紙の本
ここから抜け出すために
2021/08/05 22:47
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
セクハラや男尊女卑など、女性たちの生きづらさを見事に代弁していました。鬱屈とした想いを抱えていた彼女たちの、ラストの解放感が格別です。
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面白かった、展開も長さもよく一気に世界に入れたし、一作目『ここは退屈迎えにきて』同様に登場人物や町への視線がわかる気もするし愛憎というかきちんと受け入れているようなのに皮肉も感じられる。
浅野いにお『おやすみプンプン』最終巻を読み終えてからだったから余計に感じられるのは同時代を生きてきた人たちの表現なんだろうなって思えた。
すげえわかるし好きなんだけど嫌いでもあるんだよ!という自分の自意識を見せつけられているような歯痒さと納得が入り混ざる。
『イグジット〜』をグラフィティアートのネタにしたのでもしかしたらと思ってたら少女軍団のやつもやっぱりかというぐらいに単館系映画に思春期にハマったまま三十過ぎた人(こういう人はたいてい田舎から一度は出ているはず)には「おいw」とは思うのだが支持者もたくさんいるはずだ。同世代の書店員さんがプッシュするだろうなあ、一作目同様に。
で、どっかのサイトか出版社で山内マリコ×浅野いにお対談してくれないかな?
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自分の知ってるカルチャーが沢山出てきて、これも時代小説かなぁと。バンクシー、ケイティ・ペリー、2ch、踊ってみた、LINE、Twitter、Facebook。
あと5年後にはまったく共感できなかったりしてね。
そういえばこの人の話には車がよく出てくる。確かに車の運転って精神安定だと思う。馬鹿な女の子が守れるのは交通ルールくらいだもん。
微妙さ、危うさ、気まずさが滲み出てきてつらい。そこが面白いんだけど。
話はふわっとしてふわっと終わった。途中すごくミステリぽくなるけど、そこまでどんでん返しじゃない。
文体と展開に舞城王太郎に影響を受けてるのではと思ってしまう。
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ライトに聞こえるかもしれないけど、女の子に送る物語だなぁと思った。
春子の日常はいく末を暗示してるみたいで怖いし、だけど、私は私でいまと向き合わなくちゃいけないし、どうしようもないことが溢れているけど、どうにかするのは結局自分なのよと思い知らされた。
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すごく面白かった!軽い文体が読み易く短時間で読めた。私も舞台と同じような寂れた地方出身で東京住みなので、共感できる所が多々あった。今井さんのようなタフで頼れる女友達、素敵。ラストは爽快!読み終わった後に表紙を見ると、全然違うイメージに変わってしまったのも良かった。
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山内さんの作品は初めて読みました。
地方都市に住む若者たちの怠惰で退屈な感じと
何かを成し遂げたいという自己顕示欲。
愛菜とユキオと学という繋がりの薄かった同級生3人が
同窓会とFacebookをきっかけにつながる。
LINEとかも出てくるしとにかくリアルで現在進行形な感じがします。
そして行方不明になっているアズミハルコのグラフィックアートを市内の各所にしていくようになる。
リアルにあるものを織り混ぜながらも
ちょっとファンタジーのような部分もある。
女子高生の少女ギャング団のくだりとか、ラストにかけても
かなり不思議で、現実なのか空想なのか曖昧。
愛菜とアズミハルコの意外なつながりもびっくり。
それから
第3部の愛菜のモノローグがとてもよかったです◎
独特の世界観だけど、引き込まれて読めました。
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田舎に生まれ、地元の学校を卒業し、地元で就職したりしなかったり、地元の友だちとつるんだり、地元の誰かとくっついたり離れたり…
そんな変化のない、絵にかいたような退屈な毎日の中でかったるく生きているアズミハルコが、きっとたくさんいるんだろうな。このままでは嫌だと思いながらも、自分から動こうとはせず、誰かが何か面白いことを運んできてくれるのをただ待っているだけの毎日に窒息しそうになりながら。
けど、そんなコピペしたような毎日の中から抜け出そうともがくだけ、オンナの方がたくましいのかも。
オトコが作った薄っぺらな大地を、仁王立ちになって大声で笑え!そして全力で走り出せ!倦んでる暇なんて私たちにはないんだよ!
