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彼女はたぶん魔法を使う

著者 樋口有介 (著)

フリーライーターの柚木草平は、美女たちに頭を悩ませ、女子大生轢き逃げ事件を鮮やかに解く――。シリーズ第1弾。

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彼女はたぶん魔法を使う

税込 550 5pt

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みんなのレビュー66件

みんなの評価3.3

評価内訳

紙の本

ちょっとロマンティックなハードボイルド。

2010/02/06 22:11

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 樋口有介さんはですね、「月への梯子」がすごかったのです。
樋口作品初読みっていうこともあり免疫が無かった所為か、
イチコロでやられてしまいました。
(それほどすごい作品だったので、一応みなさんにおすすめ)
 
で、樋口作品は、東京創元社からシリーズ物がでているなぁ、、
(元の版元は、ちがったそうです)
と本屋で横目でいつも見ていて
今回、読んでみました。

 フリーライター柚木草兵を主人公にしたハードボイルドものです。
 柚木は、元警視庁の刑事。
 離婚歴があり、小学生の娘がいて、娘から微妙な年頃ならではの微妙な相談を受けたりします。
(柚木の相談に対する答えも、曖昧というか、微妙)
まぁ、エンタメ・ハードボイルドの設定はこんな感じでしょ、、という典型的なシリーズ物です。
 柚木は、交通事故で妹を無くしたという姉から相談をうけ、ひき逃げ事故ではないかという
疑いのもと調査に乗り出します。

 巻末の解説にあるとおりで、柚木が出会うのは、美女ばかり、、。
調査の目目ながらその美女との出会いを楽しむ柚木。
 そして、事件に振り回され、その事件に突っ込みつつ、証言したり情報をくれる
美女たちとの甘い会話をまるで楽しんでいるかのようです。
 そして、HB特有の都会で生きる、孤独な男性の人生に対する諦観と
その人生を表現しきった、かっこいい科白。
 一つ、抽出すると、
「人生は、普通に暮らせれば、95%成功だ」小市民には、ぐっときます。

 「月への梯子」とは、同じ作者が書いたという程度で
あんまり共通項は、なかったけど、安心して楽しめるプロの職人技って感じので
甘めのエンタメHBの典型でした。

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紙の本

男のためのハーレクインロマン

2008/06/11 00:36

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:拾得 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ついつい読んでしまう作家がいる。最近は樋口有介。特に「好きな作家」と言うほどでもないのだが、つい手が出る。なぜか? 本書をネタにじっくり考えてみた。
 本書は作者の人気シリーズ「袖木草平」ものの第一作。本シリーズは、雑誌に小文を書いて身を立てている元刑事が、かつての同僚からの頼まれ仕事で、にわか私立探偵として各種事件調査にのりだすという筋立て。本書では女子大生ひき逃げ事件の真犯人探し。
 樋口作品の特徴の一つは、主人公の「気の効いた語り口」にある。本シリーズでも袖木は、会う女性ごとに「褒め言葉」とも「くどき文句」ともとれる言葉を、本気なのかとぼけているのか、惜しげもなくばらまく。『ぼくと、ぼくらの夏』に代表される、彼の青春ミステリーでも、主人公となる男子高校生はその年齢の割に、小気味よい会話を繰り出す。ここまで適時打を放てれば本望だろうが、下手に真似をすると間違いなく女友達を失っていくのだろう、と考え込んでしまう。
 加えて、この袖木シリーズ(いや、彼の作品の多く)は「出会う女性は美女ばかり」(裏表紙コピー)ときた。退屈な捜査も、美女に出会えるのであればやる気も出ようか。かといって官能小説というわけではない。この美女たちとの、うまくいきそうな・いかなさそうな、微妙な会話が展開されているのもさらに魅力となっているようだ。
 ちなみに、袖木には妻子はいるが別居中。刑事を辞めたのもなにやら「訳あり」だそうだ。(元?)男の子であればかなりが憧れる(私立?)探偵だが、この「訳ありの過去をもった元刑事」という陰のある設定もなかなかいいスパイスになっているようだ。
 そう、ミステリー、美女、訳ありの過去、(根っからではない)組織に属さない自由人、・・・。なるほど、凡庸なサラリーマン生活にはない素材がそろっている(最後の要素を除けば「課長島耕作」だ!)。読むのが癖になるのはこの辺りなのかもしれない。だとすれば、樋口作品は「男のためのハーレクインロマン」といえようか(本物は読んだことないけど・・・)。

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2006/11/30 21:15

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2007/01/18 02:06

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2006/12/07 00:13

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2007/01/04 13:15

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2007/07/20 12:03

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2007/08/11 20:39

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2008/04/28 00:50

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2008/08/28 12:34

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2009/01/11 18:49

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2008/05/20 15:25

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2009/02/11 23:37

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2009/03/28 01:21

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2009/03/30 13:18

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