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データサンプル数に問題があることは著者たち自身も告白しているが、そのデータを用いてどのように考えるかには非常に参考になった。
エラーを見つけるための統計、のような考え方は評価したい。
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本書は興味本位で(半ばネタとして笑)買ったのですが、あまり馴染みの無いテーマだったこともあり、新鮮でした。
統計学と経済学の手法を使って、所謂フーゾク産業を分析しているのですが、読むと日本の問題が見えてきます。
「『売春相場の地域差』は、印象だけのものではない。価格の平均値・最頻値に加え、『経済状態』を表す変数として、完全失業率、有効求人倍率を用いて回帰分析も行ったのだが、いずれの場合でも『経済状態が悪い地域では売春価格は安い』という結果が得られた。そう、『売春は経済問題』なのである。」(p.81)
そういうお店を利用して、極端に値段が低かったら、その地域は経済状態が悪い、景気が悪い、ということなんですね。
まあ、行きませんけどね。
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統計学を用いて社会を評論するライトな社会評論と言ったところ。統計に関する著書も複数ある飯田が関わっていることから調査・分析のデザインはなかなか。ただ本書で着目すべきなのは「幸福な若者」及び生活保護に関する分析だろう。いずれも誤解や偏見の多い分野に対して、どのような条件から、いかなる認識が形成されるかを統計学的に分析しているのは見物だ。このような、「若者」などを世代論によって勝手に規定するのではなく、その形成要因を仔細に明らかにしていく研究・言説が増えることを望みたい。
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ロジスティック回帰分析やフェルミ推定を使って、大真面目に夜の風俗業界を分析しているのが面白い。ファクトデータが「MAN-ZOKU」ネットだというのが笑える・・経済水準で調整してもやっぱり、ススキノと中州は割安。大阪市内もやや割安らしい。。
・風俗嬢は三十万人前後、市場規模は3.6兆円。
・ロジステッィク回帰分析で分析した結果、大学の偏差値が1上がることに処女である可能性は「4.2%」上昇するが、東大女子はマイナス96%ということで、東大女子はもてまくっている。在学中は最強!でも、卒業すると彼氏をみつけるのが大幅に難しくなる(と思われる。)ので、在学中に東大彼氏と付き合って結婚するのが勝ちパターンということでした。
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夜の世界やその他もろもろについて、とにもかくにもデータを集めてから考えるという方針で書かれた本。
内容は、夜の経済学というより夜の統計学。
統計のテクニカルさを見せてある程度信頼性高いよねって言ってるのが実情かなと感じた。
でも、知りたいのって、中途半端な仮説の上で統計使って算出した数字じゃなくて、フィールドワークで獲た生データなんだよね。
著者の言ってる通り、そこら辺のデータって集めるの大変。
それを加工してしまって台無しにしてる感がある(もっとも、別の著書では生データを既に載せてるのかもしれませんが)。
そして、地味に計算ミスとかある。
とりあえず、タイトル買いして期待はずれな一冊。
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HONZ紹介本
けっこうマニアックなテーマで構成されているので、面白そうだと思ったので購入したけど、踏み込みが足りないかなというのが正直な感想。
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本自体が夜(フーゾク)の、というか貧困についてって気がする。フーゾク系だけじょなくて大学生の偏差値ごとの幸福度やら体育会系の部活の関係とか面白かった。教育って本当に大切なんだと思った。
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とても真面目に「数字を扱って考えるとは」を考察している一冊。
テーマが風俗とか売春とか一般的にデータがないものだからこそ
思考力で補って考察することに意味がある、
というのがとても良く分かる。
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個人的に、「数字では分からないこともある、それは数字で分かることを把握した上で、そこから漏れるものもちゃんと考察しようってことですよね」という趣旨の文章が我が意を得たりという感じで嬉しかった。まさに。
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統計を使っての風俗や買春分析をしていくのだけど、統計の限界や分析思考の限界に対する葛藤が端々に見られて面白かった。
