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三浦綾子 電子全集 岩に立つ
著者 三浦綾子 (著)
実在の市井の人物をモデルに、気骨あふれる半生を描いた痛快長編。著者が、私心のないその生き方に関心を持ち、実在の市井の人物・鈴木新吉を主人公にして、小説を書いた。「七年の歳...
三浦綾子 電子全集 岩に立つ
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商品説明
実在の市井の人物をモデルに、気骨あふれる半生を描いた痛快長編。
著者が、私心のないその生き方に関心を持ち、実在の市井の人物・鈴木新吉を主人公にして、小説を書いた。「七年の歳月をかけ祈りをこめて描く初の書下ろし」(初版・帯より)。
著者夫妻がはじめて持った小さな二階建ての家を建てたクリスチャンの棟梁は、気骨あふれる痛快な男だった。著者には珍しく、男っぽい語り口で綴った貴重な一作。
「三浦綾子電子全集」付録として、著者が文庫情報誌『講談社文庫 IN POCKET』に載せたエッセイを収録!
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紙の本
三浦綾子と山本有三
2012/02/07 11:38
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:レムナント - この投稿者のレビュー一覧を見る
「鈴木新吉と白洲次郎を生んだ明治はやっぱりえらい!」という勢古浩爾さんのエッセーにあった文句にひかれ、初めて買った三浦綾子さんの小説がこれであった。鈴木新吉氏(小説では鈴本新吉)による一人称独白体であると知らず読み始めたのではじめは少々面食らったものの、作者の三浦さんは逆にこのような形式を得意としているようで、こなれた文章は主人公がぶっきらぼうに語る恋物語や活劇を、まるで荒馬でものりこなすようにまとめあげ、波乱に満ちた大工さんの生涯をたくみに描き出していた。
大工の独白体小説といえば山本有三氏の「無事の人」もそうだが残念ながら、「岩に立つ」が持つ実話とは思えぬエピソードの数々は、山本氏の小品フィクションを格段に見劣りさせてしまう。また、「岩に立つ」のシチュエーション、すなわち極貧の少年時代、身内の不幸、初恋と失恋、成長するにつれて自らの才覚でのしあがってゆくところなど、同じ山本作品の「路傍の石」吾一少年に擬せられる部分も多いのだが、三浦作品のほうには「路傍の石」の持つジメジメしたところやドロドロとしたものがぜんぜん感じられないのだ。はじめから終いまで真冬の晴天のようにカラっとしており、三浦綾子さんの長編小説としてはめずらしく読後感もさわやか。その点も好感が持てる。