そんなエールが聴こえる一冊。
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―――あの日々は、なんだったんだろう。
あの人は、誰だったんだろう。―――
何かできるかもしれない、と何もしないで夢見て。
もがき苦しむところまで頑張らないけど、なんとなく見つけてなんとなく興奮している。
その興奮もまた、長続きはしないのだけど。
こんなに曖昧模糊でいいのかと不安になるお話だった。
現代劇なのだけどどこか現実味が足りなくて、若さゆえの過ちというにはたまに度を越してて。
LINEとかFacebookとかいまどきのアイテムもたくさん出てきて、でも何か足りないと感じるのは、ある意味でこの時代を象徴しているのかも。
安曇春子という行方不明者をアートにしてしまう過程と、つるむ男たちの希薄な関係性と、安曇春子自身のOL体験など面白い部分もあったのだけど、わたしは前作のほうが好きでした。
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たまむすびで小田嶋隆さんが紹介していたので読んでみました。結果はあっという間、2時間もかからず読み終わってしまった。久々に没入できました。
帯には、人探しをうたっているのだけど、実は全然そんなことはなかった。むしろ探すというより、見つけられるというほうが・・。
地方都市を舞台にしているのだけど、私が思い起こしたのは「ペルソナ4」。あの楽しいんだけど、どこかダークな感じ、登場人物もうすうす感じてるんだけど目を背けたり逃げたりと生きるのはなかなか大変だ。
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今の人間関係をよく表している。
繋がっていないと不安とか…でも踏み込まれるのは面倒だとか。
私は嫌だな…やっぱり面倒な人間関係を好む!
「もう賞味期限が切れている人間関係にしがみつこうとしている自分がみっともなくて嫌だった」心に残る一文
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デビュー作、ここは退屈迎えに来てが
とても面白かったので、楽しみに読みました。
心に残るフレーズが多い、相性のいい作家さんだなぁと思うし、
人間関係のあるあるも面白い。
けど前作にくらべて、説明に使う文字数が多くて所々退屈してしまいました。
デビュー作ほどのインパクトやエネルギーが足りないと思ってしまいました。次回作に期待です。
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今時も若者はこんなに静かに暮らしてるのだろうか。
あまりお金のない若者でのレス・ザン・ゼロだったらこうなるのだろうか。
(レス・ザン・ゼロ観たこと無いけど)
とても寂しく、物悲しさすら漂うくらしの若者たち。
でもよく考えたら自分もそうだった気がする。
四半世紀前の若者は、もっと景気良くお金をつかってはいたが
心中はこの小説で描かれるより貧しかった気がする。
貧しかった自分に気づけないほど貧しかった。
この小説に登場する若者は、今の息苦しさにうすうす気付いてなおもがく。
もがいてるつもりはなくても、居心地が良くなりはしないかと目配せくらいする。
ただ、状況が悪く、お金もあまりない。
昔の若者のとても馬鹿だけど金がそこそこあって、物欲に長けてるのと
どっちが不幸だろう。
失いかけている「何か」を感じてどうにかしようとする若者は
辛いだろうけれど、よく見えているし、幸せに近いところにいる。
女の子が元気で救われる。
女の子があまりに救われないと、見てられない。
とはいっても劇中の男連中のダメさ加減も大概だ。
しかしこのダメさも生き抜くための最低限の強かさの発露だろう。
もっとダメな人だと酷く引きこもるだろう。
やりがいを求めたり、昔の恋を引きずるなんて
まだ生の力が残っている。
残っている力であの通りというのが切ないのだけれど、まあしかたない。
恋愛体質の男の子は一人くらいしか居なかったようだけど
男の恋愛体質は多くないのだろうか。
昔は男女両方、だいたい恋愛体質だったように思っている。
そうでなかったとしても性欲か世間体で、ほぼ同じ動きをしていた印象だ。
今の子は、自分も他人も今もそれなりに見えてしまってるんだろうね。
そこはかとない諦観の物語。
このままでは終わりたくない。
終わりたくない物語。
昔とは様変わりした茫漠とした未来が
昔よりも、夜は冷たく昼は灼熱の、茫漠たる日々が押し寄せる。
終わらないロストジェネレーション。
踵を返すきっかけはまだ見つからない。
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地方都市に暮らす男女の話。初の長編書き下ろし。
単調な毎日。
鬱々と地元で暮らし、そこから抜け出す事もせず
狭い空間で、限られた仲間だけで繋がる。
その毎日から抜け出したい。
《アズミ・ハルコ》は抜け出せるのか。
山内マリコさんから女の子への応援小説。
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タイトルセンス抜群、期待度高く読み始めるとなんじゃこりゃ、って感じで。とにかくガッカリ。映画知識に頼りすぎ。ここは退屈迎えに来てはなかなかよかったのに、筆力上がってないどころか長編不向きなの露呈しちゃった感が残念。
一人称小説なはずなのに1章のなかでくるくる視点が変わるからとにかく読みづらい。伝えようとしてることがぶれ過ぎ。相変わらずの地方都市でなんにもなれず埋れている若者たちを描いているのだけど、中身があっちいったりこっちいったりで不安定。悪い意味で。
優雅な生活が最高の復讐、いいね。
イグジットスルーザキフトショップに興味を持ちました、それだけ。すっかすか。文字も中身も全部中途半端
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一息で読み切ったので、面白かったんだと思う。
ただ掴みどころが確信持てないというか、もう一度読んでみたいと思った。それで、どんな読後感が得られるかなといったところ。