ぞろりん がったん
著者 大門剛明 (著)
瀬戸内海に面した広島の三原市に暮らす作家・世良の家から、妻の加奈子が姿を消した。世良の友人・内畠は、加奈子の妹から頼まれ、実情を探ろうと世良の家を訪ねる。しかし、世良は話...
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商品説明
瀬戸内海に面した広島の三原市に暮らす作家・世良の家から、妻の加奈子が姿を消した。世良の友人・内畠は、加奈子の妹から頼まれ、実情を探ろうと世良の家を訪ねる。しかし、世良は話を逸らすばかりで、それよりも執筆中の原稿を読んでほしいと内畠に頼んだ。寡作で、世間からも忘れ去られている世良だが、いま書いている作品は「話題になって大ヒット間違いなしだ」と豪語する。それは、日本各地に伝わる怪談に起因する、不可思議なエピソードを綴る物語。内畠は、「座敷わらし」とタイトルのつけられた最初の作品のページをめくった……。「座敷わらし」「言うな地蔵」「河童の雨乞い」「吉作落とし」「チロリン橋」「ぞろりん がったん」、6つの怪談と現実世界が交錯する幻想ミステリー短編集。読後に残るのは恐怖か、感動か!? 横溝正史ミステリ大賞出身で社会派ミステリーの新鋭による、初の短編集!!
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書店員レビュー
その罪を、ひとは絶対見逃さない
ジュンク堂書店福岡店さん
ぞろりん、がったん
という響きがまず怖い。
「このふるえ恐怖か、感動か」という帯に惹かれて手にとった。
どんなおそろしい怪談話が書き連ねられているのかと、どきどきしながら頁をひらいたが、読み終えたとき、この帯の言葉に納得した。
怪談をめぐるミステリーは、ただ怖いだけじゃない。
嫁いだ姉と最近連絡がとれない、と相談された男は、その姉の夫である、作家業を営む友人の元をおとずれる。彼は妻の不在をはぐらかしながら、ぜひ男に読んでもらいたいと、日本各地に伝わる怪談をモチーフにした物語の原稿を渡すのだった。
その「物語」で構築された本著は、怖いというよりも、その奥にひめられた人の切なる想いに魅せられる。
どこかやさしく、救いのある物語が多いのだが、最後の章は少し違う。
それは彼にとって「物語」ではなかったからなのか。
ぞろりん、がったん。
その罪を、ひとはぜったい見逃さない。