紙の本
こんな物語があったとは
2014/02/26 22:55
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投稿者:ふとっちょパパ - この投稿者のレビュー一覧を見る
獺祭は最近知るようになったのだが、こんな物語があったとは知らなかった。
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日本酒が好きなので、奥トレで交換してもらったこの本も一気に読ませてもらいました。獺祭が生まれるまでにこんな苦労や工夫やあったんだって読みながら、それでも諦めずに結果につなげてきた著者の努力に敬意を覚えました。そして、何度も酒蔵見学している小澤酒造や酒蔵で働く友人の仕事を垣間見ることができて、さらに日本酒に愛着を持った一冊でした。最後の一節、「逆境をはねのけるのは、私たちにとって慣れた戦い」と自分も言えるよう頑張っていきたいと思いました。
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2014年74冊目。
地元山口県の中でも見向きもされず、完全な負け組だった酒造が、東京を始め海外へも積極的に打って出ることで、世界20ヶ国に愛されるまでになる物語。
勝因は、作り手たちの理想の酒をとことん追求し、マーケットの要望に迎合しない強烈な「プロダクト・アウト」の手法にこだわったことだと感じる。
変化せざるを得ない状況から始まった改革の成功例だと思うが、これからの時代は変化に迫られる前に先取りして自らを変えていかなければならなくなる気がする。
【メモ】
■「変えるべきでない伝統」と「大事なものを守り抜くための変化」
■「話題性」「物語性」「非日常性」だけで売らず、質にこだわる
■現実的な資金繰りにとらわれず、夢と将来計画を先行させる
■「費用対効果」=「この程度でいいんだ」はダメ
■細部にこだわりすぎて、本質的なところを見失わぬよう
■先代と同じことをやれば、先代のほうが絶対うまい
■保護がないからこそ頑張れることもある
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獺祭がどのようにして日本を代表する日本酒になったかの回顧録。
品質にこだわりを持ち、そこを譲らないこと。
人と違うことをやる事。
それ以外はなんでもオッケー
下二つが他の酒蔵にない事なんでしょうね。
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獺祭の社長によるここまで来たぞという自叙伝的な本。個人的には同郷として応援しているんだけど、一方でワインと同列視されるところまで日本酒を引き上げた原動力が知りたかった。その答えは、逆境と挫折の積み重ねの中で見えた、本質への集中に他ならない。地ビールなどにも手を出し倒産寸前。杜氏にも逃げられ、美味しい酒を作るのに自分と4人の素人しかいなくなったところで、山田錦を自ら作っていくところから始めた。注ぎこぼしを何が男らしいだ!と断罪して、ワイングラスで提供する。こうした型破りを進めるには、背水の陣で向かっていくことしか無い。「頑張らないが、あきらめない」という信条にもあるとおり、辛抱強くやってきたのだろう。
獺祭バー、パリへの進出など、マーケットへの真摯な目も印象的だ。酒の善し悪しが分かっていない等のよけいなバイアスを抜いて、純粋にマーケットのあるところ(東京、NY)、マーケットの肝になるところ(パリ)に資本を集中する。こうした才覚は、生まれ持ったものではないはずだ。目の前の真実から逃げない、まっすぐに立ち向かう。それが最高の財なのかもしれないなと思った。
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日本酒=杜氏というのは当たり前なイメージだが、本書で語られる「獺祭」においては、その常識が覆される。
それは革命的なことではないだろうか。
古くからの伝統である杜氏を廃し、徹底的に管理された体制で一般の社員たちが日本酒を作る。
タイトルの通り逆境に立たされたからこそ生まれた独自の、そして必死な発想が新たな日本酒作りに結びついたのだろう。
こういった類の本にありがちな、自慢や感謝なんかも少々あるけれど、そこには目を瞑ることにした。
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回送先:品川区立五反田図書館(MG02)
獺祭を醸造する旭酒造社長の過去のインタビューなどを下地に編纂した経営倫理書である。はた目と版元の第一印象からいわゆる「ビジネス本」・「経営哲学書」のそれでしかないような印象を受けるのだがあくまでも倫理である。
いわゆる「ビジネス本」と明確に区別されるポイントとして、「自分の成功体験(あるいは失敗体験)」をひけらかすことを厳しく戒めるその姿勢にある。「経営としてどうか」ということが重視されやすいビジネス関連書籍業界にあって、そうしたまなざしに一線を画き、経営倫理に重点を置く姿勢はそれだけで評者にとっては好印象を抱く内容になっているのである。
