セキララ彼女(3)
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本編を少し進めつつも全体としては纏めと繋ぎの一冊
2011/04/26 04:02
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る
今回も匂い立つほどの濃密な色気と抜群なシチュエーションたっぷりな作画による寝取られ感ギンギンのエピソードが続く第3巻だが、話の本線としては真弓関連が少し進んだのみに留まり、ルミや麗奈に関しては過去編を纏めて描いた印象である。悩ましい歪みを抱えつつも爛れた関係から抜け出せないルミや麗奈が至った道程を切なく哀しく捉えることもできようが、ここはやはり自分を律し切れない弱さと見るところであろう。そんな気丈な人は多くないよ、みんなどこかに弱さを湛えてるんだよ、というエクスキューズとも読み取れる。理性と感情、愛情と肉欲、節制と貪婪、これに出世欲が絡む流れには、こうした相反する事柄の狭間で揺れる心や、その結果として「負ける心」の表れと解釈したい。実に悶々とした心情描写が「若干思い当たるフシもある」との共感を以て読み手の心を抉る、とは言い過ぎとしても、心の負の琴線に触れるようなザワザワ感を掻き立てる展開であり、ルミや麗奈の深層心理にはこのような鬱屈した重さを感じる次第である。
対して真弓の方面では、他の2人と似たような心情が描かれているにも関わらず、何か、こぅ、快楽への欲望というか解放への欲求めいた要素がとかく優先しがちな印象であり、他の男から迫られては結局拒めず体を許してしまうパターンの連続に「この娘が一番ダメ女だな」との嘆息が拭えない。いや、本シリーズではこれが“正常”であり、このダメっぷりを味わうのが本筋なことは重々承知しているので、「ある意味分かりやすくていいな」という意味でもあるのだが。常に彼氏のことを気に留めて(こちらも)悶々としている割には学習しないというか成長しないというか。リアルでは御免被りたいが、キャラとしてはある意味愛すべき存在と見ることもできよう。
少なくとも彼氏との距離は紆余曲折しながらも少しずつ縮まっているため、そろそろ展開として大きなうねりが見られるような気がしないでもない真弓の今後に期待と不安を抱きつつ、幼馴染みに是非とも頑張ってもらいたいルミの話や、どうにも出口の見えてこない麗奈の話の今後を楽しみに待ちたい。