道士森宗意軒の妖術にて転生する天草四郎,続くは荒木又右衛門,柳生但馬守,宝蔵院胤旬舜,そして剣鬼宮本武蔵……,彼等を操っての陰謀にひとり立ち向かうは柳生十兵衛!
深作欣二の映画も浦田保則のアニメも白井政一のリメイクも石川賢の漫画も面白さにおいて,この原作の半分にも達していない。ああ,山田風太郎よ永遠なれ。
紙の本
奇想の極み
2001/07/31 18:17
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かぜ - この投稿者のレビュー一覧を見る
数多い忍法帖シリーズ中でも最高作の呼び声が高い。旧題は「おぼろ忍法帖」。宮本武蔵をはじめ、名高い剣士が復活し、幕府転覆を企む。柳生十兵衛の破天荒な魅力も素晴らしい。
紙の本
アニメ・マンガ・ゲームと風太郎
2003/05/26 02:23
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:コウヘイ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ワイドショーで『魔界転生』が映画化されるのを知ったのであるが、そこでは窪塚の主演と深作の旧作にばかりスポットが当てられていて悲しかった。俄か風太郎ファンの私が言うのもなんだが、せめて浅田次郎程度には、風太郎についても紹介してほしいものである。
不遇の作家・山田風太郎だが(こんな物差しを使うのもなんですけど、高校の国語便覧には載ってない。『戦中派不戦日記』、立川文庫の流れを汲む「忍法帳」、「くノ一」イメージ…どれも日本文学にとって重要でないのだろうか?)、『魔界転生』が日本の(広義の)物語空間に与えた影響ってのは小さくないと思う。ちょっと若い人に身近な所を掘り起こして見よう。
言わずもがなのことかもしれないが、まず、ゲームの『魔人転生』って影響受けてるだろう(笑)。天草四郎が妖術使いの悪役でラスボスってのは、映画版が直接的な影響を持ってるんだろうが、まぁ風太郎の手柄。だからゲームの「侍スピリッツ」は、強豪剣士の対決という意味も併せて、かなり風太郎的であろう。
アニメ脚本家会川昇は確か「風太郎ファンがアニメ業界に多い」云々のことを朝日新聞に書いていたのを私は見たことがある(記憶違いかもしれないが)。大体彼の参加したアニメ『ヒヲウ戦記』って、風太郎の臭いがする。坂本竜馬≒(原作版)柳生十兵衛=飄々とした朴念仁キャラ、という見立てはそれほど大外れでもあるまい。あと桜田門外の変で井伊直弼が「カラクリ」を使って暗殺された(笑)っていうのも又、風太郎忍法の奇想に通じる(石子賢リメイクの方が直接的影響力ありか?)。こういうキャラ、ハッタリの仕方ってアニメやマンガによく見られるものだ。
とりあえず、重苦しく暗い文学とは違うので、若い人にこそ読んで欲しい。いい意味で「マンガ的≒大衆文化的」なので、風太郎が角川ファンタジー文庫読者層を奪ってくれたらいいなぁと思う。
紙の本
忍法魔界転生!甦った7名の魔剣士&幕府転覆を狙う黒幕。対する柳生十兵衛&柳生十人衆。
2003/01/05 15:41
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:uwasano - この投稿者のレビュー一覧を見る
島原の乱(1637年)の首謀者である妖軍師・森宗意軒は、西洋黒魔術と忍術を融合させ、忍法魔界転生をあみ出した。生に対する執着心の強烈な者が死ぬ時、女体を使って甦らせるというものだ。これにより蘇生したのが転生衆で、天草四郎・荒木又右衛門・田宮坊太郎・宮本武蔵・柳生但馬守宗矩・宝蔵院胤舜・柳生如雲斎の七名である。彼らは由比正雪と組み、紀伊大納言徳川頼宣を御輿としてかつぎ、幕府転覆を計る。陰謀に気付いた柳生但馬守宗矩の長男・柳生十兵衛三厳は、柳生十人衆とともに魔剣士達と戦う…
白土三平や横山光輝の忍者漫画や、小池一夫原作の時代漫画では、「忍術には科学的根拠が必要」という思想に貫かれていた。柳田理科雄氏が著作でつっこむような、細かく見ると駄目なシーンは多々あるのだろうが、おおむね科学的根拠を土台とした忍術だった。ところが、この小説の「忍法魔界転生」はどうか? 黒魔術と融合することで、何でもありになっている。すべては、柳生十兵衛と魔剣士達との戦いを描くため、科学を無視したという感じだ。そしてそれは大成功だった。奇抜な魔界転生のシーンなど、ヌメヌメした感じが「エイリアン」等のSF映画の原点になっているのでは? と言えるほどよく出来ている。
物語の主軸である黒幕による幕府転覆の野望もいい。現実の由比正雪の乱(慶安事件)も、紀州徳川家と偽って江戸城に潜入し奪取する計画があったらしいので、黒幕に紀伊大納言徳川頼宣がいても筋が通る。紀州家は、この後、八代将軍吉宗、一四代将軍家茂と、将軍を出しているわけだから、頼宣が将軍を目指しても全くおかしくない。上巻で十兵衛がその名前を出した老中・松平伊豆守信綱が、下巻で本当に頼宣の前に出張ってくる展開もすぐれている。幕閣を揺るがす大事件という展開が興奮する。私の好きな怪獣映画でよく出てくる「怪獣の存在に対応する日本政府首脳」に通じるものがある。
講談社文庫下巻の日下三蔵氏による解説「忍法帖雑学講座6」でこの作品の漫画化・映画化作品の紹介がある。ここに掲載されていないもので、とみ新蔵氏による漫画『魔界転生』(リイド社)があり、これはかなり原作に忠実であった。 とみ新蔵作品には、柳生如雲斎の息子が活躍する漫画『柳生連也武芸帖』(リイド社)もある。
また、1981年の深作欣二監督の映画はお馴染みだが、2003年、平山秀幸監督により再映画化される。深作映画を超えるのは難しいだろうが、楽しみではある。