紙の本
神展開!
2011/11/11 16:27
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひろし - この投稿者のレビュー一覧を見る
まだ登場人物達が混沌の中にあった前巻。中学校と言う平和の象徴のような舞台の裏で繰り広げられた、血で血を洗うような戦いと殺戮。同級生喜多見を守る為に、力を覚醒させた永児だったが…。
何せこの作品は、空気感が面白い。恐ろしい戦いが繰り広げられている、その表舞台を中学校に設定した事で、平和・や日常とのコントラストが空気を歪ませ、一種独特の雰囲気を持たせている。物語は全然違うけれど、以前観た映画「サマーウォーズ」にちょっとテイストが似ているかも。デジタル世界で大変な事件が起こっているものの、物語の舞台は牧歌的な田舎町で、平和な家族の中主人公の高校生がパソコンに向かって奮闘する。あの映画を観た時の不思議な空気感と、同じような物を感じた。だからもしかしたらこの作品、アニメ映画にしたら面白いかもしれない。この独特な空気は、文字でよりも映像の方がより一層体感できるのではないかと思った。
さて前巻では中学校という舞台に溶け込んで、色々な方向を向いていた恐ろしい力のベクトル。敵と味方、狩る者と狩られるものが散在し、誰が味方で敵なのかはっきりせずハラハラさせられたのだが。今回混沌としたその構図が、力が。ぐるりと転回して一つの方向を睨みつける。キーワードは「守るべき物」。力と力がぶつかり合い、本当の闘いが始まったのだ。いやもう思わず「おおおそうきたか」と唸ってしまった。まさに神展開、これはワクワクせざるを得ない!…のだけれ、ど。なんと物語の最後の最後に、また謎は深まるのだ。一体誰が見方で、誰が敵なのか。狙っているのは、狙われているのは誰なのか。しかし何という締めくくり方!次巻が気になってしょうがない。久々に読み応え十分、次巻が待ち遠しくてならないアクションエンターテイメントに出会った。
投稿元:
レビューを見る
P286「自分が泣いていることさえ気が付かずに、永児は口元に笑みを浮かべた。」
凄絶。そしてそのあまりの痛々しさ。守れずに死ねばそれは美談だろう。守ることで徐々に目覚め、そして削がれてゆくこの子供たち。
どうか救われてくれと思うのはぬるいのだろうか。
投稿元:
レビューを見る
なんだか色々なものがぎゅっと詰まった第二巻。
もっと味わって読みたかったけど、早く早くと指が急いて
一気に読み進めてしまった。
院に成駒と間違われて、右手に特殊な蛍光塗料をつけられてしまった永児。
それを狙って院からは、駒が送り込まれることになる。
戸惑いながらも喜多見に請われて2人を助けることになった阿坂。
そして彼らのそばに潜む本物の成駒も交えて
再び学校は、血なまぐさい混沌の場へと化すのだった——。
*
とにかく永児がいつ壊れてしまうのかとはらはらした。
姉の容態の変化に、否応なく不安定になる母親。
必死に支えようとしたものがことごとく自分の手から逃れ出よとして
何もかもがうまくいかない。
ひたすらにぐちゃぐちゃで、疲弊しきっている永児の心の祈りがとてもつらい……。
その声は誰かに届くのか
闇の中でか細く明滅する心に、誰か気づくのか
やっとの思いで押し開けたドアの向こうにあったものとは——?
思わず唇を噛んでしまう展開だった。
非情に気になる終わり方をしたので
一刻も早く続きが出て欲しい!!
そして会長素敵←
投稿元:
レビューを見る
容赦ねえ。高塚くんと喜多見さんの初々しい交流やまさかのお母さん快復フラグに和んでたら何この逃げ場のない死亡フラグ。もう手遅れですって描写されててコレ次巻お葬式から始まってたら立ち直れないんですけど主にお母さんが!!
心の支えがいっぺんになくなった高塚くんが阿坂と院をぶっ潰すとかは……ないな! 向山さんがそんな安直な展開をするはずがないな! 次巻はきっと解毒剤を求めて戦う話だよね俺信じてる!!
