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突然、スピーチの指名を受けあわてることが多いので、”奥義”を知ろうと思い読んでみました。
2012/02/26 21:31
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投稿者:龍. - この投稿者のレビュー一覧を見る
突然、スピーチの指名を受けあわてることが多いので、”奥義”を知ろうと思い読んでみました。
いくつか大変参考になる奥義はありました。
例えば、スピーチの締めの言葉。
たいていの場合は、「お聞きいただきありがとうございます」とか「ご清聴感謝します」など型にはまった言葉で締めるのが普通です。
しかし、本書では「名文のテイクノート」を勧めています。著者は、スピーチの内容に関わらず、決ってゲーテの言葉を引用しているということ。
スピーチとは、いかに聞き手の心に印象を残すことができるかがポイントと考えると、最後の締めでいい言葉を伝えるとよい印象が残るということなのです。
実はこれを実践してみました。
結果はというと、まずまずの反応でした。しかし、言いだすのに勇気がいるのも事実です。それまでの話とシンクロさせる、話の流れを調整しながら締めの言葉にもっていくなどの工夫が必要だと思いました。
本書の後半は、教養が大切であること、英語は必須であることなど、著者の経験を踏まえた話が書かれています。どちらかというと、よいスピーチのためというより、自分のキャリアをどのようにアップさせていけばよいのかという視点から書かれているようです。
いずれにしても、言葉を伝えることは大変だと改めて実感した内容でした。
龍.
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1.自分の「口」よりも聞き手の「耳」を意識する
スピーチだけではなく会議で発言したり、ネゴシエーション――交渉をしたりなど人に話す場合はすべからく、自分の「口」からどんな言葉を出すかではなく、相手の「頭のなか」に何を残すかということを優先して考えることが大事である。
ここをおろそかにすると、聞き手にとって「聞きたくないこと」「聞く耳を持たないこと」ばかり話して総スカンを食う恐れがある。
ようするに自分の「口」よりも、相手の「耳」を意識する。それがスピーチをはじめとするコミュニケーションの鉄則と言えよう。
■2.オバマに学ぶ聴衆の懐疑心を解く法
大統領選に出馬した当時、オバマはシカゴの有名人ではあったが決して全国的な知名度があったわけではない。演説を聞く人たちの多くが「誰?」という感じだっただろう。(中略)
そこで、オバマはどうしたか。ふつうなら必死になって自己弁護に走り、自分がいかにリーダーとして優れているか、声高にアピールするところだろう。けれどもオバマは「みなさんが懐疑的になるのもごもっとも」と受け入れたのである。(中略)
この例から学ぶべきは、聴衆が話し手である自分に懐疑的もしくは否定的な目を向けているような集まりでは、まずそういう聴衆の気持ちをしっかり受け止めること。その気持ちを代弁しながら「そう思われるのもごもっともです」と自分の弱点をさらけ出すことが大事だ。
■3.ビジネススピーチは「結論ファースト」
幸いぼくは「結論ファースト」のコミュニケーションを野村証券で鍛えてもらった。株というのは売りか買いかホールド(持つ)か、結論は3つしかない。お客さんから電話がかかってきたときに市場の状況説明からくだくだ述べていたら、たちまち雷を落とされるのだ。(中略)
コミュニケーションでは常に「結論ファースト」を意識し、習慣づけるといい。自然と誰と何を話すときも「結論ファースト」が身につき、スピーチや交渉にもいい影響をおよぼしてくれるに違いない。
■4.雄弁家・海部俊樹元首相に学ぶスピーチの基本
彼に言わせると、
・カタカナ外来語を使わないこと
・専門用語や難しい言い回しを使わないこと
・ウウとかエエとか言わないこと
の3点に尽きるらしい。彼の話はとにかくわかりやすいのだ。
■5.話の"スペア"を用意しておく
聴衆の反応がいまひとつであれば、「準備したから話そう」という気持ちはスッパリ捨てて別の話をしてみる。それができるように、話の"スぺア"を2つ、3つ用意しておくようにしてている。
つまり「まずこの話をしてみてウケなかったらあの話をしよう。場合によってはそこからあっちの話に発展させてもいい」といったことを考える。それぞれの話については、大唯把にストーリーの組み立てだけつくって、ポイントを箇条書きで記しておくくらいのことをやっておく。それがぼくにとっての「スピーチの準備」である。
■6.「よく聞こえるささやき」がスピーチ力を高める
以前、富士ゼロックスの社長・会長を歴任した小林陽太郎さんから興味深い話を聞いた。
小林さんはぼくとはペンシルべニア大学のウォートンスクールで机を並べた仲で彼は「大の男がスピーチの効果を高めるために、『ささやき』を勉強したことをよく覚えている」という。
