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電子書籍
Jの総て(1)
著者 中村明日美子 (著)
マリリン・モンローになりたかった少年Jの物語・ギムナジウム編。父と母を失い、寄宿舎学校で新たな日々を歩み始めたJだったが、運命の人・ポールとの出逢いが彼の人生を変えてゆく...
Jの総て(1)
Jの総て 1 (F×COMICS)
商品説明
マリリン・モンローになりたかった少年Jの物語・ギムナジウム編。
父と母を失い、寄宿舎学校で新たな日々を歩み始めたJだったが、運命の人・ポールとの出逢いが彼の人生を変えてゆく…。真実の愛と自分の姿を求め、彷徨う魂の物語。
新鋭の描くBOY MEETS BOY STORY!
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紙の本
彼の総て、そして彼女の総て
2009/04/11 17:36
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:空蝉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
これは「J」という一人の人間を描いた物語、まさしく彼、そして彼女の総てを描いた物語だ。
男として生きるにはあまりに美しく、女としてはあまりに過酷な悲劇をはいずるようにして生きたJという人間の総て。それは幸せな一家に訪れた悲劇的事件に端を発する。
崇拝するマリリン・モンローそのままに歌っては踊り、そうとは知らずに男を魅了する「女」として生き始めた少年Jは、両親を愛するがゆえに父を受け入れ、その事件は母を狂わし父の射殺に追い込み、「幸せな日々」に終止符をうった。
最愛の父に犯される、それは一点の曇りもなく純粋に両親の幸せを願ってのこと。幼いころの虐待などがトラウマになる、というケースは多いがJのそれは逆だ。
彼は成長するにつれその行為の意味を、ことの重大さを、絶望を知る。
スクールに通い世界に交わり、大事な人を見つけ心から愛することを知るようになって初めて、あの「事件」がいかに呪わしく、恥ずかしく、恐ろしいことなのかを思い知るのだから。
彼がどのような人生を歩んだか、それこそが本作の「総て」なのだから多くは書くまい。どのような些細な出来事も、言動の一つ行動の一つとってもすべてが彼の総て、彼女の総て、Jの総て。
同性愛者でありトランスセクシャリティであり、愛を求めながら逃げ続けるJの、惨劇と汚辱にまみれた人生を目の当たりにして、それをどう受け止めるかは読者次第だ。しかし私は目が離せなかった。感動したのでも、卑下sるのでもなく、ただただ目が離せなかった。
父親による凌辱と受け入れと、その結果に待っていた、母による父の殺害。
心底愛した結果がすべてを失うという悲劇でもって人生のスタートを切ったJの人生は全て逃げることで埋め尽くされている。
男という性から逃げ、友人から逃げ、愛する人から逃げ、社会から、生活から、家族から、そして愛することそのものから逃げ続けたJ。
そして彼が最後に逃げたのは己の人生そのものから。
再開した初恋の、最愛の彼もまた己の血と、愛されることから逃げ続けてきたくちだ。すべてから逃げ続けてきた彼らが再開したその結末を、どうか見届けてほしい。
紙の本
Jのすべて
2004/10/06 14:01
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:マリリン - この投稿者のレビュー一覧を見る
小さい頃から、マリリンモンローが大好きで、いっつも
ものまねばかりしていた少年J.
物心が付いた頃にはモンローになりたくてしかたなかった。
しかし、彼の人生は狂い始める…。
父親からのレイプ。そして 母の狂気…。
そこから はじまるJの物語です。
電子書籍
凄く充実した読後感
2015/10/31 09:52
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぶーにゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
読み始めたときは「古い感じの絵だなあ」と少し苦手に思ったのですが読み進めていくと全体の雰囲気と相まって絶妙な世界感を作り出しています。特にパブリックスクールの雰囲気がとても素晴らしく表現されていて作品の世界にどんどん引き込まれていく。
私は女装する男子が苦手なのだけれどJはいつの間にか受け入れられました。
紙の本
この主人公を幸せにしてあげた作者に、とにかく拍手
2008/05/22 13:12
13人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hamushi - この投稿者のレビュー一覧を見る
全三巻を読了しました。
美しい容貌と女性としての精神を持って生まれてきた少年Jは、幼いころからマリリン・モンローにあこがれ、理解者である父親の手引きでこっそり酒場で歌っては母親に叱られるという日々を送っていましたが、やがて酒に溺れて自制心を失った父親がJとの近親相姦に走り、その現場を見た母親が父親を射殺した後病院送りとなったため、家庭は崩壊してしまいます。
子供心に最愛の男性であった父親と結ばれた直後に、その父親を目の前で射殺されたことで、Jは深く傷つきます。また父親を射殺しなければならないほど傷ついてしまった母親の真の殺意が自分に向かっていたと信じて疑わないJにとって、自らの命は限りなく価値の低いものであり、愛する存在のためには、自分をゴミのように捨て去っても惜しくないとさえ感じるようになっていきます。
身よりのないJは、善意の女性に引き取られて、ギムナジウムに入れられるのですが、不安定な精神とノーマルでない性癖を抱え込みながら、同性を引き寄せる性的魅力を武器にして、打算的に自分を守ろうとするため、至るところでトラブルを引き起こし、やがてギムナジウムを出奔せざるをえなくなります。
その後も、マイノリティに対して厳しい差別意識の蔓延する社会のなかで、Jは、自分を安く切り売りするような、痛ましい暮らしをしながら生き延びていきますが、行き倒れていた少年(実は三十路前の女性詩人)を拾ったところで、運命が大きく動き出します。そして物語は、これでもかというほどの暗転と波乱を繰り返しながらも……驚いたことに、これ以上考えられないというほどの、素晴らしいハッピーエンドを迎えます。
悲惨なトラウマを抱えたJは、打算的に他人を利用して踏みにじりつつ自らも食われるような、汚濁に満ちた人生を送っていましたが、本心から愛する相手に対しては彼なりに誠実であり、身を捨ててでも守ろうとします。最終的に彼を支えて「家族」になる人々は、Jの心の底に隠された、純粋な情愛をよく理解して、彼をありのままに愛することのできる人々でもありました。ですから、驚愕のハッピーエンドは、取って付けたようなものではなく、しっかりとした納得感がありました。
電子書籍
性同一性障害
2018/11/15 15:20
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:pope - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネタばれあり。
主人公のJはマリリンモンローのような女の子になりたかった男の子。
アメリカが舞台だけど日本もヨーロッパもいろいろごちゃまぜな感じ。
特に台詞が・・・