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海賊の掟(新潮新書)
著者 山田吉彦 (著)
ギリシア神話の昔から、大航海時代のキッド、ドレーク、あるいはカリブの海賊たち、日本でも藤原純友、倭寇、水軍、そして今日のマラッカ海峡に出没する略奪者に至るまで――古今東西...
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海賊の掟 (新潮新書)
商品説明
ギリシア神話の昔から、大航海時代のキッド、ドレーク、あるいはカリブの海賊たち、日本でも藤原純友、倭寇、水軍、そして今日のマラッカ海峡に出没する略奪者に至るまで――古今東西、海のあるところ常に存在した海賊。国家や法律などの枠組みから抜け落ちた成らず者集団であったが、一方で必ず独自の掟を設け、驚くほど民主的な共同体を作り上げていた。映画やアニメの世界などでは窺えぬ、本当の“奴ら”の実態。
著者紹介
山田吉彦 (著)
- 略歴
- 1962年千葉県生まれ。学習院大学卒業。日本財団に勤務。東海大学海洋学部非常勤講師。著書に「日本の国境」「海のテロリズム」など。
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紙の本
現代の海賊の実像を含めた、海賊史概説書
2008/09/12 18:46
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:いえぽん - この投稿者のレビュー一覧を見る
海の上で数々の悪行をなし、歴史的にも少なくない役割を果たした海賊たちを題材にした物語は、欧米などではもちろん、この日本においても、海洋冒険的要素と、ピカレスク・ロマンを兼ね合わせた性質を持っていることもあり、確固たるジャンルを形成していると言えます。「ワンピース」などがその代表例ですが、主人公たちが単なる泥棒ではなく、冒険者や探求者としての側面を、では持たせることができるために、過度に荒涼とした展開に陥りにくいのも「海賊もの」が好かれている一因かも知れません。
本書「海賊の掟」は、物語上ではなく、実在した海賊がどのようなものだったかを、紹介している一冊です。まず、現代に暗躍する海賊の実態を報じた上で、海賊史全般の解説へと移るという流れが取られており、いわゆる「大航海時代」の大海賊たちだけではなく、海賊の起源や衰退についても言及されており、日本の海賊についての記述もしっかりとなされています。有名な海賊たちのエピソードだけではなく、往時の海賊生活や規則についてなど、まんべんなくバランスの取れた知識を得ることができるでしょう。ただ、本書のタイトルでもある「海賊の掟」に関する部分については、他の項目と同じように、概説的にさらりと述べられているのみで、かつての海賊の膨大な航海手記や、元海賊によるルポタージュなど、「掟」に関する特別にディープな情報が記されているわけではありません。本書については、「海賊概説」とでもタイトル付けしてあった方が、実態を表しているように、個人的には感じられました。
とは言え、古今東西の海賊に関する基本的知識について、全方位的に知ることができるという意味で、本書は概説書として非常に優れていると言えます。文章のテンポも良く、読んでいて疲れることなく、自然な形で覚えていくことができるのもポイントです。その上、価格としてもリーズナブルなので、これから海賊のことについて知りたいという方に、安心しておススメすることができる一冊だと言えます。入門書としてはもちろん、「海賊もの」の書籍やゲームなどを読む際の副読本として読んでいくのも面白いのではないでしょうか。