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投稿者:Mr.X - この投稿者のレビュー一覧を見る
文学者として有名な安吾だがやはり教科書の中に見る人だけあって、文章に隔世の感があるのは否めない。カタカナで擬音を多用するのは乱歩の影響だろうか、今見れば堅苦しさまで覚える文体も当時は面白かったのだろうなあという感慨に浸ってしまった。時代を楽しむにはいいかもしれない。
【ネタばれ】短編「アンゴウ」がいいです。
2020/02/18 21:20
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投稿者:KazT - この投稿者のレビュー一覧を見る
登場人物が多く、読み始めは非常に読みにくく感じました。推理小説を書きなれていない作家の作品という印象を受けました。日本の推理小説を代表する作品とわかっていなければ最後まで読み続けられなかったかもしれません。
横溝正史の「夜歩く」「迷路荘の惨劇」のような雰囲気と、解説にも書かれてますがアガサクリスティのある作品とトリックがよく似てます。
評価が分かれるような気がしますが、本書に収録されている短編「アンゴウ」は対照的に暗号の謎に引き寄せられ、最後には深く感動させられる素晴らしい作品だと思いました。
奔放な芸術家たち
2001/05/30 04:49
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投稿者:呑如来 - この投稿者のレビュー一覧を見る
昔はおおらかだったのね、と国木田独歩の作品に感じるのと同じような感慨を得られる本書。推理小説というにはあまりにかわいらしいが、小説家や画家といった芸術家たちが一同に会した屋敷で起こる殺人事件は、動機や登場人物たちの行動からして、なかなか生々しいものがあり、人間は実に嫉妬深く、陰険で、傲慢、性質が悪いことこのうえない、という当たり前のことがよくわかる。
性だって、もともとこんなに大らかなものだったのだから、現代人がことさら目くじらを立てる必要もないだろうに、と思ってしまった。
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大学の先輩なので敬意を示しつつ・・でも「アタピン」と名付けるセンスはちょっと・・。(2004.1.14)
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「桜の森の満開の下」等で有名な日本文学を書いている坂口安吾のミステリ。
文学の人もミステリ好きが多くて、かなりの頻度で一冊だけミステリを書いていたりします。
かなり古いので、ちょっとあれですが、おすすめ。
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坂口安吾さんの本。推理小説を書いているのを知らなかったので、本屋で見かけて即買いしてしまいました。オススメです。
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●日本の推理小説史上、不朽の名作との誉れ高い長編推理●第2回(1948年)探偵作家クラブ賞受賞(現在の推理作家協会賞の前身)●日本で最高のストリック小説…ストーリー全体が1つの大トリックとなっている推理小説●クリスティ『ナイルに死す』に感嘆して本作を書いたとか…
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こんなに登場人物が複雑に愛憎劇を繰り広げているとは・・・少々人物相関が最初分かりづらかったです。最後の謎解きでかなりすっきり。ミステリとして結構面白かったです。
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イメージ参照(http://blogs.dion.ne.jp/kentuku902/archives/4657302.html)
探偵作家クラブ賞(1949/2回)
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終戦後間もない、ある夏。詩人・歌川一馬の招待で、山奥の豪邸に集まったさまざまな男女。
作家、文学者、詩人、画家、劇作家、女優などいずれ劣らぬ変人・奇人ぞろい。
邸内に異常な愛と憎しみが交錯するうちに血は血を呼んで、世にも恐るべき八つの殺人が生まれた。
<不連続殺人>―その裏に秘められた、悪魔の意図は何か?
この作品も十数年ぶりに再読。やはりすっかり忘れていました。
坂口安吾といえば「白痴」「堕落論」と授業で習いましたが、推理小説も書いていたと知ったときは驚きました。
おそらく誰かの著作の中かあとがきで触れられていて手に取ったはずですが、もう覚えていません。
今回再読して改めてその緻密さに驚きました。
登場人物が変人だらけなのでそちらに引きずられがちですが、謎解きはとても論理的。
これだけの人数が殺されてしまう理由も納得です。
ずっと読まれている「名作」といわれる作品には、言われるだけの何かがあるのだなぁという単純なことを再認識しました。
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不朽の名作との呼び声が高い本作。期待して読み始めました。
終戦間もない山奥の豪邸に招かれたさまざまな男女。そして殺人事件。
とにかく登場人物が多くて、序盤はなかなか把握しきれません。
中盤以降も、「雰囲気はあるけど、なんだか普通の推理小説だなぁ」なんて思いながら、頑張ってコツコツ読み進める感じでした。
しかし終盤、探偵役が犯人の企みを明かすあたりからグッと面白くなり、犯人の仕込みに唸り、探偵の洞察に納得しました。
「まあまあ楽しめたな」
そう思っていたら、巻末の高木彬光の解説が良く、僕の本編の読解はすこし浅かったのかもしれないと反省しました。
読了後に知ったことですが、雑誌連載時に毎回書かれていた「読者への挑戦」がカットされているそうです(東京創元社版にはあるらしい)。これがあるとないとでは面白さが断然違うという意見もあり、ちょっともったいないことをした気がします。
長々と書きましたが、ラストが素晴らしく、胸に迫るものがあります。推理小説として★3つをつけてしまいましたが、殺人事件にまつわる、ひと夏の群像劇として読めば、また違った味わいがあります。再読したいです。
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Kindle Paperwhiteで小説を読んでみたくて、でも中々読みたい本がKindle化されていなくて、一度読もうと思いながら読めていなかった古典が、格安で発表された当時のスタイルでKindle化されていたので、買ってみました。
小説そのものは古典だし、いまさら言うまでもないでしょう。
坂口安吾氏がミステリー好きが興じて読者への挑戦付きの懸賞推理小説として発表したものです。時代の古さは否めませんが、作品自体は面白かったです。
推理小説には現場の屋敷の見取り図とか、時刻表などの図表がつくものが多く、この作品も見取り図や簡単な地図が数点ついています。
それ自体はちゃんと見ることができたのですが、最近のスマホやタブレットを使用している見としては、2本指のピンチアウト操作で拡大表示される事を期待したのですが、それは駄目でした。ソフトウェアでどうとでもできることだと思うので、ソフトのバージョンアップで図表の拡大表示に対応してほしいですね。
あと、これは日本作品だから付いていないかもしれませんが、海外作品なら登場人物の一覧が巻頭に付いているのもよくある話。小説を読みながら、時々巻頭の登場人物一覧を見返して、「ああ、こいつはヒロインの元恋人の奴か」とか思い出す事が多々あります。そういう、ページの移動がどこまでスムースに出来るかを、次は海外作品をKindleで読んで試してみたい。
ほとんど本の感想ではなく、Kindleの感想になってしまった。
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・言葉通りの推理小説
・『扉を糸に結んで自然にしまる装置をするとか、密室の殺人を装うとか、そういう小細工は小細工自身がすでに足跡というものでさア。すでに一つの心理を語っているではありませんか。』-p181
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なぜこの表紙なのかは考えないとして…
ラストがとてもスッキリしててきれいだった。
説明しすぎないで、かつ納得できる良い終わりだった。
自分は、ナイル殺人事件の解説か何かを読んで不連続殺人事件に興味を持ったはずだったが、そのことを忘れて読んだことで、結末に驚くことができた。良かった。