実際、ウォートンでは「よく聞こえるささやき」の練習をさせられるのだ。声を落として、でも明瞭に発音しなければならないので意外と難しい。(中略)
ところが、帰国して5年ほど経って富士ゼロックスに入社したとき、アメリカ人やイギリス人の会長・社長らがスピーチをする前に何度も練習をしているのを"目撃"したのである。その練習には「よく聞こえるささやき」も含まれていて大変驚いたそうだ。(中略)
小林さんはこのとき、「よく聞こえるささやき」の練習の有効性を再認識したようだ。英語のスピーチのみならず、日本語のスピーチでも効果的な方法だと思うので、みなさんもスピーチの前にちよっと練習してみてはいかがだろう。ささやき声でも聞き取れる、そんな話し方ができればスピーチは間違いなくうまくいく。
【感想】
◆最後が長くなってしまったので、この辺で。
冒頭でも触れたように、本書は新書だけあってか、それほどガチガチなノウハウ本ではありません。
アマゾンの内容紹介だけ読むと、単行本顔負け(?)のうたい文句なので、その点はまずご留意頂きたく。
ただ、逆にエッセイのつもりで読むと、さりげなく深いTIPSが述べられていて、見落としそうになるのが怖いところ。
『日本で唯一人、「政・財・官」+世界で活躍した』という肩書は伊達ではありません。
◆一応、本記事もカテゴリーは「プレゼンテーション」に入れておりますが、実際にはタイトルにあるように「スピーチの心得」的なものがメイン。
何せ、「入念に原稿を作り上げて準備する」よりも、上記に挙げたように「話の"スペア"を用意する」ことを推奨されているくらいですから。
もちろん、プレゼンでも聴衆の反応を見て、ストーリーを変えることができればそれに越したことはないのでしょうけど、まずは当初の予定を完璧にこなせるようになってからの話かと。
ジョブズでさえ(だからこそ?)あれほど入念にリハーサルをしている以上、私たちも地道に準備した方が無難だと思います。
◆そのジョブズですが、本書ではもはや「定番」ともなっている、例のスタンフォード大学でのスピーチの、寺澤さんご自身による和訳を全文掲載。
このスピーチについては、様々な書籍で解説、分析等されていますが、本書でも寺澤さんによって解説がなされています。
なるほど、「●●●●の●●を軸にせよ」、と(一応ネタバレ自重)。
もっとも当ブログの読者さんなら、すでにこの本をお読みかと。
スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則
参考記事:【スゴ本】『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則』カーマイン・ガロ(2010年07月11日)
◆……と、ここまでスピーチネタ、プレゼンネタで進めてきて���いてアレですが、個人的には著者である「寺澤芳男さん」の「人となり」が面白かったな、と(ヲイw)。
さすがに野村証券の副社長まで務めた方ですから、元から人脈も豊富ですし、そこに加えて政界参戦後には政治家の皆さんも登場。
さらには閣僚の「棒読み原稿」の舞台裏や、細川護煕さんに口説かれて日本新党から出馬することになったいきさつ等、ネタには事欠きません。
終章の「男と女のネゴシエーション」では、還暦を過ぎてから27歳年下の女性と熱愛の末、奥さんと離婚&その女性と再婚し、2年で死別されたお話も。
それにしても、何という波乱万丈の人生を送られていることかと思ったら、何と高校の先輩でしたw/(^o^)\
これはもう、プッシュするのが後輩の務めでございます!
スピーチの奥義 (光文社新書)
1章 最初の一分が勝負
2章 相手の頭に何を残すか
3章 聴衆の心をわしづかみにするコツ
4章 "霞ヶ関流"スピーチを反面教師に
5章 言葉が豊かな人と人脈を作る
6章 英語力を磨いて未来を切り開け!
終章 男と女のネゴシエーション
夫婦関係を上手に保つコツ
あとがき
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「スピーチの奥義」というタイトルに引かれ、友人の結婚式スピーチの参考に…ということで購入したが、スケールが違いすぎた。政治家と国際金融の舞台で活躍した著者の英語を勉強せよという単なるメッセージだった。
読み物としては良かったが、私にはレベルが高すぎて非現実的だった。
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ジョブズのスピーチ本に、より日本人的な要素を盛り込んだ感じ。練習を重視しないところなど、賛同できない面もあったが、なるほどと思わされるのは筆者が優秀な人間だからであろう。
細かいことを言うと、終盤は話題がスピーチと離れてしまっていた。
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流し読みにはちょうどいいくらい。最後の章で著者の波乱万丈の人生のくだりがちょっと印象に残る。が、星3つ!
