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ニッポン バブル遺産建築100
著者 橋爪紳也 (文)
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ニッポン バブル遺産建築100
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ニッポンバブル遺産建築100 (Around the world library)
商品説明
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
日本が狂喜乱舞したバブルの時代、金に糸目をつけないユニークな建物が数多く造られた。美術館、博物館をはじめ、公共施設、老人ホームから公衆トイレまで。独創的なバブル遺産を一挙公開!
目次
- 序 本書の楽しみ方
- 北海道・東北(釧路市生涯学習センター
- 本別町コミュニティステーション ステラプラザ ほか)
- 関東(日立シビックセンター
- 鹿沼市立川上澄生美術館 ほか)
- 信越・北陸・東海(軽井沢高原教会 内村鑑三記念堂
- 飯田市立美術博物館 ほか)
- 近畿(滋賀県立安土城考古博物館 ほか)
- 中国・四国(仁摩サンドミュージアム
- 出雲健康公園 出雲ドーム ほか)
著者紹介
橋爪紳也 (文)
- 略歴
- 1960年大阪市生まれ。大阪大学大学院環境工学専攻博士課程修了。工学博士。現在、大阪市立大学文学部人間行動学科助教授。著書に「倶楽部と日本人」「なにわの新名所」など。
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紙の本
遺産となるか?徒花で終わるか?
2005/12/07 09:09
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:半久 - この投稿者のレビュー一覧を見る
おっ、これは万博だね。
といっても、愛知ではなく大阪万博のほう。大阪万博は「建築のオリンピック」とも言われた。私は、当時の奇抜なパビリオン群に目を奪われた思い出がある。中には少数派だったが、伝統美を生かした建築もあった。
建築史は詳しくないので的はずれかもしれないが、ポストモダン建築の先駆けでもあったのかもしれない。
それが、バブル期に全国に分散する形で「甦って」いたとは、本書を読むまで知らなかった。それは万博の「地方分権」なのか。
周知のように、経済的豊かさは甚だしい「無駄」を産み出すが、新しい文化の礎にもなる。けれど、生き残るものは限られているだろう。これらの「バブル遺産建築」が著者の期待するように・・・
《五〇年、一〇〇年ののち、これらの建築群のなかから、世界的にも貴重な文化遺産が生まれてくると思うのだ。二〇世紀の末、日本という極東の島国が世界一の経済大国として輝やいた瞬間のモニュメント群として、後世の人たちに高く評価されることだろう。》
・・・となる可能性は、けっこう厳しいんじゃないか。私もそう願いたいが。
万博公園のエキスポタワーや美術館も、結局は解体なのである。太陽の塔並みに有名なものはないのだし、このままでは、耐用年数を過ぎれば同じ運命を辿らされるような気がする。
それでも、ポストモダン(及び以降の)建築は面白いのは事実。碁盤目に整備された土地に、箱ものビルをあてがった均質な都市なんてつまらない。面白いというのは、それだけで価値がある。
ただ金がかかるので、単体(か狭い土地空間)のランドマークかモニュメント風としての存在しか許されない。仕方のないことなのだろうが、惜しい気がする。
いや、こうすればいい。
ポストモダン的意匠をコンセプト・ワークとした、広範囲の街造りにまで発展させるのだ。ヨーロッパとはまた趣の違う個性を湛えた、新たな文化都市を造り上げるのである。
こういった都市が一つや二つでなく、何十と立ち現れたなら、海外からいっそう多くの旅人達が訪れることになるだろう。永住希望者も増えるだろう。
ユニークな文化都市・国際都市国家として、日本は変貌を遂げるのではないか。著者の橋爪氏以上に、楽観的な夢想を思い描いてみた。
本書の体裁内容に触れておこう。
本書ではポストモダン建築を中心に、それに該当せずとも「時代の気分」を共有した、100の「バブル遺産建築」が簡潔な説明とともに紹介されている。一件につき、見開き2ページを割り当てている。
だが、写真がモノクロなのはいいとして、各一枚ずつしか掲載されてないのは解せない。外観だけでなく、内観も入れて3〜4枚はあってもバチは当たらないのではないか?(そのためには、最低3ページは欲しい)。
口絵にカラー写真が7点載っているが、物足りなさは拭えない。
あと、表紙と裏表紙に75件分の写真が並んでいるのだが、カラーであっても横1センチ縦8ミリの豆サイズでしかなく、ほとんど何がなにやら。引き延ばしたものを、「もっとよく見せてくれ〜」と、フラストレーションが溜まる。
解説が淡泊なものもチラホラあるし、雑誌の連載を短時間でまとめただけの、なんとも「お手軽な作り」という印象を受けてしまう。
建築関係者に聞いたことがあるのだが、バブル期は人手不足のため、大量の素人を実力に見合わぬ高給で集めて、建設現場に投入したそうだ。おかげで「はんぱ仕事」「やっつけ仕事」が頻発。「あの頃にできた建物には住みたくない」と話していた。
本書も、そんなところまで踏襲しなくてもねえ・・・と思うんである。
「懐かしい未来」を想いださせてくれたので、それには感謝したい。
紙の本
バブル時代に建設された巨大博物館や美術館,モニュメントの数々。これら「文化遺産」を再評価し未来を描く
2000/07/10 09:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:石田 洋子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
税金の無駄使い,地方の景観にふさわしくないなど,批判されることが多いバブル時代に作られた全国の建築物。しかし,これらの施設は質が高く,今後50年,100年後には「文化遺産」になり,古代ローマ遺跡のように観光客を世界から集める可能性もある,と著者は述べる。日本全国から建築物を100点選び,遺産としての素晴らしさを紹介する。
北海道,東北では専門に特化した機能を複合する施設で8階建て,アトリウムを設置する「釧路市生涯学習センター」を含む16の施設。関東では建設費約398億円,維持費年間40億円,隅田川のほとりにあり東京の歴史を展示する「東京都江戸東京博物館」など21施設。信越,北陸,東海ではJR浜松駅北口にあるアトリウムからなる「フォルテ」をはじめ15施設。近畿では「空中都市」をイメージした新梅田シティ梅田スカイビルなど18施設。中国,四国では複合的な役割を担う「麦町一丁目第一開発ビル,岡山シンフォニーホール」など13施設。九州,沖縄では福岡埋立地に建設された近未来的な「ハイアット・レジデンシャルスイート・福岡」などを含む17施設を解説。
(C) ブックレビュー社 2000