紙の本
タイトルは刺激的だが説得力に欠ける
2010/01/24 15:31
9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たかたか - この投稿者のレビュー一覧を見る
労働者派遣法が緩和され、一般的な製造業にも派遣が可能となった小泉政権時代、そしてその後の派遣切り問題という流れをみると、これまでの製造業の派遣切り問題の後に出てくるのは、バブル時に大量採用された30代以上大卒文系のホワイトカラーが次のリストラ対象問題であり、大失業時代が近いうちにやってくるとの「予想」が成り立つのもわからないでもない。
本書はそういう時代を受け入れ、リストラ後どのように生きていくかという心構えを持ちなさいという警告を発している。
そしてこの大失業時代は、日本が次の成長をする上での必要なプロセスであると述べている。
しかしどうであろうか。このホワイトカラーの大量失業が雇用のミスマッチの解消となるのであろうか?はたまた新たな産業への就業者移転となるのであろうか?そのあたりがよくわからない。必要以上に不安をあおりたてているだけのようにも感じるし、クビにならないような「処方箋」も見当たらない。
このタイトルから本書に興味を示した人は少なくないと思う。それはこの「文系・大卒・30歳以上」という条件に合致するホワイトカラーは少なくないからである。私見であるが、「売れるタイトルをつけたな」という印象はぬぐえない。その割に述べていることが表面的であり、週刊誌を読んでいるような、新書とは思えない説得力のなさが問題なのではないだろうか。
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・今後、生産性を改善するためにはホワイトカラーのリストラぐらいしか方法がない
-生産や販売現場の向上はもうすでに相当向上している
・賃金が高いホワイトカラーの削減効果が一番効果が高い
-過剰気味なため、メスも入れやすい
・今回の不景気では、打開のための牽引役の商品がない
-過去の不景気では、パソコン、携帯などがあった
-次世代を担う商品がない
・コインポイッシャー(コインを磨く人)
-1円玉を磨き続けても価値は上がらない
・経費削減はリストラへの呼び水
-こんだけやっても、業績が悪いんだから最後の手段としてリストラを行う。と納得性を持たせる
・リストラされる人が「俺が何をしたっていうんだ」と言った時の切り返し
-君は何か悪いことをしたわけじゃない。しかし、特別に良いことをしてきたわけでもない
・30歳以上・文系はリストラしても日常の業務は滞らない
-20代は実務、技術職は開発がある
・基本的にホワイトカラーは過剰気味だから、落ち度がなくてもリストラはされる
☆「成長」とは、出来ないことが出来るようになること
●サッカー少年たちは日に日にサッカーが上手くなる
●人は出来ないことが出来るようになったとき、ガッツポーズをして本当に喜ぶ
タイトルに惹かれて購入しました。今まで漠然としていたリストラについての考えが、この本により明確化されました。ホワイトカラーは落ち度がなくてもリストラされる、一円玉を磨き続けるホワイトカラーが沢山いるといった事実は衝撃でした。このことは今の日本は年を取れば取るほど一つの会社にしがみつかないと生きていけないことの現れだと思います。どこに行っても通用するために、著者が述べている「成長」の気持ちを忘れないようにしたいと思います。
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次のリストラの対象は、ずばり、「文系・大卒・30歳以上」。
データと論理でそれを実証する憂鬱な一書。
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この不況を象徴するようなタイトル。
ホワイトカラーはする必要の無い仕事を作って人を増やして、そのつけが回ってきたと言うようなお話し。
社会構成上、相対的にもホワイトカラーの人数が増えているというところに目を向け筆者は100万人の解雇が起きると予想しております。
さてさて、どーなりますやら。
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生産性の低いホワイトカラーは切られる。養っておく余裕はもうないし、切れるとこはもう大分切っているから。成長できない仕事でダラダラと過ごすよりは思い切ってリスクを取ろうってことかな。
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リストラが進行された事例が本当に面白い。
とはいえ、僕もリストラ対象だから笑えない。
どうすべきか。
本書の事例を踏まえて、
「子供の成長はなぜ早いか。それは出来ないことが多いから。僕はできないことをもっとやらなきゃいけない。」
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第1章 これからのリストラ対象者はホワイトカラーである
不況のショックはこれからだ
ホワイトカラーとは
ホワイトカラー就業者数の推移
ホワイトカラーがリストラ対象となる理由
大不況なのにリストラが遅れている理由
この先のシミュレーション
第2章 「自分だけは大丈夫」という根拠のない思い込み
危機感がないホワイトカラー
思い込み①欧米市場が復活すれば業績は回復する
思い込み②経済は成長するものだから業績は回復する
思い込み③大企業だから経営は安定している
思い込み④ホワイトカラーの仕事は重要である
思い込み⑤自分は他社でも通用する
楽観的な思い込みの要因
第3章 「がん細胞」となったホワイトカラー
ホワイトカラーが感じていること
