- 販売開始日: 2011/10/01
- 出版社: 講談社
- ISBN:978-4-06-314537-3
蟲師(10)
著者 漆原友紀 (著)
降幕の刻。「光の緒」「常(とこしえ)の樹」「香る闇」、そして前後編からなる降幕話「鈴の雫」――眩き4編、ヒト知れぬ生命達の脈動と共に。広大無辺の妖世譚――その幕がついに降...
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商品説明
降幕の刻。「光の緒」「常(とこしえ)の樹」「香る闇」、そして前後編からなる降幕話「鈴の雫」――眩き4編、ヒト知れぬ生命達の脈動と共に。広大無辺の妖世譚――その幕がついに降りる。
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人は、誰かを思うからこそ、強くなり弱くもなる。だからこそ<蟲>はそこにいる。
2008/12/11 21:07
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mayumi - この投稿者のレビュー一覧を見る
動物でも植物でもない、人の目には見えない「蟲」
それに惑わされ、魅入られる人。そして、それを払う<蟲師・ギンコ>の物語。
まず、帯をみてガクゼン。
「降幕の刻。」ですよ。
え、終わりになるんですか? と、どきどきしながら読んだ。
*光の緒
*常(とこしえ)の樹
*香る闇
*鈴の雫
圧巻は、「鈴の雫」だろう。
<山のヌシ>として生まれた妹。長じて彼女は、山へと消えてしまう。彼女と、そして彼女を何年も探し続けている彼女の兄に偶然あったギンコは、ヌシの力を山に返そうとする。
妹を思いつづける兄の気持ちが切ない。一時とはいえ里に帰ることができて、「家族を恋しく思っただけ」という妹が切ない。
自然は偉大かもしれない。
けれど、人が人を恋う、思う、気持ちは、自然から生まれてきたのではないのか。それを捻じ曲げることこそが間違っているのではないのか。
だから、ギンコは<ふたつめの瞼の裏>で立ちすくむ。
「蟲師」は、人の思いの話だ。
そしてそれは常に純粋だ。が、人の世は純粋であることを許さない時がある。だから、蟲は現れる。
もっと続きが読みたい、というのは「蟲師」の読者の共通の思いだろう。
漆原友紀氏は、物語を完全に閉じたものとして完結しなかった。だからこそ、私たちは自分の側にある自然、もしくは<蟲>の声に耳を傾けるのだろう。そして、どこか遠くにいるギンコの存在を夢見るのだ。
心にしみる作品をありがとうございます、と漆原氏にただ伝えたい。