紙の本
ハニートラップと警視庁情報官の闘い
2011/05/02 12:18
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:としりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ハニートラップ(蜜の罠)といえば、諜報活動として中国の得意技である。
かつて、上海総領事館に勤務する電信官が、中国当局から女性問題をネタに機密情報の提供を強要され、遺書を残して自殺するという事件があった。2006年3月31日付け読売新聞が、大きな紙面を割いて詳しく報じた。
もともと、中国へ入国する外国人への盗撮盗聴はお手のもの、という国柄である。
そして、ターゲットにされるのは、国会議員や政府要人から民間企業のビジネスマンにも及ぶ。
中国当局は、日本の国会議員など要人一人一人の経歴から、趣味趣向、好みの女性のタイプまで把握しているとされる。
おまけに、工作員たる女性は、容姿端麗なのはもちろん、男心をくすぐる仕種や振る舞い、男を虜にする性技にも長けている。
さて、著者は警視庁公安部など公安畑を長く務めた。その経験を基に書かれているわけで、フィクションとされているものの、細部の描写など妙にリアリティがある。
序盤を過ぎたあたりから俄然面白くなり、そのまま一気に最後まで読み切れる。
中盤過ぎにはハニートラップも一段落かと思わせるが、その後さらに大ヤマが待っていて、最後までハニートラップなのだ。また、パターンが異なるハニートラップを一冊のストーリーに収めているところも面白い。その手口と事例はかなり真実を反映したものに違いない。
本書は、警視庁情報官シリーズの2作目である。前作にはシビアな書評も寄せられているが、本書は間違いなく前作以上の面白さである。
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前作に比べて(シークレット・オフィサー)、内容がマニアックで読むのに疲れてしまいました。期待が高かった分、ちょっと残念です。
ただ、主人公の黒田警視の存在感は印象に残る。特に、部下へ捜査を教えるシーンでの気前の良さ、つまり惜しげもなくノウハウを伝えることは組織としての成長につながるという信念のようなものが、非常にストンと胸に落ちる。そして、そんな上司がいる会社はステキだよな、とうらやましく思う。
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前作よりも読みやすくなった印象です。
何が面白いのか分からないのだけれど、とにかく読み進んでしまう感じ。ただ、主人公の黒田さんがたんたんとしすぎていて、何だか感情移入ができない気もしています。
加えて、最後の「ハニートラップ」は蛇足だった気がします。黒田さんを労わってください(笑)
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警視庁情報室室長黒田純一警視が主人公のシリーズ2作目。
派手な銃撃シーン、格闘シーン0です。
淡々と物語は進みます。
黒田さん社会人としての「ほうれん草(報告・連絡・相談)」確実にこなします。その描写が多いって事は現実の警察組織においても確実に実施されているからなのか?、理想像なのか?
さらに警察内部のセクト主義もなし。
嫌味な上司も癖ありすぎの所轄ノンキャリもいません。
ちなみに作者の濱さんは元警察官・・・。
現在進行形の事案と過去の事案が章分けされて交差しますが、各章が長く正直ツライ。
派手な作品ばかりを警察小説に望むわけじゃないけど、もう少しサービスが欲しいな。
なんだかんだ言っても最後まで読めたので若干甘いかなと思いつつ☆3つ
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ハニートラップ、和訳すると、いわゆる色仕掛けってことですね。
警察内部、自衛隊、国会にまたがる大掛かりなスパイ活動を
リアルな描写で綴っています。
ストーリー展開はイマイチかしら。
何をテーマにしたいのか分からず、読むペースも上がらず。
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前作よりもキャラが引き立ってのめり込むことが出来ました。
2回は読まないと思うけど面白い
第三者から見れば明らかなハニートラップも、当人にとっては真剣な恋路であります。わかっていながらワザと罠にかかるケースもあるのです。
国を動かしているのも所詮は人だということですね。
日本らしく、ロボット総理もありなのでは?と思ってしまうこの頃。
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前の作品よりは、事件の流れもわかりやすくなっていた。興味深い内容で面白かった。でも、相変わらず主人公のデキる男っぷりは健在だった。
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中国との諜報合戦。目線が統一されていなくて、小説としては面白味に欠ける。ただ、実際にありそうなスパイ合戦は楽しめる。