「がん細胞」と自ら認めよ
不要な仕事を増やす性質
コイン・ポリッシャー
「がん細胞」となるプロセス
1980年代のホワイトカラー
1990年代のホワイトカラー
2000年代のホワイトカラー
世界同時不況以降の状況
第4章 人事部長M氏の見た光景
生産調整と非正規社員の雇い止め
トップダウンによるリストラ指示
見せかけの経費削減
リストラのためのムード作り
希望退職の募集
ホワイトカラーへのリストラ宣告
組織変更と管理職のリストラ
希望退職の追加募集
退職勧奨・指名解雇
リストラの完了
退職
復活
第5章 真っ先に切られるのはどういうタイプか
特徴①30歳以上の大卒・文系が主な対象者
特徴②失業期間が長期化する
特徴③リストラが連鎖する
特徴④リストラが段々と厳しくなる
社会への悪影響も
第6章 大量失業時代にどう対応するか
現実を直視する
自分がやりたいこと、できることを徹底的に考える
社内の動きから状況を読む
事前に行動の選択肢を整理しておく
発想の転換を図る
新しい社会を思い描く
経営者のとるべき対応は
望まれる労働施策
セーフティネットの充実を
失業予防ではなく再就職支援へのシフトを
第7章 ホワイトカラー大量失業時代を乗り越えて
大量失業は新たな成長への第一ステップ
「成長」とは何か
「不安定」であることを恐れるな
今こそ、新しい社会へのイメージ作りを
「がん細胞」から「万能細胞」へ
「失業=失敗」ではない
できないことに挑む
あとがき
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私「文系・大卒・30歳以上」なんですけどw といいつつ本質は日本におけるホワイトワーカーといわれる専門性を持たない職業人たちがいかに企業の大多数を占め、結果として企業競争力・生産性を貶めるに至ったかを卑近な例示からマクロ的な日本経済分析を行ったもの。タイトル的には非常に釣られやすいです。
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なんか危機をあおりすぎで、その割に具体的な対策はあまり書かれていない気がしたが、ホワイトカラーの仕事が基本的に不要(会社の業績に結びつかない)という指摘はもっともだと感じた。
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●世界大不況は「人口が減少に転じた中で発生した、日本史上初めての不況」ととらえるべき。
●ホワイトカラーは会社において存在しないほうがよい。
●最近のホワイトカラーは「コイン・ポリッシャー」になっている。
●もともと、ホワイトカラーの仕事の本質は、「社会と企業、そして従業員との間を効果的に結びつける」ということにある。
●日本企業の弱体化の一因となったのが、がん細胞と化したホワイトカラー。
●しっかりとした仕事をするためには、会社や従業員のことだけではなく、社会や家族のことまで考えなければだめだ。それが『会社人間』と『社会人』との違いだ。自分の能力が高いと思うのであれば、低いものの分まで考えて全体がうまくいくようにがんばらないといけない。会社をまとめていく仕事をする者は、そうやって他人のこと、全体のことを考えられる人間でなければならない。
●総人口が減少する中での大不況という状況下において、存在し続けることができるものは、「これまで必要とされてきたもの」ではない。「これから必要とされるもの」だけだ。
●あるものの必要性を決めるのは、あくまでも「他者」である。したがってホワイトカラーの必要性を決めることができるものは、ホワイトカラー以外の者ということになる。
●これまでのように、ホワイトカラーが大勢いて、それが高い賃金をもらっている時代の方が異常だったのだ。
●経営者にとって、従業員の雇用を維持することは、会社の業績を向上させ、株主に配当を還元することと同じくらい重要な使命である。しかし、この使命とは、会社に不必要な人材を抱え込んでおいてもよいということではない。こういう状態を続けていると、業績が下がり、株主から見放され、事業の縮小を余儀なくされて、結局は、従業員の雇用を維持することができなくなってしまう。
●『成長』とは、できなかったことができるようになる、ということです。
●将来のことを考える場合に過去のことを振り返ることは必要である。しかし、過去のことばかりを議論していても何も始まらない。
●大量失業の発生という「傷の痛み」に耐えて、環境変化への不適応という「病の苦しみ」と向き合い、その治療に取り組む覚悟があるのかが問われている。
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自分は文系の大学生で、本書とか、「若者はなぜ3年で~」のような、これからの雇用情勢の変化について関心があり、読んでいる。
もちろん就職を控えてということもあるのだろうけど・・・・・・
本書は、内容的には、なかなかわかりやすかったように思う。だが、行き詰まる白色労働者の行き先として、安易に介護業界を挙げるのはどうかと思った(そんなものが分かれば苦労しないけど)。
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重い。ホワイトカラーに突きつけられる過酷な問いと
正規雇用者への大リストラを予告する、深刻な一著。
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正に自分が当てはまる本書の条件。
早速読んで見ねばと思い、手に取った。
ホワイトカラーの大失業時代が来るとの予想に立って、
自身が著者の抱く問題意識から、
特に文系・大卒・30歳以上が何故リストラに遭うのか?
