電子書籍
ブランディングズ城の夏の稲妻
著者 P.G.ウッドハウス (著) , 森村たまき (訳)
ゆっくりした脳内にはブタとバラのことしかない、第9代エムズワース伯爵がおさめるブランディングズ城を舞台に、卿の甥と可憐なコーラスガールの恋、ギャリー伯父さんが執筆するお騒...
ブランディングズ城の夏の稲妻
ブランディングズ城の夏の稲妻 (ウッドハウス・スペシャル)
商品説明
ゆっくりした脳内にはブタとバラのことしかない、第9代エムズワース伯爵がおさめるブランディングズ城を舞台に、卿の甥と可憐なコーラスガールの恋、ギャリー伯父さんが執筆するお騒がせな回想録などが入り乱れる長編小説。
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紙の本
大山鳴動して豚一匹
2007/11/11 22:00
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:星落秋風五丈原 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「正直者は外に出よ、そして元気の出るぬくもりを大いに享楽せよと(p168)」降り注ぐ太陽のもと、「空気は涼やかに甘く、大地は癒しの芳香を放つ(p300)」。世に聞こえたるバラ園。ブランディングズ城は、戦争とも不況とも無縁の地上の楽園。その領主であり、第9代エムズワース伯爵が願うのは、祖国の繁栄でも自身の栄達でもなく、愛豚エンプレスが農業ショーで連続優勝するという、とってもささやかな幸せ。
ところが彼の周囲の人間達は、揃いも揃って欲の塊と来ているから困ったものだ。卿の甥ロナルド・フィッシュはコーラスガール、スー・ブラウンとの交際を認めてもらうことと、信託財産の先渡しを目論み、もう一人の姪ミリセントはエムズワース伯爵の私設秘書との結婚を認めてもらいたい(もちろん資金援助も)と思ってる。妹のレディ・コンスタブル・キーブルは、ロナルドをアメリカの金持ちの娘と結婚させようと企む。そしてとっても優秀な執事だった前秘書バクスターはブランディングズ城への復帰を目論んでいた。それぞれが、別の思惑を持ってブランディングス城に集まった上に、ある者は嘘をつき、ある者は窃盗に走り、かくて平和なブランディングズ城は大嵐の真っただ中。どこへ転がってゆくかわからない話の行方と、意外と人のいいお貴族サマや脳が若い割にはドジばかりしている恋する若者達が繰り広げる騒動に笑いが止まらない。
ところで、今回初登場の注目キャラは、何といってもエムズワース郷の弟とはとても思えない、ギャラハッド・スリープウッド。「いやぁ、若い頃はいろいろヤンチャしたもんでね」と汲めども尽きぬ武勇伝の持ち主で、それ故なのか、郷より余程世事に長けており、若者に対する理解も深い。つまり、『頼りになるオジサマNo.1』なのだ。そうそう、ジーヴズものでも登場したアイテム「高貴な方々が隠しておきたい過去が書かれた回顧録」も、本書では彼絡みの重要なアイテムとなっている。ところで本書には、御丁寧にもエンプレスのモデルとなった豚の写真がついている。うーん、でも写真を見ても、これが優勝するくらいのレベルなのかどうか微妙だ。どうリアクションすれば良いのだろうか?リアルでもフィクションでも大いに笑わせてくれるウッドハウス・スペシャル第一弾。
紙の本
どたばたコメディ
2024/04/28 14:09
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:今井 - この投稿者のレビュー一覧を見る
格調高い文章は少し読みづらいが、慣れたらそれすら笑いのエッセンスに早変わり。とにかく登場人物同士の掛け合いが楽しい。面白すぎる。有能すぎる元執事と伯爵の分かり合えなさはもはやお家芸。爆笑不可避。