紙の本
何となく経済学部を卒業した人のための経済学入門
2004/06/12 10:58
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投稿者:まーくん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「高校生のための…」とありますが、むしろ単位集めのみに汲々となり、卒業はしたものの経済学部でどのような知識を得たか他人に説明できない私のような社会人がもう一度経済学についてかじってみようか、といったときに手に取りやすい書だと思います。
最近では、経済学部の大学教授が経済学を批判的に論ずるのが流行りの感があります。事実私もそういった文献をいくつも読み、なるほどと同調することが多かったのです。
しかし、考えてみればそういった人たちの思考の根底にも経済学の理論が基礎にあるわけで、現実の経済をめぐる様々な問題(雇用対策、景気対策等)になかなか対処しきれないからといって、経済学という学問そのものを全て否定するようなことはあまりに乱暴だし、きつい言い方をすれば、それは一種の「逃げ」ではないかと思うのです。
私は今、この書を手始めにまたいろいろな立場の方が著した経済学の書を仕事や私事の合間に読み始めたところです。今もし大学でもう一度経済学を学べるとしたら、もっと真剣に勉強するのにと反省しながら…。
紙の本
分かりやすい経済学
2003/09/17 13:40
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投稿者:ころり - この投稿者のレビュー一覧を見る
小生はまだ大学院生として社会に出るのを遅らせ、そのモラトリアムの時期を研究と称するものに浪費する生活を送っているけれども、ひとたび社会に出れば今まで知らぬ存ぜぬで通してきた政治経済などの基礎知識が激しく必要になるものだよ、と幾人かの社会人の友人などに示唆されて、それではあまり泰然ともしておられぬということで経済学の基礎など余暇に学んでみようと考えた。とにかく分かりやすいものが良いということで本書を手にしてみた。実は本書のはしがきで著者は、本書は高校生に経済学の初歩を学んでもらうつもりで書かれたが、社会人になってからの方が経済に対する問題知識が強いだろうと書かれている。つまり、本書は高校生でも分かるやさしさで、それより広範な読者層を意図してもいるようだ。小生もおそらくターゲット読者層に含まれるであろう。
さて内容であるが、やはり分かりやすい。高校生のための、と銘打つからには分かりやすさを旨としよう、という意図がみえる。ただ少々言葉が優しすぎるようなきらいはなくはないけれど。テレビや新聞の大きな経済ニュースがある程度理解できるようにはなると思う。基礎的なことをきっちりと説明してあって、例えば需要供給曲線などの説明も勘所を押さえた説明で理解しやすい。
天下の日本経済新聞の書評にあるように、社会人一年生(もしくは未だにモラトリアムのあなた! 僕か)にお薦めです。
目次
序章 経済学を学ぶ前に
第一章 需要と供給の決まり方
第二章 市場メカニズムの魅力
第三章 なぜ政府が必要なのか
第四章 経済全体の動きをつかむ
第五章 お金の回り方を探る
第六章 税金と財政のあり方を考える
紙の本
2002/04/22夕刊
2002/05/08 22:15
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投稿者:日本経済新聞 - この投稿者のレビュー一覧を見る
気鋭の経済学者が語りかけるように経済の仕組みを説く。需要と供給の関係から始まり、市場のメカニズム、政府の役割、税制と財政など基礎の基礎を解説。最新の経済ニュースも取り上げた。経済学の勉強をせずに社会人になった新卒社員にも、格好のテキストとなる。
(C) 日本経済新聞社 1997-2001
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経済が今以上にチンプンカンプンだった頃に読んだ。
高校生レベルに合わせて書いてくれてるから読みやすかったです。
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経済学、というよりも日経新聞を読むためのリテラシーが欲しくて、何か手ごろな新書はないかと考えていた矢先、大学の生協でこの本に出会った。高校生にでも読める本なら、大学院生にとってはさぞかし分り易いだろうということで購入した。確かに分りやすかった。それは間違いない。しかしながら、理系の大学院生にとっては少々略されすぎた本かもしれない。簡単に過ぎるがゆえに論理的な精緻さが損なわれており、それが喉に引っかかった小骨のように気になって、結局理解した気になれなかった。でもまあ、そこまで精密な議論を求め始めるとキリがない気もする。
