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猫の手
著者 著:ロジャー・スカーレット , 訳:村上和久 , 監修:森英俊
年老いた、子のない大富豪の豪邸。彼の誕生日に集まった肉親たち。その夜起こる殺人事件。複雑な謎が絡みあう事件の手がかりはどこに?本格派ミステリの王道を行く傑作。※この商品は...
猫の手
猫の手 (Shinjusha mystery エラリー・クイーンのライヴァルたち)
商品説明
年老いた、子のない大富豪の豪邸。彼の誕生日に集まった肉親たち。その夜起こる殺人事件。複雑な謎が絡みあう事件の手がかりはどこに?本格派ミステリの王道を行く傑作。
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こういうの、大好きです
2002/04/02 19:18
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ピエロ - この投稿者のレビュー一覧を見る
大きな屋敷に住む老富豪。そこに集まってくる彼の財産を頼りに生活している甥・姪たち。誕生パーティーの席で告げられる財産相続に関係する重大発表。時を移さずにおきる殺人事件。名探偵登場、一見全員にアリバイがあるようにみえる屋敷に集まった人々の中から犯人を探し出す。と、よくありがちな、時代遅れで典型的な「館もの」なんですが、読んでいて、自分はつくづくこういう古臭いミステリが好きなんだなあと思いしりました。もうおもしろくておもしろくて。
事件がおこるのは、物語も半ばを過ぎてから。それまでは、この屋敷に集まった一族の、うわべでは平和で友好的に見えても、裏ではお互いに蔑みあって憎みあっている様子が執拗に書かれ、不安感を盛り上げていきます。探偵役が登場後は一気呵成、快刀乱麻を断つような推理で犯人を名指しするあたりは、とても興奮します。
探偵の謎解きがはじまってからはじめて出される重大な証拠という、一部アンフェアなところがありますが、それでも「館もの」の名作の部類に入る作品だと思います。
ロジャー・スカーレットというと『エンジェル家の殺人』だけの作家だと思っていたのですが、訳されていないだけで、こんなおもしろいのを書いていたんですね。