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聴衆も緊張している
自分の話など「期待されていない」と開き直ると、自然と肩の力が抜ける。その分、意識を「いかにして伝えるか」に集中できる。
本題に入る前の「まくら」には日常風景を切り取ったような身近な話が良い。
スピーチ・ネゴシエーションでは、自分の「口」からどんな言葉を出すかではなく、相手の「頭の中」に何を残すかを優先して考えることが大事。
「相手は自分の言い分に対してどんな考えを持っているのか」
「相手は自分の話にどれくらい関心があるのか」
「相手は自分の話そうとしているテーマについて、どの程度の知識があるのか」
テーマは二つ以内に絞る
スピーチの基本
(1)カタカナ外来語を使わないこと
(2)専門用語や難しい言い回しを使わないこと
(3)ウウとかエエとか言わないこと
スピーチでの目の置き場は、見る場所を三か所程度決めておく。前の列の中央、真ん中あたりの左のほう、後ろの列の右のほうという具合。その三点で順番にゆっくり回していく。
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この本で、スピーチの奥義の一つに『手作りの言葉(自分の言葉)で語れ』というのが出てきます。
この手作り感は非常に大事であり、書籍というか特にハウツー本にも当てはまると思う。
今年の自己啓発テーマの一つがプレゼン能力アップなので、話し方、プレゼン、スピーチの本を読みあさっているのだが、そのほとんどが浮いた内容で、プレゼンの基本というか鉄則が羅列してあるだけである。鉄則だけ読んで実践できれば誰も苦労しない。
しかし、この本は著者自身の経験の中で重要と感じたことを書いてある。またアメリカ流のプレゼンテーションスキルと日本人の対する問題点にまで言及されている。そのため、納得感があり、何をどう変えて行けば良いのかというヒントが得られる。
プレゼンの基本を踏まえた上で、2冊目に読むには最適な本だと思う。
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スピーチで人の心をつかむコツが満載の本です。聞く人のことを考えた話し方を学べます。相手が求めていることは何なのか。それを考えることが、スピーチが上手くなるコツだと分かります。
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ご高齢のはずなのに、とてもわかりやすい、読みやすい日本語で書かれている。
とても著者に会いたくなるような一冊。新書では珍しいのではないだろうか。
タイトルで躊躇せずに手にとってみてほしい。(私はタイトルに惹かれたクチなのですが)読み終わったあと、清涼感と少しの寂寥感に包まれる。
伝えたいコトが何か、大切なことは何か、何に目を向けるべきかがクリアになる一冊。
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ジョブズのスピーチの訳は良かったけど、
オリジナルの内容では、著者が高齢になって離婚、再婚したエピソードが一番残るくらいだったので推して知るべし。
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スピーチのコツ的な内容を期待して購入したが、内容はスピーチだけに留まらず…日米間の習慣の違いや、政治、人脈、夫婦関係と多岐にわたってかかれている。期待以上の良書。
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国際経験が豊富な著者が良いスピーチ、そうでは無いスピーチのポイントや、スピーチが上手い人はどの様な事を意識しているかなど、直接本人から聞いた話を含めて解説している。
中でも大切な事は自分に言葉で話すこと。
当たり前だが、前提として自分が内容を理解している事が必要なので、ハードルは高い。
また、言ったとしても相手が理解して伝わらないと意味が無いので、そこを意識した話し方を心がけて行きたいと感じた。
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スピーチのノウハウ的なものというよりも、本当の意味でのコミュニケーションとは何か、真の意味でコミュニケーション能力を身に付けるとはどういうことなのかを考える機会となった。「結局、よいスピーチができるかは、人物が大事」。
1章 最初の一分が勝負;2章 相手の頭に何を残すか;3章 聴衆の心をわしづかみにするコツ;4章 “霞ヶ関流”スピーチを反面教師に;5章 言葉が豊かな人と人脈をつくる;6章 英語力を磨いて未来を切り開け!;終章 男と女のネゴシエーション
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スピーチのうまい人=仕事が出来る、ように見えるので、私もこの本を参考に練習してスピーチがうまくなりたいです。
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前半はスピーチに対するマインド、テクニック
後半はスピーチを通して必要な基礎力(人脈や英語力等)
これらを経験が沢山ある著者の面白い話を通して学ぶことができた