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電子書籍
大江戸釣客伝(上)
著者 夢枕獏 (著)
時は元禄。旗本、津軽采女は小普請組という閑職がゆえ、釣り三昧の日々を送っている。やがて、義父・吉良上野介の計らいで「生類憐れみの令」を発布した、将軍綱吉に仕えることになる...
大江戸釣客伝(上)
大江戸釣客伝 上 (講談社文庫)
商品説明
時は元禄。旗本、津軽采女は小普請組という閑職がゆえ、釣り三昧の日々を送っている。やがて、義父・吉良上野介の計らいで「生類憐れみの令」を発布した、将軍綱吉に仕えることになるが・・・。同じ頃、絵師朝湖と俳人基角は江戸湾で土左衛門を釣り上げた。果たしてその正体は? 釣りの泥沼から覗く元禄時代。(講談社文庫)
目次
- 序の巻 幻談
- 巻の一 沙魚
- 巻の二 技師
- 巻の三 安宅丸
- 巻の四 鯛
- 巻の五 水怪
- 巻の六 釣心
- 巻の七 密漁者
- 巻の八 側小姓
- 巻の九 無竿
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紙の本
徳川綱吉(犬公方)の「生類憐みの令」により釣りを制約された釣り気違い達の苦悩や生きざまを活写
2016/11/10 12:12
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
1700年を前後する20年余りの間、徳川綱吉(犬公方)の「生類憐みの令」により釣りを制約され、後には禁止された世相での釣り気違い達の苦悩や生きざまを活写すると同時に、登場人物(主人公:津軽采女(ツガル ウネメ)とその義父である吉良上野介義央)との関係で赤穂浪士の討ち入りなども重要な位置づけで触れられている。登場人物も、宝井其角、多賀朝湖(英(ハナブサ)一蝶)、紀伊国屋文左衛門、水戸光圀(水戸黄門)、徳川綱吉、吉良上野介義央、松尾芭蕉など、歴史上の人物が惜しげもなく登場する。釣鉤の種類も、地獄鉤(ただの直線型の鉤)や数珠子鉤など多彩であり、簡単ながら作り方にまで触れている。江戸時代の釣り全般に関しても資料を丹念に調べて記述されていることが伺われる。また、話の味付けのために、序章で水死した老人を登場させ、やがて釣りのことを体系的にまとめた本『釣秘伝百箇條』の著者を探してこの“老人=投竿翁=なまこの新造”に辿り着くという謎解き的要素もしっかりと用意されている。そして、著者の思いはある意味ではこの“投竿翁=なまこの新造”の生き様に強い共感を示しているように思われる。ラストである「結の巻」では、主人公:津軽采女(ツガル ウネメ)が残したといわれる『何羨録』(1716(享保元)~1717(享保2)頃と推定)の紹介で終わっている。少々残念なのは、前半(上巻)の生き生きとした描写に対して、後半(下巻)は釣りから離れた世相の話が多くなり少々湿っぽくなるのが難点でした。
紙の本
大江戸釣客伝 上
2013/06/11 17:22
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:福助 - この投稿者のレビュー一覧を見る
時は元禄、綱吉が天下を治める江戸城下において、江戸前の釣りを愛する階級を超えた同好の士が集う。そこに24年のも間続いた“天下の悪法”といわれた生類憐れみの令が・・・。
史実に基づいた江戸文化、人々の生き様が、ありありと目に浮かぶ歴史大作。