こうした大失業時代、どう生き抜いていくのか?が書かれている。
著者の考え・思い込みに傾倒気味であるのは正直否めず、
やや極端な内容ではあったが、個人的には大変納得感は高い。
やる気を醸成して行動に移させる自己啓発本ではなく、
恐怖を煽るタイプの自己啓発本と言える。
個人的に印象深かったフレーズは、
「成長とは『出来ないことが出来るようになること』」
「失業は失敗ではない」
とかく楽観的に考えてしまう自身であるが、
本書を読み、気を引き締めるに至った。
分かりやすい平易な表現が徹底されており、
読んですぐに理解出来る内容であるのは良い。
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まさに自分がその予備軍(文系・大卒・20代後半)であり、自ら持っていた会社に対する疑問を、論理的に述べてくれたような本。
こと生産性というキーワードで考えると、今後の自身のキャリアのあり方を、自身で再度考えて行動していかないとならないと痛感した。
正社員であるからと会社のいうがままにしていたのでは、遠からず昨今の派遣ぎりのような状況に自分自身が置かれたとしても、誰にも文句はいえまい。
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大学を卒業してすぐに一流企業に就職した人たちは転職することもなく一つの会社にいることが日本では多いけど、僕にしてみればよくもそんな危険なことが出来るものだと思う。(向こうにしてみれば逆なんだろうけど。)それって最初に付き合ったガールフレンドと結婚するようなものなんじゃないだろうか。最初のガールフレンドが「女性という全て」というのはいかに言ってもだいぶ偏ってしまうだろうに。それが人生観を狭めないことを祈るけれど。
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ホワイトカラーの仕事ってほんとなら減ってしかるべきなんだよね。Windowsパソコンが導入されて大幅な効率化が図られた1995年以降のオフィスで働く人が増えてるってほんとはおかしいでしょ。今まで電卓とかでかなり時間がかかってた作業とかがかなり自動化されて、ファックスとか電話とかで時間がかかってたことがすぐメールとかチャットとかで出来るようになった分、今まで二人や三人でやってた作業が一人でも出来るようになってるはずで、本来ならば人は減ってるはず。
この筆者はホワイトカラーは企業にとってはがん細胞である、と議論していて、その根拠は下記の二点。
1. ホワイトカラーが、営業活動とは直接的に関係しない仕事を現場も巻き込んで行なっているために、生産や販売などの活動に支障が庄治、業績悪化の要因となっている。
2. ホワイトカラーが、自らの存在感をアピールするために仕事を増やし、そのたびに人員と人件費が増加して、業績悪化の要因となっている。(63p)
例えば、大したアジェンダもないような毎週のチームミーティング用にアニメーション付きのプレゼン資料作ってたり、とか、仕事まじめにやってそうに見えるのは良いのかも知れないけど、30代の社員で年収1000万もらってる人だったら人件費が一時間5,000円くらいかかってるわけで、そのプレゼン資料に5,000円の価値なんてないだろ、って話。プレゼン資料何ページも作るよりも、アジェンダを一行にまとめてすぐに議論を開始して、簡潔な結論を出してみんな仕事に戻る方がチームにとっても、会社にとっても、日本にとっても、消費者にとっても、世界にとっても良いことなのに、自分が仕事してます、まじめにやってますアピールをし続けるホワイトカラーはほんと要らない。
こういう話に同意するしないは個人個人の人生観、または世界観なので勝手にすればいいと思うけど、、、
Don't say I never warned you!!