電子書籍
青春ってこんなんだろうなー(遠い目)
2017/09/02 01:47
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投稿者:abikko - この投稿者のレビュー一覧を見る
当方40歳オーバー。この本は子供の読書感想文用の本だったのですが、ちょっと最初のページを読んでみようと思って読み始めると、止まらなくなりました。
未来から(意識だけがもどってきて?)高校生活をやり直している友人とその友人に影響される主人公の高校生活が描かれているのですが、学校のイベントが「あーこんなことも(自分の身には起こらなかったけど)青春していたらあったんだろうなー」と思わせる内容です。
自分の人生はどうなんだろうとちょっと考えさせつつも、読了感さわやかで、ちょっと若返った気分。
紙の本
初版発行:2013年2月10日
2015/08/30 20:03
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投稿者:bbsf - この投稿者のレビュー一覧を見る
単行本は2009年11月刊行…あさのあつこが長めの解説をつけている…男子の会話部分や人物造形に女性作家臭さが感じられないのがとてもいい…語り手をタイムスリップしてきたほうに設定したり2009年の事情を説明調の会話で入れてたりしたら多分ダメダメな仕上がりだったと思う
電子書籍
みずみずしい
2021/10/10 19:04
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイムスリップものというとSFやミステリーめくものが定番であるが、この作品はみずみずしい高校生活物語のスパイス的な要素としてタイムスリップを用いているところが、凡百の作品と異なっていてとてもいい。途中で話がやや深刻にもつれそうになってきたが、終盤ややきれいすぎるぐらいにまとめている。
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文庫化にあたり再読。
あぁ、そうだ、こういう話だった、とぶわっと思い出す。
経験とか、リアルさだけじゃない青春の物語とはまさにこれだ……と次々ページをめくった。
あの頃の痛みがいまの自分にもどこか通じて、それはきっと孝子が27歳まで生きて、高校生に、16歳に舞い戻ってきているからだ。
ふがいなさや、逃げ出したくなる気持ちや、諦め。目を反らしたい負の感情と、きちんと向き合えと読者に訴えかけてくる。
豊島ミホさんすきだー。
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主人公は普通の高校1年生の沙織。
友人になったばかりの孝子からは、「未来から来た」と告げられて…
もっとSF的な話かと思ったら意外と現実的でした。
その点は個人的には良かったんですが。
全体を通してみると、高校生という青春を上手く描いてて
読んでて面白かったし、どんどんページをめくらせてくれた。
ただ、残念なことに主要人物(沙織の母と孝子)のことが
どうしても好きになれず共感できず、ずっとイライライライラ。
まだまだわたくしも人として浅いのかな。
沙織&孝子と仲良くなっていつも一緒に行動することになる同級生の
男子については、それぞれ居そうなキャラなので男性も共感しながら
読むことができるんじゃないかな。
似たようなこと考えてたなー。悩んでたなー。
逆に、そんなこと思いもしてなかったなー。
そんな風に自分の青春と見比べながら読むのもいいかと思います。
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わたしも、16歳の頃楽しかったなぁ。そんなことを思い出しながら読めました。高校生のキラキラが眩しい。
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豊島ミホの描く高校生は素敵だ。
そう思うのは、同級生だからかもしれない。
『リテイク・シックスティーン』でなければ手に取らなかっただろう。そして、手に取って損はなかった。
高校生活の様子が手に取るようにわかる。まるで、昨日、そこに一緒にいたかのように。
『檸檬のころ』と違うのは、主人公の友人が2009年の未来からやって来たことだろう。時折入る、未来の視点。けれど、みんな16歳の高校1年生。ときは、1997年だ。
私は豊島ミホのように、“リテイクしたい”という思いはない。
しかし、この真実であり虚構の世界に引き込まれる。あの頃に戻りたい、という思いがないわけではない。
リテイクしたいわけではないが……、私は孝子に近いかもしれない。
おそらくこれは、豊島ミホにしか書けない作品だろう。
16歳という普遍性。けれど、より深く読めるのは、97年に高校生だった同級生たち、という気はする。ここに書かれている世界を“知っている”のだ。自分たちと重ねるというのではない。本当に“知っている”。
リテイクというのは、もう一度、16歳を描くために、豊島ミホが持ち出した秘密道具なんだろう。
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「あたし、今度は絶対、青春って言える青春を送るんだあ」
未来から来たというクラスメイトの孝子と主人公の沙織達のストーリー。
タイムトラベルのお話と思われるかもしれないけど…
キラキラ、切なくほろ苦い、16歳の高校生活を『檸檬のころ』の豊島ミホさんが描いています。
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ほんと、職人芸だよ。
こんなにも強烈に「豊島ミホにしか書けないもの」なのに。
なのになのになのに。
