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9件
山田風太郎忍法帖
著者 山田風太郎 (著)
家康の秘命をうけ、徳川三代将軍の座をかけて争う、甲賀・伊賀の精鋭忍者各十名。官能の極致で男を殺す忍者あり、美肉で男をからめとる吸血くの一あり。四百年の禁制を解き放たれた甲賀・伊賀の忍者が死を賭し、秘術の限りを尽くし、戦慄の死闘をくり展げる艶なる地獄相。恐るべし風太郎忍法、空前絶後の面白さ!
忍法関ヶ原 山田風太郎忍法帖(14)
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甲賀忍法帖
2009/04/01 23:46
風太郎ワールド未体験のあなたに
9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:東の風 - この投稿者のレビュー一覧を見る
特異な技を持った伊賀組、甲賀組それぞれの十人衆が、トーナメント勝負のような死闘を展開していくストーリー。一読、あまりの面白さに呆然とさせられ、しばらくの間、山田風太郎の作品をあれこれと、むさぼるように読んでいきました。
忍者それぞれの技が、実にユニークで奇奇怪怪、驚きに満ちていること。まるで妖怪変化の如き忍者たちの、尋常でない勝負の行方の意外性。「こいつはやるんじゃないか」と注目していた忍者が、ひとり、またひとりと消えていくスリリングな面白さ。
傑作ぞろいの風太郎忍法帖のなかでも、キャラの無類の魅力と、ぎゅっと凝縮された話のスピーディーな展開にわくわくさせられたことでは、これが一番! 続いて、『柳生忍法帖』『柳生十兵衛死す』『魔界転生』あたり、首までずっぽり浸かって読みふけったものでした。これから読む方が、本当にうらやましい。
本作品をマンガにして描いたせがわまさきの『バジリスク 甲賀忍法帖』(単行本・全5巻)もいいですよ。おすすめ☆
ちなみに、山田風太郎作品のマイ・ベスト5は、『妖異金瓶梅』『甲賀忍法帖』『明治断頭台』『おんな牢秘抄』『夜よりほかに聴くものもなし』。風太郎ワールドの、問答無用の面白さ。読書の至福のひとときに、きっとわくわくさせられますよ。
魔界転生 下
2012/10/08 01:03
奇々怪々
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yjisan - この投稿者のレビュー一覧を見る
小西行長の家臣だった森宗意軒は由比正雪、紀伊藩主徳川頼宣と手を結んで、江戸幕府転覆を企む。森宗意軒は、自らが編み出した忍法「魔界転生」によって、剣豪たちを黄泉返らせる。島原の乱の天草四郎時貞、鍵屋の辻の決闘の荒木又右衛門、居合の田宮坊太郎、宝蔵院流槍術の宝蔵院胤舜、尾張柳生流の柳生如雲斎、江戸柳生流の柳生宗矩、宮本武蔵ら名だたる剣豪たちが転生した。魔界から転生した彼等は強靱な肉体と引き替えに人の心を失い、闘うことのみに楽しみを見出す悪鬼と化した。そして彼等の野望を挫くべく、この時代と世代を越えた剣豪オールキャストに立ち向かうことを決意したのが、我らが柳生十兵衛であった・・・
山田風太郎の物語世界は奇想天外で奔放な想像力に充ち満ちている。あまりにも荒唐無稽で現実離れした舞台なのに、そこで演じられる活劇は妙に生々しく、不思議な迫力を備えている。それは緻密な「ゲームのルール」をはじめとする筋書きの巧さも勿論だが、人物がしっかり描かれているというのが最大の要因だろう。いかに突飛な設定であっても、漫画的な超人が次々と登場しようとも、常人の想像の域を超えた戦闘が展開されようとも、人間の欲と情が徹底的に描き込まれていれば、それは現実社会に取材した風俗小説よりも遙かに「リアル」なのである。これぞまさに虚実皮膜。
甲賀忍法帖
2004/01/18 20:04
日本版X-MEN!
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:藝霧 - この投稿者のレビュー一覧を見る
毛を操れたり、ゴムみたいに身体が伸びたり、血を自在に出せたりと、様々な忍術をもつ甲賀と伊賀の忍者が戦うこの作品は、日本版X-MENという言葉が一番あっている。映画化したら、恐らくとてつもなく楽しい作品になるであろう。
少年誌的な戦いの描写や内容がとても面白く、エンターテイメント小説として何回でも楽しめる。事実、私は何年経とうと何回でも読み返している。面白すぎてあまり多くは語れないのだが、文学的な奥深さは皆無ということだけはハッキリしておきたい。
文学的な奥深さは確かに無いのだが、そんなことはどうでも良い、といわせるほどの圧倒的パワーを秘めている。
少年誌を読んでいる少年や、読んでいた元少年には是非読んで欲しい。
ちなみに山田風太郎忍法帖シリーズでは甲賀が一番だと思う。