商品説明
やり手ではあるが、依頼人に高額報酬を要求する“悪徳弁護士”として名高い御子柴礼司。彼には殺人という少年犯罪の過去があった。御子柴は、夫殺しの容疑で、懲役十六年の判決を受けた主婦の事件に興味を抱き、高裁の審理から弁護人となる。東京地検次席検事の岬恭平は、以前担当した裁判で惨敗した経験から、弁護人が御子柴に代わったと聞き、衝撃を受ける。御子柴は、なぜ亜季子の弁護を希望したのか? そして第二審の行方は?
目次
- 第一章 弁護人の策謀
- 第二章 訴追人の懐疑
- 第三章 守護人の懊悩
- 第四章 罪人の韜晦
著者紹介
中山七里 (著)
- 略歴
- 1961年岐阜県生まれ。「さよならドビュッシー」で「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し2010年にデビュー。ほかの著書に「いつまでもショパン」「七色の毒」など。
関連キーワード
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
小分け商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この商品の他ラインナップ
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
一分の隙もなく仕上がっている作品
2015/09/16 18:34
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:紗螺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
これはすごい。丁々発止の法廷でのやりとりがたっぷりあるという意味でもおもしろかったが、結末に息をのむという意味でもすごかった。途中から、御子柴が弁護している女性は犯人ではなく、本当の犯人はこうだろうと予測していたが、まさかそこにこんな背景があったなんて、と驚く流れ。詳しくは書かないが、それには御子柴自身の問題が深く関係している。序盤で提示された疑問や違和感。それが、ハラハラした展開の後、最後に一気に溶けるのだ。
事件そのものも、結末も、いささか胃もたれを感じる重いものだ。けれど、そうでないと話がまとまらないのだと思う。ネタバレをしないでおこうと思うとコメントがしづらくなるほどすべてが絡み合っている。