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憂国呆談リターンズ
あの浅田彰と田中康夫が、民主主義の本質を抉り出した驚異の対談。長野県議会から、ブッシュ政権まで、世の中を斬りまくる!最初に当選した二〇〇〇年秋から、再選されて「リターン」...
憂国呆談リターンズ
憂国呆談リターンズ 長野が動く、日本が動く
商品説明
あの浅田彰と田中康夫が、民主主義の本質を抉り出した驚異の対談。長野県議会から、ブッシュ政権まで、世の中を斬りまくる!最初に当選した二〇〇〇年秋から、再選されて「リターン」してくる二〇〇二年夏までの軌跡。紙の書籍1600円⇒電子版700円の特別価格。
著者紹介
浅田彰 (著)
- 略歴
- 〈浅田〉1957年生まれ。京都大学経済研究所助教授。著書に「構造と力」「逃走論」など。
田中康夫 (著)
- 略歴
- 〈田中〉1956年生まれ。作家。長野県知事。著書に「なんとなく、クリスタル」など。
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紙の本
【アホでマヌケなアメリカ白人】になりたくない家畜人ヤッシー
2002/10/24 15:35
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:栗山光司 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「憂国呆談」幻冬舎「新・憂国呆談ー神戸から長野へ」小学館。そして、この最新刊はダイヤモンド社である。詳細はわからないけれども、憂国シリーズの出版社が変遷した事情はこの対談そのものが最初は文芸春秋の「CREA」で始まり、二玄社の「NAVI」、嶋中書店の「CQ」そして、「週間ダイヤモンド」と複雑怪奇である。田中の言によれば、「CREA」でお払い箱になったのは湾岸戦争に反対し、村上春樹批判をしたのが嫌われてらしい。「NAVI」も春樹好きの編集長に嫌われてリストラされ、「CQ」にたどり着いたが、突如、休刊。=海の向こうのコンデナスト社の方針らしいけど、今や、戦争中の日本よりも翼賛状態なアメリカのメディアが考えることは、ようわからん。一説には「読売」やNHKと違って対米追従しない浅田・田中対談が連載されていたのが、先方の逆鱗に触れたって「真相の噂」もあるけれど、われわれの発言こそが「勘性」と「温性」に満ち溢れているってのは、歴史が証明するね(笑)。=と田中は言う。
実を言えば、私は今、話題のマイケル・ムーア著【アホでマヌケなアメリカ白人】を読んでいるのだが、そのアメリカ人(WHITEMEN)に依存した名誉白人たる黄色人種は何と呼べば良いのだろうか。「家畜人ヤプー」か。だが、沼正三には一筋縄ではいかないディシプリン(規律)を内面化した美的空間があり、主体と客体を逆転せしめる哲学があった。この神話的空間を維持するために白人達を物化したのだが、ブッシュの恫喝に右往左往するこの国のマスコミ、為政者達は政局ではなくて、ちゃんとした政治哲学があるのであろうか。
田中康夫は県知事として帰って来た。何故、彼は勝つことが出来たのか。良くも悪くも彼には哲学があった。政局と利権でしか動かないモラルはモラルたり得ない。弱すぎるのだ。極右の確信犯が哲学を引っ提げて登場したら、もろくも彼等に拉致される危険がある。田中は〔管亀小野〕新党のシナリオは悪くないと言えば、浅田はそれに田中康夫が噛めばと、面白い事を言う。かような勘性はマスコミから出ないであろう。要は右であれ、左であれ、自分の哲学で動く人に政治をやってもらいたいものである。ならば、こちらも自立した哲学を持たざる得なくなる。衆愚というならば、そこの反省が必要なのであろう。高橋秀美の「からくり民主主義」は非常にタメになったが、本来なら大新聞なりテレビが時間と費用をかけて現地取材を行い報道すべき内容である。それが無理なら連載紙面を提供するとか。田中に「脱記者クラブ宣言」をやられたら、まっとうな記事を書くことで勝負するしかないないはずだ。〔構造改革〕はまず自らやらなくては耳を傾けてくれない。
しかし、この本では固有名詞が一杯出てきて私は遠慮して紹介しないが成程、一歩、間違えば危うい綱渡りをしているのだなあと判る。ガラス張りの知事室はホンマに良いアイデアである。哲学を持っていない奴は密室で話したがる。それは対話とは言わない。哲学を持っていれば、公開の場こそハレの舞台だ。キケロの昔からそうである。マスコミはかような場を提供すべきなのである。知ったかぶりの政局記事は百害あって一利あるであろうか。せめて、我々は「アホでマヌケな名誉白人」になりたくない。それが家畜人ヤプーの矜持というものだ。