桜井の人となりについては、若輩者である評者がかくいうべきではないだろう。しかしそれでも、彼のビジネスと醸造(そして、飲酒行為にいたるまで)に関わるあくなきポリシーの高さについては、評価すべきポイントではないのかと一考する。
個人的には「獺祭」とは不思議な縁で結ばれ、今に至るのだが、その縁を取り持ってくれた女性も含め、獺祭を愛す人に共通するのは「情熱なきポリシー(倫理)は熱狂となること」を十二分にわきまえた人間が多いという特徴である(ただし苦言を言えば、最近の参入者にその傾向が薄れているようで、この部分に関しては不安材料である。誰とは言わないが)。獺祭のロマンチックなキャッチコピー「酔うための 売るための 酒ではなく 味わうための酒を求めて」もまた、この倫理と経営をリンクさせるひとつの原動力になっているとも言えよう。
桜井は言う「酒造りは人生に類似する」と。水・米・酵母・育てる担当者・そして出来上がったものを愛する全ての人の協働によって成り立つ世界はまさに人一人の人生そのものの関係性に極めて似ていると一読の後に思うことなのである。
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山口県の地酒獺祭をつくっている旭酒造の社長さんの本。思いがけず跡をついでから、小さな酒造が今のように多くの人に知られる地酒を作るようになっていったかが書かれている。その業界で常識と思われていることにとらわれず、自ら道を切り開いていく強さ。その根底にあるお客様にああ美味しいといってもらえるおさけづくりというシンプルで強い信念が感じ取れます。伝統を大事にしつつもこだわらない。そのいい意味での割りきり、自由さと人のつながりを大事にすることで作られている。また呑みたいなぁ。
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日本酒業界に彗星のごとく登場した獺祭。
しかし、彗星のごとく登場したのには、様々なストーリーと旭酒造の並ならぬ努力があった。
経営という観点でも学ぶべきところは多いし、米の生産における国の施策と問題点、TPPにおける思いなども参考になる。
そして、なにより、杜氏や蔵人のいない数値管理した製造工程にかなりインスパイアされた。
かなり面白い書籍だった。
日本酒の国内での軽視、ワインと同等のブランディング戦略なども興味深い。
メモ
こだわったのは、社内(特に製造部門)の熱意をいかに維持できるか、という点でした。
〜中略〜
ビール製造は、すでに技術的に解明されている点が多く、原価低減や品質の安定など以外に、技術を工夫して品質を高めていくという目標を設定しにくい面があります。それだけに、彼らを「数年経ったら儲かるから」という希望的観測による動機付けだけで、目標も挑戦もない事業についてこさせることはできません。
■目次
はじめに
第1章「負け組」の悲哀を忘れない
第2章 大失敗から学ぶ
第3章 捨てる勇気を持つ
第4章 「できること」と「やるべきこと」をはき違えない
第5章 常識や慣習にとらわれない
第6章 伝統が持つ奥深さを侮らない
第7章 発信しなければ伝わらない
第8章 打席に立ったからには、思い切りバットを振る
おわりに
資料/日本酒ができるまで
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会社の中で特定の仕事は
多かれ少なかれ特定の社員個人に依存するもの。
その人にしか出来ないという仕事が増えれば増えるほど
会社は融通が利かなくなり、仕事の幅も広がりません。
本日ご紹介する本は、
酒造りという伝統産業にあって
型破りな経営改革により
逆境状態からグローバル展開を果たした
旭酒造さんについてまとめた1冊。
ポイントは
「決まった仕事をこなす」
日本酒作りには、 杜氏(とうじ)という、
日本酒の醸造工程を行う職人が必要です。
しかし、この職人の数が少なかったり、
職人の頑固さで融通が利かず
酒作りにはどうしても、限界があるそうです。
そこで、旭酒造さんは、杜氏を雇うのをやめ、
社員だけで酒造りを行います。
そのために、成分分析を行い
数値管理を徹底し、遠心分離機などの設備投資を行い
素人の社員でも、きめられた通りに作業を行えば
すばらしい日本酒が季節を問わず、たくさんできるようになりました。
「獺祭」(だっさい)という海外でも人気のある
有名な日本酒です。
本書中には、さまざまなエピソードや工夫が
たくさん記載されていますが、
根底には”お酒作りが好き”で、
もっと多くの人に日本酒を広めたい
という意思が強く感じられました。
ぜひ、読んでみてください。
◆本から得た気づき◆
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徹底的においしい酒を造ろう、と言う挑戦
価格に見合った満足を提供できなければ、お客様はおいしいと感じない
酒造の一番の問題は杜氏たちの高齢化と蔵人確保の難しさ
すべての商品を素人の手によってでも、厳密に管理したいという目標から出発
設備投資がない酒蔵は成り立たない。将来性がありません。
精神力でがんばるのはよくない
若い人を育てるために肝心なのは、会社を大きくすること
酒蔵が永続するためには、常に変化することが大事
