商品説明
源平の争乱に始まる中世に重視されたのは、父子一系でつながる一筋の皇統=正統であった。源頼朝は正統の天皇を護るため武家を創り、鎌倉幕府が後鳥羽上皇と戦ったのも朝廷再建のためだった。室町時代、事実上の院政を執った三代将軍・足利義満など、中世の天皇と武家の役割を究明し、古典を鑑として乱世に秩序を求めた人々の営為を明らかにする。
目次
- 第一部 鎌倉幕府と天皇 河内祥輔
- はじめに
- 第一章 平安時代の朝廷とその動揺
- 1 再建される朝廷
- 2 院政と摂関
- 3 動揺のはじまり
- 4 平治の乱から後白河院政へ
- 第二章 朝廷・幕府体制の成立
- 1 治承三年の政変
- 2 寺院大衆の「アジール」運動
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紙の本
前半は最高、後半は最低
2011/05/18 19:49
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あまでうす - この投稿者のレビュー一覧を見る
前半の「鎌倉幕府と天皇」は河内祥輔、後半の「古典としての天皇」は新田一郎の担当。
桓武天皇の死後、平安時代の摂関期には平治の乱など全部で4つの不安定期があったようで、それらを「朝廷・幕府体制」を基調とした皇室の「正統」争いとして年代別に分析していく河内氏の解説は理路整然としているだけでなく1901年の菅原道真の失脚と、平治の乱との本質が朝廷の再建運動であると喝破したり、頼朝の蜂起の前ぶれとなった以仁王の敗走の真因が、アジールとして逃げ込んだ園城寺に源頼政を迎え入れたことにあると指摘するなど、随所に新たな知見を盛り込んでエキサイテイングだ。
ところが南北朝の後醍醐天皇を経て足利氏の室町幕府、応仁の乱を担当する後半の新田氏の論考は、いくら読んでも論旨が曖昧模糊としており、肝心の日本語の表現が拙劣で、粗野で、滋味に乏しく、読者である一般大衆により分かりやすく魅力的な文章を書いてやろうというサービス精神も皆無である。
しかし東大の教授だというこの学者は、果たして自分で自分が書いた内容を理解できているのだろうか? 甚だ疑問だ。それにいくら歴史の専門家とはいえ、こんな醜い日本語を書き散らしていいはずがない。本書の前半部の著者の爪の垢でも飲んで一日も早く基本的な教養を身につけてほしいものである。こんな人物に執筆させた出版社も猛省せよ。これまでの著者の中のワーストワンだ。
紙の本
院政期の天皇。
2011/03/13 23:04
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
平安時代末期(具体的には保元の乱前後)から応仁の乱までを書かれた本。
前半部の年号表記が西暦だけなので、読んでいて分かりにくかった。日本史の出来事は元号で表記されるので、元号と並記してほしいところだ。
このシリーズは「天皇の歴史」と銘打っているからか、時期的には院政期なのに上皇(特に治天の君)の存在より天皇の存在が前面に出て書かれている。崇徳院は治天の君ではないが、この本に出て来る後白河院や後鳥羽院といった治天の君である上皇は天皇として在位していた時期より存在が際立っていた。
伏見宮家のような世襲宮家や恒明親王、邦良親王の子孫を単独で取り上げてもいいかもしれない。