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  • カテゴリ:一般
  • 販売開始日: 2014/03/14
  • 出版社: 幻冬舎
  • レーベル: 幻冬舎新書
  • ISBN:978-4-344-98121-8

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日本の難点

著者 宮台真司 (著)

現代とは「社会の底が抜けた時代」である。相対主義の時代が終わり、すべての境界線があやふやで恣意的な時代となっている。そのデタラメさを自覚した上で、なぜ社会と現実へコミット...

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日本の難点

税込 836 7pt

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商品説明

現代とは「社会の底が抜けた時代」である。相対主義の時代が終わり、すべての境界線があやふやで恣意的な時代となっている。そのデタラメさを自覚した上で、なぜ社会と現実へコミットメント(深い関わり)していかなければならないのか。本書は、最先端の人文知の成果を総動員して、生きていくのに必要な「評価の物差し」を指し示すべく、「現状→背景→処方箋」の3段ステップで完全解説した「宮台版・日本の論点」である。

著者紹介

宮台真司 (著)

略歴
1959年宮城県生まれ。東京大学大学院博士課程修了(社会学博士)。社会学者、評論家。首都大学東京教授。著書に「14歳からの社会学」「〈世界〉はそもそもデタラメである」など。

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みんなのレビュー107件

みんなの評価3.8

評価内訳

紙の本

これ、誰に勧めるべき?

2009/05/06 14:07

22人中、15人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:佐伯洋一 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 本当に頭の悪い文章に相変わらず辟易する。前書評がまさに正鵠を射ていて、言っていること自体は簡単で分かりやすいはずだ。しかし、理由づけや前置きが途端に概念付けからスタートし、難解な議論にすり替えてしまう。頭の良い文章とは、難しいことは簡単に分かりやすく説明した文章のことで、それ以外あり得ない。次に良いのが難解なことを難解に説明する文章。最悪なのは、簡単なことを難解に説明する文章。本書は、最悪の文章に属する。こういうのが良いと思うのはただの権威主義である。
 難解さがそのままテーマで許されるのは哲学書の類である。たとえば術語集などは国語の現代文の勉強にもってこいと言われており、その通りだと思う。
 内容的には、日本をどうするかという部分は著者の考え方がよく出ている。重武装理論も理解できる。裁判員制度についても言っていること自体は理解できる。
 とはいえ、裁判員制度が民主主義にどう作用するかといえば、もちろんプラスに働く。しかし、多数派がすべてを決める民主主義において、司法だけは多数派の圧迫から逃れる少数者の最後の砦である。これが立憲主主義の根幹である。裁判員制度は、西部開拓民の歴史的産物にすぎない悪しき制度であり、日本の民主主義には決してよい影響をもたらさない。
 宮台ファンにとっては本書は優しい入門書に映るのだが、宮台ファンでもなんでもない者にとってはやはり読みづらいことは否めまい。「カギ概念」「超越的共同体」「モメント」・・どうしてこんな用語を使う必要があろうか。私も日々論文を精読しているが、馬鹿で無能な者の論文ほど難解で、法学の世界においてことにドイツやフランスの議論にすり替えて喜んでいる傾向が顕著に見られる。経済学においてもマルクス云々をいまだに議論の中心に据えているような輩もいる。
 本書の内容、おそらく主張、理由で簡潔に並べれば新聞の社説程度で済むのではないか。そういう意味では受験生が要約の練習をするにはいやみではなく本当にかなりいい素材である。同時に知識も得られる。ということで、小論文が必要な受験生にお勧めしたい。
 

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紙の本

丸山(眞男)や宮台が指摘する日本の難点とは?