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「ところが、「大きな政府」と「小さな政府」の間で、どの辺りが望ましいのか、つまり、政府の最適規模を見つけ出すことは不可能に近いのです。」
やっと読み終えた!前半部分は、やっぱりよく分からず、高校生向けでも分からないのか・・・とがっかりしていたけれど、途中の日銀の説明辺りからやっとうむうむと分かるようになってきた。
この本は、入門書らしく筆者の考えがほとんど示されていない。
多分高校生としてはそれが左右されなくて良いのかもしれないけど、私としてはちょっと物足りない思いがするのでした。
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新入生が入ってきたので、新入生に読んで欲しい本の紹介をします。2
高校時代に政経を選択していない方、学部が人文科学系の方などには、株以前に、経済の基本を学ぶ上で良書かと思います。
需要供給曲線から始まり、マクロ、ミクロ両方それなりに説明されている。
単語としては、マーシャルk、GDPデフレーター、インフレターゲティング、セイの法則などのあたりまで踏み込んでいる。
日経新聞にでてくる経済事象の意図や背景などが少し理解できるようになるかな。
高校生にはちょっと分からないでしょう。って感じ。w
でも大学1年なら分かるはず。
ただ、ケーススタディーは、魅力に欠ける。 &2002年発行とちょと古いかな。
<目次>
はしがき
序章 経済学を学ぶ前に
第1章 需要と供給の決まり方
第2章 市場メカニズムの魅力
第3章 なぜ政府が必要なのか
第4章 経済全体の動きをつかむ
第5章 お金の回り方を探る
第6章 税金と財政のあり方を考える
おわりに
小谷征央
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私は高校で「政治・経済」を履修してきたが、その学習は暗記に終始していた感じであった。
大学生になり、日本経済新聞などを読む機会もあるが、なかなか理解しにくかった。
「これはもう一度高校レベルから・・・」と思っていたところ、本屋で偶然、本書を手にしたのである。
本書は2002年に第1刷が発行されて以来、2008年までに第12刷まで部数を伸ばしている。これが購入の決め手となった。
読んでみると、平易に、しかも分かりやすい実例を提示して経済学の基礎が述べられているので、すぐに頭に入った。
私自身にとっては高校時代のいい復習になった。経済学の知識が足りない、基礎から復習したい、と考えている人は、本書を手始めに読むといいだろう。
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予備校にて政治・経済を教えるのに必要なネタを仕入れるために読み直しました。
自身の復習の意味も込めて…
政経の大学受験レベルって?
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経済学の教科書以前の常識レベルを扱ってくれる本で、高校の政経の教科書の上澄み程度を経済系が苦手な人に書いた感じ。内容は薄いからすらすら読めるよ。
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こういう本は得てして「社会人の方々にこそ」読んでもらえるように書かれている。大学生である僕も当然そのつもりで購入した。高校生にとって知らないことは概して大学生も知らなかったりすることの方が多いからだ。
実際高校の時に学んだ政治経済の内容に準拠しながらも、そこから一歩踏み出した内容も所々触れていて教科書よりは面白かったように思う。知らなかったことや忘れていたことも多々あった。しかしその面白さはあくまで教科書との比較であり、本としての魅力はあまり感じられなかった。教科書に準拠した形になっているから仕方のないことではあるが。
この本で触れる内容は授業や受験を通して学ぶことが主であるから、多くの人にとってわざわざ読むほどのものでもない気がする。全く政治経済について触れたことがない人は読んでもいいかも。
何より面白かったのが、筆者が「おわりに」において高校生の頃は経済学なんてやらないで、日本や世界の名著や古典なんかに親しんだ方が良いかしれない、って言っているところ(笑)。
(2006年03月27日)
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[ 内容 ]