中で紹介されてる高学歴になるほど童貞・処女率が上がるってデータも面白かった。
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よくぞここまで調べた。また、東スポを過去20年さかのぼって登場の多い源氏名を調べるなど、役に立たないと思われる情報も、本当に時間と手間をかけて調べた。この点だけでも敬意を表す。アンケート調査データの分析方法だけでも経済学の手法がわかり、勉強になった。
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多くのメディアでは語られない、もし語られたとしても根拠の乏しい、夜の経済について、生真面目にデータを用いて分析している本。
こういうサブカルチックな本は面白い。ただ、こういう本はよく、筆者の主観が多分にはいってしまうものだと思うが、この本はかなりの調査量に基づいたデータをもとに議論が進むので、現実味があり、とてもおもしろかった。
正直、ブックカバーをつけて読むべきだったかなぁと今さらながら思っている所存である。
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この手の本としてはかなりのヒット。
本文にも書いてあるとおり Inspired by 「ヤバい経済学」で、公式統計がない風俗などの分野について、なんとかして統計データを作った上でクロス統計で分析を行う、というのを読みやすくまとめてある。人々はなんで風俗産業で働いているのか、とかね。
「ヤバい経済学」を読んだ時と、知的興奮という意味ではやっぱり非常に近いんだけど、出てくる分析がフィールドが日本だけあって、特に階層社会の現状については全く他人事ではない頭が痛い分析がバンバン飛び交うので、読後感はちょっと重い。「ヤバい経済学」も重い話題は多いんだけど、やっぱりアメリカの話題だから微妙な対岸の火事的な感覚で読めちゃうしね。特に風俗とワリキリでの参加者の階層や意識の違いのくだりは、現代日本社会の参加者なら誰でもかなりグサッと来るんじゃないか。
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いわばヤバい経済学の日本版。統計的手法を駆使して社会現象をあぶり出していく。
タイトルが「夜の経済学」と言うだけあって、下半身よりの話題から分析が始まる。例えば、風俗嬢の割合を可能な限りの情報を駆使しながら執拗に推定していく(20人に一人が風俗嬢の経験を持つという結論は、肌感覚的には少し控えめにも思えるが)。そのほか大学偏差値別の童貞/処女率とか、まあ下世話な話に事欠かない。
ただ、これはあくまで導入。話題が地域別の風俗価格の分析に入ったあたりから、性風俗産業というのが様々な格差を如実に表すものであることが明らかになる。そこからさらに、生活保護や流言飛語といった社会問題にまで踏み込んでいく。下世話な話はここに至るための誘導であり、本来的な目的は、データから冷静な分析・議論をしていこうという真っ当なもの。そうして集められたデータからは、例えば高所得者ほど生活保護に対する寛容度が低い、多くの日本人が外国人の犯罪率を実際より平均的に20倍も過大に評価しているなど、考えさせられる実態が炙り出される。もちろんアカデミックな分析ではないものの、こうした形で巷間印象だけで語られがちな現象に光を当てることは意義のあることだと思う。
まあ、最後の最後で、アダルトメディアの分析をして、ふたたび下世話な下半身に戻って話をしめていて、このあたりはやはりSPA!の企画なんだな、という妙な納得感がある。
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射精産業の実態を統計的な手法で分析した本。
学歴と性体験などに関する内容も一部の章で扱っている。
なにか「やらしい」ことで、面白い内容があるかといえば、特にない。
また、学術的な意味合いで、新しい発見、切り口があるかといえば、それもない。
春をひさぐ女性の窮状が散見され、それに心ふさぐぐらい以外のなにも感じられなかった。
少々残念。
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稼働店舗と1店舗あたりの在席女性の数から、日本全国の
風俗嬢の人数を30万人と推測。
風俗嬢の平均月収は49万円、首都圏と地方のワリキリの
平均金額の違いなど、まあ、風俗関連の数字について
よくぞここまで仮説を立てたと、好きな人には面白い夜の経済学。
ただ、ただのエロ経済の話ではなく、光ったのが後半部分の
貧困・生活保護に関わる考察。
それなりの所得を得ている人たちは、生活保護を受けている
人たちに対して厳しい評価を下している、これはすなわち
”貧困を想像できていない”という指摘。数字が物語っているだけに
間違いなく事実。
(別のことでも触れて、著者は”自分にやや厳しく、他人には
超厳しい”傾向と表現しています)
そして、この結果が今の日本を覆っている、息苦しさにもなっているの
ではないでしょうかね。