2010/01/02 01:10

12人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:T.コージ - この投稿者のレビュー一覧を見る

宮台の根本にある問題意識は、コレだったのか…
…それは、実をいうと<関係妄想>のことなのだ。

 数行で一つの知見が込められ次のセンテンスとの関連は行間が飛んでるように感じる。柄谷行人のような観念的な行間の飛び方ではなく内容のシフトがあり展開が速すぎるために分かりにくくなっている。宮台の私塾用のテキストがベースのようなので仕方無いかもしれないが、もっと読み安くしてほしかったとはいえる。講義ならば豊富な話題と知見、スピーディーな展開で毎回面白く聞いてられるハズだ。
 内容的には宮台理論の全容が抽象から政策まで、哲学からポリティカルな面まで知ることができるので宮台の研究家?や論破したい人は読破してみるといい。個人的には「はじめに」の10頁分だけでそのポテンシャルが確認できたのが幸いだった。ある意味宮台理論の可能性とそしてはじめて限界(も)が把握できた気がしたからだ。
 丸山眞男が提起した日本の根源的な問題が「はじめに」で示されているが、それは宮台個人の実存の問題(そして多くの日本人の問題)でもあり、吉本隆明だけが理論化してきた問題でもある。その点だけにフォーカスしてみた。

●「日本人が浸されている特別な事情」
 ここでは、日本人が浸されている特別な事情についてだけ述べておきましょう。
 丸山眞男が述べた「作為の契機(人が作ったという自覚)の不在」がヒントです。(P9,10)

 宮台は本書のはじめに「日本人が浸されている特別な事情」を明らかにしている。それは丸山眞男が指摘したという「作為の契機(人が作ったという自覚)の不在」である。この指摘は宮台の認識の基礎となる重要なもので、『吉本隆明のDNA』で宮台が自ら語っている「不可避体験」と対?をなす認識(概念)なのだ。

 「作為の契機」とはカンタンにいえば<他人が(何か)した(する)コト>であり、他人を認識するときの前提でもある。誰でも、この他人の<したコト(するコト)>をとおして他人を認識している。逆にいえば、この<したコト(するコト)>以外をとおして他人を認識することは出来ない。(これは本来、関係のマテリアルであり、唯物論の論拠であるべきもので、マルクスでは生産諸関係等となる。広松哲学ならば他人の行為の物象化だ)

 <不可避体験>とは、この他人による<作為>への認識が亢進した状態を呼ぶ。自分が他人に何かされる(された)、他人が自分に何かする(した)という認識だ。そこには<ワザとやった>というニュアンスで他人の意志がでっち上げられている。他人の意志を無理やりにでも見出すところが病的であり、関係の本質の一端でもある。それが周囲との論理的な整合性がなくなった状態が精神病=関係妄想なのだ。ただし人間(生物)の特徴としてこの<関係の病>は捨象出来ない。正常な閾値の範囲内ではそれは<受動性>として発現する<愛>の受容態でもあるからだ。フロイトはこの受容態の歪みを精神分析の根源としたが、そこから遠隔化した様態と、そこに不可逆で不可換な位相があることを考察しなかった。これがフロイトの限界なのだ。

 宮台はフーコーがこれらの問題を先取りしていたことを示唆しているが、そのフーコーの限界も同じところにある。フーコーと吉本隆明の対談で、すでに自らの『言葉と物』などの方法論の限界を表明していたフーコーは吉本に対して次のように語っている。

  国家の成立に関しては、
  …
  どうにもわからない大きな愛というか
  意志みたいなものがあったとしか
  いいようがないのです。(『世界認識の方法』P48)

 このフーコーの言葉は半分当たっていて半分外れている。「どうにもわからない」というのはそのとおりなのだ。ラカンはこのどうにもわからないものを象徴界と呼んだ。だが、それは「大きな愛」でもないし「意志みたいなもの」でもない。
 「国家」という共同幻想を成立せしめているのは、<愛>から遠隔化する構造そのものであって、<愛>や<意志>の変形ではないし、必ずしもそこから生成するものでもないからだ。ただそこには何でも代入できるために愛も変態もファシズムも可能になるだけだ。そしてそれ基づく関係性はDVから資本主義までさまざまだ、ということに過ぎない。(この認識に立った言説が『ハイ・イメージ論』)