わが国の高校では、経済学がほとんど教えられていない。
「政治・経済」という科目に経済学の基礎が説明されているが、この科目自体の影が薄い。
一方、世の人々の経済に対する関心はけっして低くない。
本書では高校生にもわかるように、ポイントをきちんと抑えながら、経済学の基本的な考え方を解説する。
理論そのものよりも、現実の経済問題の解決に経済学の考え方がどのように生かせるかという、実践的な面を重視する。
[ 目次 ]
序章 経済学を学ぶ前に
第1章 需要と供給の決まり方
第2章 市場メカニズムの魅力
第3章 なぜ政府が必要なのか
第4章 経済全体の動きをつかむ
第5章 お金の回り方を探る
第6章 税金と財政のあり方を考える
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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経済学の入門書としてはうってつけ。高校生のための…とあるが、高校生では少し難しいかもしれない。
内容の方は需要と供給の話に始まり、市場のメカニズムや金融、税制の話題などが、初学者にもわかり易く記述されている。
冒頭で著者は今の高等教育で政治・経済は存在感が薄いと主張しているが、この問題の根本は今の高等教育が、大学受験のためだけのものになってしまっているからであるのは明白である。
経済学は全ての人にとって必要な、生活に密着した学問であるはずである。
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221ページ
「おわりに」が簡潔でよい。
はしがき
序章 経済学を学ぶ前に
第一章 需要と供給の決まり方
第二章 市場メカニズムの魅力
第三章 なぜ政府が必要なのか
第四章 経済全体の動きをつかむ
第五章 お金の回り方を探る
第六章 税金と財政のあり方を考える
おわりに
第一章 需要と供給の決まり方
需要曲線:価格と需要の関係
需要の価格弾力性:価格を1%上げたとき売上が何%上がるか。競合の多い商品は需要の価格弾力性が高く、競合が少ない、なくてはならない商品は弾力性が低い。
費用逓増と費用逓減:生産費用には固定費用と変動費用があり、生産量が少なすぎると固定費用がかさばって平均費用が高くなる。生産量が増えれば平均費用が下がり、価格>平均費用で利潤が発生する。生産量をさらに増やすと費用逓増が起こり、利潤が減り出す。
限界費用:生産量を1増やしたときに生産費用がいくらふえるか。生産量を1増やして、生産費用が価格を下回れば利潤が増える。生産費用が価格を上回れば利潤が減る。
生産費用曲線:価格が一定であると仮定すれば、価格×生産量(すべて売れるとして)が売上になる。ここに生産費用曲線を重ねる。生産量がゼロでも固定費用があるために生産費用はゼロではない。限界費用が価格とイコールになったところで最大の利潤を得られる(それ以上増やすと赤字になる)。
供給の価格弾力性:価格が1%増えたときに供給が何%増えるか。供給の価格弾力性が高い商品は、容易に増産できる工業製品など。弾力性が低い商品は天然資源を使う商品や土地など容易に増やせないもの。
第二章 市場メカニズムの魅力
第三章 なぜ政府が必要なのか
1. 外部効果、2. 公共財、3. 情報の不完全性、4. 費用逓減
1. 外部効果
工場の排水で郊外が出た場合、市場メカニズムを通さない影響
2. 公共財
図書館など市場が提供しにくいサービス
3. 情報の不完全性
売り手が情報優位:薬の効果→国の認可
買い手が情報優位:保険市場→強制保険
保険をすべて民間に任せると、保険会社は個人のリスクを判断できないので平均値を使って保険料を設定するが、健康に気を遣っている人は加入せず、健康に不安な人が多く加入する。結果、リスクは高まり保険会社は赤字になるので保険料を引き上げざるを得ない、するとよりリスクの高い人しか加入しなくなる。←実際は、医師の診断を持ってこいとかいろいろ言ってるけど。
4. 費用逓減
電力産業は需要が増えるほど平均的な生産費用が減るので社会全体にとっては競争させない方がメリットがある。費用逓減産業かどうかは時代や技術によって変わる。かつての電電公社は費用逓減産業として競争が制限されていたが、技術が進歩して新規参入を許可して競争させた方がメリットが高くなった。
規制緩和の考え方
かつてタクシー料金は同一地域同一料金だった。この保護の根拠はタクシー価格の自由化は客引き合戦の激化・過当競争を招いて結果的に利用者の不利益になるというものだった。が、自由化された今は別段そのような不利益はない。
規��緩和したときのメリットが国民に広く薄くしか行き渡らないのに対し、少数ながら規制緩和によって不利益を被る人が存在し、その人たちの政治的発言力が大きい場合は規制緩和が難しい。
