- 販売開始日: 2013/03/22
- 出版社: PHP研究所
- ISBN:978-4-569-61292-8
日本型IT革命 新たな戦略
現在、日本でもIT革命が声高に叫ばれているが、その論調はいまだ「アメリカ後追い」の域を出ていない。だが、いま我々に必要なのは、世界が注目したIモードのように、日本の個性に...
日本型IT革命 新たな戦略
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商品説明
現在、日本でもIT革命が声高に叫ばれているが、その論調はいまだ「アメリカ後追い」の域を出ていない。だが、いま我々に必要なのは、世界が注目したIモードのように、日本の個性に徹した「日本型IT革命」を生み出すことである。本書では、「本当のIT革命は生活者主導で進む」「日本版シリコンバレーをどう生み出すか」「異業種連合によるナレッジの共有・衝突が、イノベーションを引き起こす」「企業にも個人にも、コアコンピタンスが求められる」など、世界中でITが進行する中で、日本が創造すべき新たな戦略について議論する。そして最後は、「自分の人生のコントロールを失うことが最大のリスク」として、志を持って生きること、その覚悟こそが、日本という国の再生のかぎを握っていると結ぶ。通産省とシンクタンクを代表する二人の論客が、「政府の政策と民間企業の戦略を連動させ、融合させること」を目的に語り切った、日本企業再生のビジョン。
著者紹介
田坂広志 (著)
- 略歴
- 〈田坂〉1951年生まれ。ソフィアバンク代表、多摩大学経営情報学部教授。
石黒憲彦 (著)
- 略歴
- 〈石黒〉1957年生まれ。通産省産業政策局新規産業課長。
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iモード,ネット家電など,日米経済競争力再逆転の可能性を,日本型IT革命の見地から点検する対談
2001/01/16 18:16
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投稿者:中島 洋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
インターネットの経済・社会への浸透について,日本社会は,欧米,アジア諸国の後塵を拝したが,インターネット利用の進展に伴って,時代は大きな転換点を迎えている。IT革命の主役が再び日本社会に回ってくることが期待できそうである。
特に日本にとって有利なのは,次の大きな市場になると予想される分野が日本企業の得意な領域であることだ。「iモード」に代表されるような携帯電話とインターネットが結びついた「モバイルインターネット」,あるいは家電製品がインターネットと結びつく「情報家電(ネット家電)」の双方である。
IT革命の本質は,インターネットを通じて取引をする,という見かけ上の社会変革だけではない。そこには,メーカー主導から顧客主導への情報主権の移動・逆転やメーカー側の販売代理から顧客側にたった購買代理へと質を変える「ニューミドルマン」の誕生などの,価値観の転換,社会構造の転換が含まれる。
米国のIT革命のメッカであるシリコンバレーでは,次々とベンチャーが輩出しているが,日本にこの仕組みをそのまま輸入しようとしても無理がある。シリコンバレーで行われている新事業への資本提供,法律相談,販路の確保,経営資源の提供などのサービスは,ベンチャーを興す旺盛な起業家精神を支えるものとして機能する上に,失敗しても何度でも挑戦できるセーフティネットの保証の中で機能している。
しかし,このシリコンバレーの特色は,日本の大企業が組織として備えている特色であり,この仕組みを「起業家精神」を刺激する仕組みとうまく組み合わせることで,日本社会でも再現できるのではないか。
この対談で語られていることは特に目新しいことではないが,現在起きている事象全体の整理と理解には役立つだろう。何度か繰り返される「自分の人生を自分でコントロールする」というメッセージに刺激を受ける人もいるかもしれない。IT革命という時代を背景にした人生論対談として読むとさらに興味深い。
(C) ブッククレビュー社 2000