●<する><される>という関係
 ところで「作為の契機」や「不可避体験」で表出する(他人を認知するための具体的な条件である)<する><される>は主体と客体の関係の基礎であり、関係そのものだ。
 それは「主体と対象の<あいだ>」であり「<関係>それ自体」のことである。あの吉本理論で有名な<関係の絶対性>のことであり、宮台は吉本(理論)の特に『心的現象論序説』から影響されたことを認めている。

 統合失調症やうつ病をはじめとする心的現象の根源にある<不可避体験>という関係妄想は周囲の環界との整合性がある限りは常態(正常・健常?)の認識に過ぎない。<病的>や<異常>という定義の根拠は他者や環界との論理的整合の是非とその程度(水準)にしかないからだ。この論理的整合性が非整合に傾いていく過程は『異形の心的現象』『統合失調症―精神分裂病を解く』(森山公夫・ちくま新書)などに詳しい。

 ニューアカのポスモダ論議でさんざんドゥルーズ=ガタリ周辺を引用しスキゾ(分裂症)だなんだといわれながら、こういった主張や指摘はなかった。
 欧米家族の範囲内しかも欧米理論の枠組でしかない『ミル・プラトー』よりも吉沢明歩の『ポリネシアン・セックス』の方が<いきっぱなし(ミル・プラトーとはこの状態を表現した言葉)>という快楽と抑制がまともな象徴界を形成し、まともな人格を育んでいくリアルワールドを知ることができるのは当然だろう。そこには文字通りの<する>と<される>の関係だけだはなく、<待機>という静かなしかし強力な去勢があるからだ。ポテンシャルを育むということは去勢の中でも高度なものではないか? パフォーマティブな<割礼>ではなく、羊水のなかでの微睡みのような<育み>がそこにある。

 宮台が期待する利他的な存在というのは、確かにチェ・ゲバラのような人間だが、それはミル・プラトーとメタフォーされる<いきっぱなし>な状態を提供してくれたり保証してくれる存在でもあるだろう。ポリネシアンのルーツを持つ日本人には比較的に馴染みのあるものでもあるかもしれない。

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紙の本

「社会」を強化していくということ

2010/09/26 22:52

5人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くにたち蟄居日記 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 読後感は三点である。

 一点目。著者は「社会の強化」を主張していると読んだ。

 「社会」という言葉は案外難しい。「社会人」であるとか「社会に出る」という言葉を使っているが、その「社会」とは「仕事」や「会社」を意味しているのだろうか?著者は「社会学者」であるが「社会学」が「仕事」や「会社」を研究するものではないだろう。では僕らにとって社会とは何なのかというと、中々答えられない。おそらく、その「答えられない」ことが、僕らが社会というものを見失っていることを意味しているような気がする。僕らが見失っている「社会」を発見し、それを強化しない限り、国家の暴力から人間を救えないということが、著者の主張だと読んだ。



 二点目。著者の書き方には癖がある。特に、ご自身の経歴と体験を語る部分が幾分鼻に付く。

 勿論、著者が自分の考えを主張するに当たり、その考えが形成されてきた背景として、自分を語ることは悪いことではない。但し、幾分筆が滑っている部分もあるのではないか。他のレビュアーの方のコメントを見ても、同様の意見が散見された。
 繰り返すが、自分を正直に語る事で、著者は読者に対して、誠意を伝えることが出来る。読者として、読んでいる本の著者を信じるかどうかという点は、その読書自体に対して 大きい事も確かだ。その点で、著者は、若干損をしていると僕は思う。


 三点目。本書を読んでいて、社会学者というものが、積極的に時代に発言・提言出来るという点を再認識した。社会を解釈するだけではなく、現実の社会にきちんと参加しようとしている著者の姿勢は、本書から見て取れる。著者の提言の守備範囲(攻撃範囲というべきか)が広いので、理解出来ない部分も我ながら多かったが、同じ時代に生きる者として、色々と考えさせられた