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国家機密の流出疑惑を追う警視庁情報室の話。美女による色仕掛け(ハニートラップ)による諜報活動の場面も多い。著者は警視庁の公安部などで勤務した経歴を持ち、警察組織や捜査手法などの具体的な話は面白い。
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警視庁情報官シリーズ第2弾。
主人公黒田が、イージス艦に関する情報漏洩事件の解決を目指す。
自分が前作を読んでいない(あるのも知らなかったが)からか、
そもそも事実の描写が多く、物語が淡々と進むからか、
全く感情移入できずに読了してしまった。
普通の警察モノとしても、それなりに面白いし、
タイトルにあるハニートラップに沿った最後のどんでん返しも面白い。
しかし、いまいち感は否めない。
1作目を読めば印象が変わるかもしれないが・・・
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筆者は元警察官。元本業の人や麻生幾(NHKでドラマ化された「外事警察」の筆者)みたいにきちんと取材を行った書く公安小説はリアリティ・緊迫感があってすごく面白いです。私の大好物な分野の一つであります。
んで、前作の「警視庁情報官」は公安組織の説明が大半で小説というよりノンフィクションのような感じで☆2をつけたんだけど、それでも続編を読もうと思ったのは主人公:黒田がすんげぇ魅力的だったため。本作はちゃんと小説っぽくて(←こういう言い方変だけど)、夢中になって読めた。
やっぱり、①日本に諜報機関がないこと(警視庁公安部をはじめとする公安警察がその役目を担っているけどあくまで「捜査機関」だからね)、②スパイ罪がないこと、この2点に関して、すごく危機感を覚える。資源の無い日本が世界に再度羽ばたくためには技術力で戦うしかないのに、それが盗まれ放題だし、防衛上も全く楽観視できない状態が続いている。立件するには贈収賄だとか、国家公務員法などの法律でしかできないし、刑罰の重さも他の重罪に比べたら・・・。
読了後、色々考えてしまう作品でした。
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警視庁情報官シリーズは独特の書き方がありますね。
あいかわらず、黒田はかっこいいけど、最後の最後でびっくりした。
作品の紹介
色仕掛けによる謀報活動―「ハニートラップ」に溺れた日本の要人は数知れず。国防を揺るがす国家機密の流出疑惑を追う警視庁情報室トップの黒田は、漏洩ルートを探るうちに、この「罠」の存在に気が付いたが…。「情報は命」そう訴える公安出身の著者が放つ、日本の危機管理の甘さを衝いた警察小説の最前線。
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前作で小笠原署長に赴任した黒田。突然の警視総監による小笠原巡視は黒田を警視庁に呼び戻すためだった。中国へ防衛機密が流出していると。 この人の本は本物。
インテリジェンス、諜報とは何かがリアリティをもって描かれている。これの前に読んだのが佐藤優の本だったので、インテリジェンスつながりでとても面白かった。
濱嘉之、佐藤優の本は本物のインテリジェンスに触れることができる。
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共同通信社政治部次長・柿崎明二の解説によると、著者は警視庁公安部公安総務課の警察官で、オウム真理教事件のときには、その最前線にいたという。幅広い人脈と、思考力、分析力の持ち主で、柿崎氏が説明を乞いに行くと、これから「起こるであろう事件」の構図の説明にまで話が及び、それが数ヵ月後、数年後には実際の事件として表面化してきたという。そういう著者が書いた小説の主人公、黒田純一、その豪胆さと緻密さ、公平さ、能力の高さ、部下からの慕われ具合、どれをとってもなかなか魅力的な警察官に描いている。ただ、本作では、黒田自身が40代前後の独身男性の本音を匂わせるのも一興。
実際に警察の仕事をしていた著者ならではの作品になっていて、人間を掘り下げて描く警察小説、サスペンスとは趣が違う。
対中国、対世界各国との情報漏洩を巡る攻防が面白い。
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関空で購入した公安モノサスペンス。
実際に中国当局が仕掛けているとされるハニートラップ、いわゆる色仕掛けに
引っ掛かり、国の機密情報を漏らしてしまう自衛官・研究者・公安警察官。
これを公安のエース情報官・黒田が、時に法律スレスレの技法を駆使しながら
解決していく、というタイプのセミドキュメンタリーチックな作品。
う~ん・・・。
なんか正直小説を読んだ気がしない(^^;)。小難しい用語がこれでもか!って
くらい出てくるし、その解説にページ数をやみくもに費やしている感じがする。
ミステリーとしてもビックリ感がまるでなく、序盤から大筋が読めてしまう。
中盤からは正直かなり退屈してしまった。
ハニートラップなんていうタイトルにしてるくらいなのだから、もう少し
艶っぽい展開になっても良かったんじゃないかと(^^;)。作者の公安警察に関する
知識が膨大であることは認めるけど、基本的にそれだけなんじゃねぇかと思う。
次は無いだろうな、きっと。