これだけの才がありながら離れていくなんて。
なんてばかなんだ。なんて豊島ミホらしいんだ。
私、豊島ミホの目の前であなたが好きだよって叫びたいよ。
どうせ残るものなんて少ししかないのに。
せっかく残ったものなのに。それがあなたなのに。
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帯文(裏表紙):"高校に入学したばかりの沙織は、クラスメイトの孝子に「未来から来た」と告白される。"
目次:春、夏、秋、冬、春、解説 あさのあつこ
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27歳の今、この作品に出合えたことは、何かしらの意味を持つんだと思います。いや、意味を持たない出あいなんて一つとしてない。人も、小説も。意味のない「過去」なんてなくて、だからこそ、「今」にもちゃんと意味がある。その先に、意味ある「未来」が訪れる。『リテイク・シックスティーン』を読み終えて感じる率直な想いです。
高校1年の5月、沙織は友人の孝子に告げられる。「私は未来から来た。27歳で無職。人生やり直したい、高校からどうにかしたいと思ったから」――。
27歳の時点で高校からやり直したいと思うその感情は、分からなくもない気がします。もし、私自身がやり直すとしたら、多分孝子と同じように、あの頃成し遂げられなかったさまざまなことをやり直したいと願うと思う。でも、だからといって「今」の私を捨ててまでやり直すべき「過去」なのかと問われれば、何か違う気もしていて。ずいぶん遠回りをしながら生きている私だけど、つらく悲しい「過去」の分だけ、楽しく幸せな「今」もあるはずで。やり直してしまった先の「未来」は、本当に「今」より輝くものなのかな。変えるほどの価値があるのだろうか―。そんなふうに考えてしまう私は、臆病者でしかないのかもしれませんが。
「あたしはこのあたしで生きる。逃げたこと含めて引き受ける」
やがて孝子はそんな決意に至ります。孝子にとっては、“未来から逃げてきた”ということも一つの「過去」。たとえ、昔の自分に戻ってやり直したとしても、自分が過ごしてきた時間の積み重ねは全て「過去」。それらと向かい合わない限り、自分自身を受け入れることなんてできない。人よりも長い「過去」を抱えることになった孝子だけど、その決意を胸に彼女らしい人生を送ってほしいなと思いました。
それは、沙織も同じ。彼女はどこにでもいそうな素直な女子高生。そんな彼女が友人のこと、異性のこと、家族のこと、進学のこと、将来のことなど、大小さまざまな苦悩を一つずつ克服していくところを見ていると、どうか彼女にとって幸せな「未来」が訪れてほしいと願うばかり。
「未来から来た」という孝子の事情を別にすれば、この物語で描かれているのはごく普通の高校生の物語。ささいなエピソードの節々に、“あ、高校時代にこんなことあったかも”と思わされるシーンが散りばめられています。この世に生きるほとんどの人生は、ありふれたものにすぎないかもしれない。でも、その一つ一つが自分らしく輝いているのなら、この世界は素敵な魅力に溢れている。自分を見つめ、他者を受け入れることは、この世に溢れる魅力を一つずつ知っていくことなのかもしれません。豊島さんの作品は、その素晴らしさを伝えてくれているように思います。
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出だしを少し読んでから読んでみようと買ったのだけど、その出だしの明るい調子のまま物語は終わらなかった。
日々の生活でも明るい時と暗い時があるのが普通で、そういう意味では現実的な話運び。
突飛な設定のある孝子がそこに馴染んでいていい。
引き込まれて、先が気になってどんどん読み進めた。
大きな事はほとんど起こらないけど、十分ドラマチックな気がするのは、心の動きや情景が丁寧に描かれているからかな。
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たまたま耳にしたNHK FMのラジオドラマをきっかけに手に取った一冊。自分の16歳は男子校かつ部活一辺倒の生活だったけど、あれから22年経った今読んでも切なさが残る。
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繊細な感情や、なにげない風景から青春の空気を言葉にして形にできる才能っていうのが凄く素敵だ。夢中でページをめくった。
ひとつ挙げると主人公の子が完全すぎる気はしなくはない。ルックス良しスタイル抜群勉強ができて友達が少ないって、少しマンガチックな設定かなと。
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胸の中にある宝物のような大切な思い出が蘇ってきた。
キラキラ輝いていて、眩しいな。
「27歳から16歳に戻って、青春をやり直す」を軸に繰り広げられていく、瑞々しい高校生活の描写。
SFなのかファンタジーなのか、妄想ってオチなのか、それが気になって入り込めず読み終わるまで時間がかかってしまったけれど、
想像以上の読後感の良さにびっくり。
やり直してる設定だから、ぐっとくるものがあるんだろうな。
青春時代のまぶしさとか
切なさとか
儚さとか。
私は、書き換えたくないくらい楽しい青春時代を送ったから、16歳に戻らなくていいや。
毎日早起きして学校まで歩くとかも無理(笑)
でも、何か迷ったときに、
今。青春時代じゃなくて、今。何か迷ったときに。
私は10年後の未来からもう一回後悔のない日々を送る為に戻ってきたんだ…とか想像(妄想)してみると、
後悔しない選択がてきるかもしれないな、と思った。
それが、長く少しずつ読んでいて今読み終わった意味な気がする。