所得の再分配
「所得再分配調査」
価格調整がすぐには起きないのはなぜか
メニューコスト仮説
ケインズ、有効需要の原理
セイの法則
不況になる、採用を絞る、失業者が増える、ここですでに雇用されている人の賃金が下がって新たな採用枠が増えれば調整が行われるが、普通は簡単に賃金を下げられない。長期的には賃金が下がって調整されるが、短期的には失業者が路頭に迷う。消費の冷え込み、格差増大。
政府による公共事業で需要を喚起する。穴を掘って埋める。
減税によって可処分所得を増やし、消費を刺激する。
金利引き下げでお金を回りやすくする。
需要過多で人手不足の場合は、公共事業の要請、増税、利子引き上げで需要を弱める。
第四章 経済全体の動きをつかむ
三面等価の法則
支出・生産・所得、ぐるぐる回る。
GDP (国内総生産) は GDE (国内総支出) ではかってる。同じことだから。
GDP
GDP が増えても物価が上昇した部分も考慮しなければならない。基準年を設定して換算するのが実質 GDP (real GDP)、実質化する前が名目 GDP (nominal GDP)
第五章 お金の回り方を探る
貨幣にある低い不確実性と流動性。インフレへの弱さ。
マネーサプライの種類
M1:現金、普通預金、当座預金
M2:M1 + 定期預金
CD:譲渡性預金 (certificate of deposit)
広義流動性には郵貯と国債を入れる。
名目 GDP をマネーサプライで割った値が貨幣の流通速度
バブル期にインフレがマイルドだった理由は余った金がものやサービスに回らず土地や株に回ったため。
金は余っているところから足りないところへ流れる。
家計には金があまり、企業には金が不足する。
企業は家計から金を借りようとする。
直接金融と間接金融。
直接金融は株式や社債。
間接金融は銀行を通じての家計から企業への金貸し。
日銀がお金の量を調節する手段
銀行から手形や債権などを購入して、その代金を日銀当座預金に入れる (買いオペ) ことで間接的にマネーサプライを増加させる。
銀行に債券などを売って、その代金を日銀当座預金から受け取る (売りオペ) ことで、間接的にマネーサプライを減少させる。
短期金利の水準
銀行間で超短期のお金のやり取りをするときに着く金利、翌日に返す翌日物コールレート (call rate) が高ければ金不足、低ければ金余りと判断され、日銀は調整しようとする。
存在感の薄くなった公定歩合
1995年以降、公定歩合よりも翌日物コールレートの方が低くなった。つまり、わざわざ高い金利の日銀からかりず、他の銀行から借りるようになった。日銀から直接借りるのは「訳ありバンク」である。
量的緩和
翌日物コールレートを引き下げても景気は上向かず、さらに日銀当座預金を通じて金を流出させる政策。
インフレターゲティングの議論
第六章 税金と財政のあり方を考���る
乗数効果 (multiplier effect)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B9%97%E6%95%B0%E5%8A%B9%E6%9E%9C
公共投資に掛けた金額以上のGDPが生み出されるはずである。
β=限界消費性向
X=可処分所得の増加
家計の支出増は Xβ となり、イコール企業の収入となり、
それが家計に回ってまたβを掛けたXβが企業へ・・・
まとめると X/(1-β) で表される
2つの落とし穴
1. 一度増やした公共投資を減らすとマイナスの乗数効果が生まれる
http://blog.livedoor.jp/a98031/archives/51459557.html#
2. 人が合理的に考えれば公共投資と同じ額が貯蓄される
政府が1兆円の公共投資をした。それは国債の発行でまかなわれた。つまり国民から金を借りた。いつかは1兆円(と利子)を返さないといけない。ここで増税が行われる、と国民が予測したのなら、国民は増税に備えて1兆円を貯蓄するだろう。人が合理的に動けば乗数効果は最大で1止まりではないか。
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(「BOOK」データベースより)
わが国の高校では、経済学がほとんど教えられていない。「政治・経済」という科目に経済学の基礎が説明されているが、この科目自体の影が薄い。一方、世の人々の経済に対する関心はけっして低くない。本書では高校生にもわかるように、ポイントをきちんと抑えながら、経済学の基本的な考え方を解説する。理論そのものよりも、現実の経済問題の解決に経済学の考え方がどのように生かせるかという、実践的な面を重視する。