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是非に及ばず
著者 山口敏太郎 (著)
戦国最大の謎、本能寺の変。取材にサイキックリーディング(霊視)を採用、資料の裏側に深く沈められた驚嘆の事実を炙りだす。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です...
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商品説明
戦国最大の謎、本能寺の変。取材にサイキックリーディング(霊視)を採用、資料の裏側に深く沈められた驚嘆の事実を炙りだす。
※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、予めご了承ください。試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。
著者紹介
山口敏太郎 (著)
- 略歴
- 1966年徳島生まれ。神奈川大学卒業。96年、学研「ミステリーコンテスト」で「妖怪進化論」を受賞。その後、歴史関連の賞暦が続く。著書に「日本の未知生物案内」など。
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ま、著者があとがきで自慢しすぎなければ、★一個くらい増えたんでしょうが、この程度の発想で新発見と言われちゃあ、他の本能寺本が泣きます
2006/12/08 20:40
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
まず、山口敏太郎ですが、初めて見る名前です。またまた名前で書いちゃいますが、山口敏太郎、ってフツーですよね。山口がフツーで、敏太郎は老人ぽい。松本清張賞の広川純『一応の推定』も60歳の新人デビューだったし、書かれているのが本能寺でしょ。そういえば清張賞に山本兼一『火天の城』っていう安土城を書いた小説もあったし・・・
その信長が、本能寺が軍勢に囲まれており、相手が明智光秀らしいと知ったとき、言ったのが「是非に及ばず」だそうです。信長ファンである私は、このことをまったく知りませんでした。この小説ではラストにそれが出てくるのですが、正直、これが有名な言葉とは思えない書き方なんですね。山口はこれで決めた!と思ったんでしょうが、私にはピンと来ません。
で目次。
序 安土・炎上
第一章 信長、汝を神とする
第二章 蘭丸、梵山に驚愕す
第三章 義昭、光秀に密命を発す
第四章 天海、火中にて信長を呪う
第五章 秀吉、信長暗殺計画に驚愕す
第六章 家康、恨みをのべながら上洛す
第七章 光秀、饗応役にて失態を犯す
第八章 秀吉、家康、光秀、絡まる思惑
第九章 襲撃!!本能寺
第十章 信長、再生!魔王降臨す
エピローグ
あとがき
げ、章のタイトルが有名人のオンパレード。しかも帯の文句が
明智光秀は
謀叛者に非ず!
戦国時代最高の謎、
本能寺の変 その事実は為政者によって、
徹底的に秘匿され、改竄されてきた。
資料の裏面に深く沈められた
幽玄の真相を焙り出すことにより
浮かび上がってきた驚愕の真実。
信長は本能寺で
死んでいなかった。
信長殺しの
真実の犯人とは
ふーん、幽玄の真相、って何かなあ。意味不明な感じだけど・・・
で、読後感。方言がウザイ。それに、肝心の信長がちっとも魅力的じゃないし。サイキックリーディング(霊視)ってあるけれど、ちっとも伝奇小説じゃない。要するに、手垢がついた印象を拭えないんですね。
ちなみに、ファンである私が書評を書いている信長本には、近年のものだけでも加藤廣『信長の棺』、安陪龍太郎『信長燃ゆ』、岡田秀文『本能寺六夜物語』、火坂雅志『覇商の門』、山本兼一『火天の城』、佐藤賢一『女信長』、山田正紀『天正マクベス 修道士シャグスペアの華麗なる冒険』、宇月原清明『信長 あるいは戴冠せるアンドロギュヌス』、東秀紀『異形の城』などがあります。
これに昔読んだ司馬遼太郎『国盗り物語』、宮下昌孝『ふたり道三』や山田風太郎作品、あるいは信長が少しでも顔を出すものなどをあげたら、それこそきりがありません。『異形の城』の評で最後に「本能寺に斬り込むには、新しい武器が必要なのだ。」と書きましたが、山口が勝ち残るだけの新兵器を持っているか、が評価を決めます。それが著者の弁ほどには強力ではありません。まして
「その為だろうか、本作品にける信長像は従来のものとは違ったものになった。クールなところがありながらも、人付き合いにシャイであったり、時に茶目っ気があり、それでいて芝居がかった謀略が好きで、家族などには人間らしい横顔を見せる。」と書かれると、この本を読む限り、信長は単なる暴君以外の何者でもないし、人間らしさ皆無で、ウソつけ、といいたくなります。
「また今回は各登場人物の方言などに、徹底的にこだわってみた。(中略)各地のお国言葉のリアルな語感が楽しめるのも、本作品のこだわりのひとつである。」にいたっては、それなら当時の言葉つかいにまで遡るべきだし、それが出来ないのならば、結局は自己満足だけじゃあないの、といいたくなります。