まあ高塚くんの強みの一つはあくまで学校がテリトリーなことなので、学校で刺客を撃退するってセオリーは(少なくとも最終巻くらいまでは)続くと思うんだけど。阿坂さんがふつーにデレててときめいた(おい)。アズミちゃんも好きそうな雰囲気で、次巻ふつうに阿坂か会長に殺されそうで怖い(さめざめ)
シスターの描写に惚れ惚れ。会わないでいる間は怖いんだけど、実際会うととっても優しい感じがするって一番怖い人物描写だと思う。ラスボスの風格ばっちりで対決が今から楽しみです。
繰り返しになりますが、次巻冒頭からお葬式とか始まりませんよーに!!(祈り)
投稿元:
レビューを見る
待ちに待った第二話。いやー面白かった。阿坂がちゃんと中学生やってるのがウケた(笑)だんだんわかってきたこともあるけど、それ以上にわからないことが多い。会長の狙いは何なのか?なぜ最後にあんなことを...。公式サイト?には、第三話は今冬発売らしい。。こんなに続きが楽しみは本も、なかなかないと思う。読んでてよかった!
投稿元:
レビューを見る
面白い!!
時々寝食を忘れて読み耽る本に出会うけれど、この本はまさしくそれ。
ギョッとするような惨い描写もあるのですが、
嬉々として読み進めてしまう自分が恐ろしくなってきた…(笑)
1巻では謎が多かった「孤児院」や「塾」の様子が少しずつ見えてきました。
あまりにも現実離れした世界。そしておそらく想像以上に恐ろしい世界。
彼らは一体何で繋がっているんだろう。愛情?信頼?それとも力?
阿坂、会長等主人公をとりまくキャラも、皆一癖も二癖もありますね~。
表と裏の顔を使い分ける二人。そして自覚はないながらも永児も…?
彼がいつ覚醒するのかと、ドキドキしっぱなしです。
続きが早く読みたい!!
投稿元:
レビューを見る
1よりさらにスピーディーになってサクサク読める。
少しずつ孤児院などの像が浮かび上がっきたけど、さらになぞが。
早く続きが読みたい
投稿元:
レビューを見る
1巻よりも更に物語にスピード感が増していて読むのを止めることができなくなった感じ。永児に纏わる謎は会長の発する意味深なキーワードを得て、更に増してゆくばかりで、彼の理性と狂気のバランスに終始ハラハラさせられっぱなしでした。
投稿元:
レビューを見る
前回に引き続き、好きな子を護れた主人公でしたが刺客を倒してしまった為、今度は主人公もターゲットに。
日常を取り戻すようにいつもの生活を送ろうとするけど、何気に主人公の周りには普通じゃない人たちが集まってます。
投稿元:
レビューを見る
「ほたるの群れ2」
2つの暗殺組織の衝突に巻き込まれた中学生、高塚永児と小松喜多見。1度はその追撃を逃れた2人に、再び執拗な組織の捜索が迫る。2人が生き残る術はただ1つ、自らの命を狙う同級生と手を組むこと。
阿坂と千原という2人に対して、高塚は普通の中学生である、という構図が完全に崩れる第2巻。新たに送り込まれる暗殺者「字」は凄腕で、阿坂とは顔馴染み。その「字」と高塚の戦いは想像を絶する非現実世界のもの。
高塚と関わることで、変わりつつあるのが、阿坂。今のところ気分で動く印象が強い阿坂だが、ある約束を抱えていることが分かり、今後本当の姿が分かってきそうです。
阿坂、千原、そして、高塚、どんどん戦いの中に身を投じていく。よって、リアルで切ない中学生の殺し屋達を描く、というあらすじであるが、そのリアルな中学生はもう喜多見しか残っていないように思われますw
そんな喜多見に危機が・・・。まさか、そう来るとは思いませんでした。
投稿元:
レビューを見る
殺らなければ、殺られる。
日常のすぐそばに、そんな世界がある。
極限状況での正義はどこにあるのか、優しさにどれほどの力があるのか。
一人一人の人間が持つ多面性が際立ってきた感じがする。
投稿元:
レビューを見る
殺し合いの連鎖の中で好きな女の子を守るという目的と、その為には人を殺していくという通常の人間では精勤的に壊れるしかない状況の中、追い打ちをかけて家族が…どれだけ主人公達を追い込むんだと思っていたら、二巻の最期に更に…もう、すぐに三巻読むしかないですよね
投稿元:
レビューを見る
二つの暗殺組織の衝突に巻き込まれた高塚と小松に、再び執拗な組織の捜索が迫る。二人は生き延びるために自らの命を狙う同級生と手を組むことに。
悪者になりきれない阿坂が好き!