美味しかったから次も買っていただくかたちで酒を売っていく
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◆目次◆
第1章「負け組」の悲哀を忘れない
第2章 大失敗から学ぶ
第3章 捨てる勇気を持つ
第4章 「できること」と「やるべきこと」をはき違えない
第5章 常識や慣習にとらわれない
第6章 伝統が持つ奥深さを侮らない
第7章 発信しなければ伝わらない
第8章 打席に立ったからには、思い切りバットを振る
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獺祭はうまい。
日本酒通ではないが、飲みに行くと置いてるかチェックしてしまう。
八海山や久保田が好きでしたが、飲みやすいので非常に気に入っています。(今も獺祭しか飲まないと言うわけではない)
タイトルの通り読めば読むだけご苦労されたというこちがわかります。
古くから続く業態、業界でそれを変革するのは難しいと思います。
が、それをやるんだと強く思う人がいれば、絶対に出来ないとは言えない。諦めたらそれで終わりだし。
日本の文化を世界に知ってもらう、日本酒を美味しいと思ってもらうために。
目的が明確になっているから素晴らしいのかな。
自分自身が祖父の代から続く事業をかじりもせずに放棄してしまった。業界的に厳しいから気にしなくてよいと言われたのだけど、親は寂しかったかもしれない。
今更ではありますが、それも自分が選んだ道。そこできちんとやれること、やりたいことを諦めずにやりきることが親孝行かと思い、頑張っていこうと思う。
磨きが味を変えるなんてことを知ったのも、このお酒のおかげ。世知辛い世の中だけど日本を応援したい気持ちって大事だ。
これからももっと美味しいと思えるものに出会えることを楽しみにしています。
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(「普通」はすなわち「負け」とは?)……私が社長になったころの旭酒造にとって、酒蔵商売の”正攻法”とは、一生懸命に酒屋さんを回って人間関係を築き、酒を売ってもらうことにありました、それが、一般的な酒蔵のスタイルだったのです。酒蔵といえども企業です、企業である限り社会に貢献しなければ存続する価値はない。「徹底的に『美味しい酒』を造ろう」それは、挑戦という名の、さらなる困難に足を踏み入れた瞬間でした。
(追いこまれてこそ?)……「自分で造ろう。そうすれば、今まで杜氏に遠慮して安易に流れていた酒造りも、したいようにできる。挑戦できる!」経営に集まって来るお客様の声を、そのまま酒造りに反映できる、妥協のない酒造りに挑戦できるようになるのです。
(経験と勘は数値化?)……従来の杜氏の経験と勘に任せた製法だと、人の手によるため案外いい加減な調整になります。
(がんばらない仕組みって?)……組織は回り続ける性質を持っているので、小さなミスに気がついても、それを隠ぺいし、組織を維持しようとする力学が働くからです。とにかく、ミスは絶対起こさない! といきがるのではなく、人間は必ずミスを起こすという前提で、それを早く発見して速やかに対応できる仕組みづくりを、課題として感じています。「眦を決してがんばる、なんてかんがえなくていいから。シラーッと決まった仕事を毎日こなしていけばいいから」そう社員にもよく話しています、それでよい酒ができる設備と技術を追求する環境を準備するのが、社長である自分の責務だと思うのです。
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私が最も好きな日本酒「獺祭」を製造する旭酒造の社長の社長就任から現在に至るまでを記した一冊です。
桜井社長の人柄、獺祭への想い、酒造りへのこだわりが伝わってくる良書です。
経営書としても非常に学びになる部分が多く、経営者の本領は逆境でこそ試されるということがとても理解できます。
私はたまたま獺祭を飲み、あまりの美味しさにファンになったため、日本酒については全く詳しくないのですが、「日本酒というのは、日本民族の歴史と文化から必然的にでき上がったもの」と知り、日本酒自体への関心も高まりました。
「エヴァンゲリオン新劇場版:序」にも登場していたことには驚きました。ますます獺祭のファンになりましたし、これからの海外での闘いを応援していきたいと思います。
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獺祭が好きで読んでみた。カンブリア宮殿で観た時に概要は知っていたが、どん底ぶりは大変だったんだなとしみじみ思う。そこからの立ち上がりは少し面白味に欠けるかもしれない。本当はあるだろうドキドキさがあまり感じられなかったので残念。
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日本酒の有名銘柄「獺祭」を作り上げた経営者桜井さんの本。何故純米大吟醸にターゲットを絞ったか、四季醸造を始めたか。極めて合理的に、かつ現実見据えながら行ったんだな、と思える。
厳しい経営状況の中での生き残り&成長戦略のヒントになる一冊。