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紙の本

ミヤダイ節全開

2009/05/04 23:09

15人中、14人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:前田良一 - この投稿者のレビュー一覧を見る

はっきり言って、難解きわまりない。主張は具体的で、明確。でも、その根拠になると、突然、聞いたこともないカタカナ学者の翻訳語(それも三文字以上、抽象度高)が二重、三重に使用される。それでも、直近のオバマ当選の背景やら、後期高齢者医療やら、秋葉原事件やら、環境問題やら、拾い読みできる部分は十分楽しめるから、お買い得かも。ただ、アメリカ論、日本論と比べると、幸福論、教育論はついていけないところが多かった。社会システム論にケチをつける気は毛頭ないのだけど、いいところで、宮台先生の体験的教育論(麻布高校自慢とか、高偏差値大学自慢とか、親ばか丸出し!の自分の娘自慢)を聞かされるのには、いつもながら閉口する。

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紙の本

現代社会の課題を網羅?

2010/09/15 20:39

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:YOMUひと - この投稿者のレビュー一覧を見る

著者が日本の根本的な問題点の一つとみなすキーワードは「郊外化」である。郊外化のため、「生活世界」は空洞化し、物理的空間より情報空間を頼りにして、家族・地域・職場関係でなくインターネットと宅配サービスから何もかも調達するようになり、その結果、社会が包摂性を喪失し、経済が個人を直撃するようになったとする。

郊外化とは、「〈システム〉(コンビニ・ファミレス的なもの)が〈生活世界〉(地元商店街的なもの)を全面的に席巻していく動き」と説明している。要は、郊外化によって、個人が家族・地域・職場という共同体から孤立してしまうということである。

では、それは何によってもたらされたかというと、日本の製造業一人勝ちが招いたアメリカの「内政干渉」である。それは、農産物輸入自由化問題、大規模店舗規正法の緩和、建築基準法の緩和など、米国資本に市場を開くことを目指した政策変更、さらには、学校完全週休二日制、郵政民営化、裁判員制度導入の要求・実現という形をとったわけである。

従って、〈生活世界〉の回復策は、米国への軍事的、経済的依存から脱するため、憲法改正による重武装化を行い、同時にアジア諸国を感情的に包摂することによって、日本が自立して軍事・資源・食料・技術・文化の包括的な安全保障戦略を考えられるようになること、ということになる。

本書になかではこの部分が最も明快で首尾一貫した説明がなされている。米国の「内政干渉」は歴然としており、その対応策は論理的であるが、しかし、著者の言う「郊外化」のすべてが、「内政干渉」によって引き起こされたというのは信じがたい。それが加速させたであろうが、起動力ではないものも多いのではないだろうか。「近代化」や「戦後体制」に起因するものが混在していると思われる。

違和感があるのは、幸福論の冒頭で、「自分だけ幸せならそれでいい」のかと論じる部分である。人間は可塑的で変わりやすい存在だという前提に立ち、社会秩序を支える内発性も生来のものでないので社会によって埋め込まれるべきという。「社会設計の目標は、社会の存続と両立しないような幸せ観の、背景にある感情や感覚の枠組みを、社会環境を通じて取り除いていくこと」だと主張する。人間の生得的な倫理という観点では、著者の考えに疑問をもつ。

『日本の論点』を意識したため、新書というボリュームのなかに広範なトピックを欲張って採り上げているので、全体として、各項目の説明が不足する部分も多い。本書は、評者がファンである韓国思想研究家、小倉紀蔵が激賞しているので、読んでみた。確かに、人文知の成果を動員して読者の好奇心を刺激したり、また著者一流の語り口で読ませたりもするが、総体としてイマイチ納得できず、星三つ。

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2009/05/04 01:04

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2009/05/17 08:13

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