全体的にライトノベルっぽいのですが、まんまライトノベルではないなぁという印象。性善説よりも性悪説っぽそうな登場人物が多いせいでしょうか。
続きが最高に気になる終わり方です。
投稿元:
レビューを見る
相変わらず面白いです!!
それにしても、普通の中学生のはずの永児が強すぎ。
多分ただの中学生じゃなく、何かあるんだろうなぁって雰囲気はありますが。
普通の中学生活と殺し合いが隣り合わせで忙しいんです^^;合唱コンクールの最中に体育館倉庫で殺し合いとか。。。そのギャップがたまりません(笑)
1巻よりも学校の日常の描写が多くて、その辺楽しめました。
永児は暗いわ強いわ、会長は謎だわ、阿坂の妙な優しさがツボだわ、ヒロイン的存在の喜多見も可愛いわ、でキャラはかなり立ってます。そしてハマります。
各登場人物の心情が細かく描かれていて、特に永児と喜多見の想いが切なくて・・・・
とにかく殺し屋たちのお話なので、ものすごく人は死ぬし、血しぶき飛びまくりなんですが・・・
でも、根底に流れる優しさ、ぬくもりが感じられて、全然嫌な気分にならないです。
投稿元:
レビューを見る
まだ物語は完結していません。2巻の舞台が「第22回市内中学合唱コンクール」です。
この物語は、二つの暗殺組織の衝突に巻き込まれた中学生の話です。
巻き込まれたのは、五倉山中学校の3年6組の高塚永児と小松喜多見。一方、巻き込んだ組織の殺し屋も、十代です。孤児の身の上になったばかりに、歴史の狭間で暗殺を請け負ってきた極秘組織に、凄腕の殺し屋として育てられてしまいました。その殺し屋たちも、五倉山中学に転校してきます。
高塚永児は、いつも頭に寝癖が残ってる普通の中3男子です。隣りの席の小松喜多見に、片想い中。喜多見を守りたくて、永児は、人を殺してしまいます。何人も。その度に、心の中に黒い水がひたひたと湧きあがってきます。自分は心のスイッチを切ってしまって、もうとっくに頭の中がおかしくなってしまっているのかもしれないと、どうにかなりそうです。でも喜多美を守りたくて。守るには殺すしかない凄絶な死闘で。
一面が黒い水で覆われる中、何かに助けを求めたくて。でも何にもなくて。どこを見てもいやなことばかり、救いのないことばかり。真っ暗で。お前に喜多見を好きになる資格なんてない。どうせ喜多見も殺される。みんな死ぬんだ。生きてるものはみんな死ぬんだ。だったら、おまえも死んじゃえよ。心が凍えそうになったとき、ほんのささやかなものが小さな光になりました。友達が書いた笑える絵や、友達と飲んだジュース、みんなと歌った歌。どれも全部、ほたるみたいに小さな光で。でも、その小さな光が、闇の中の小さなほたるの群れになって、永児は、救われます。
喜多美も苦しくて。自分を守るために、高塚くんが人を殺した。「来るな」って叫んで人を殺した。自分を守るために、あんな姿になった。
殺し屋たちは十代ですが、そのためだけに育てられた生粋の殺し屋です。そこになんの疑いも持ってない、はずだったのですが、五倉山中学校にいるうちに、色んな感情が、自分ではコントロールできないわけのわからない気持ちが、芽吹いて、止まらなくなってきます。殺さなければ自分が始末されるのに、そんなの馬鹿みたいなはずなのに。その気持ちをなんと呼べばいいのかもわからないまま、います。
こんな合唱コンクールは、有り得ないけれど、合唱コンクールでしか生まれない様々な気持ちが、ものすごくリアルに物語の中にあって、ぐいぐいひきこまれていきます。