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管仲(下)
著者 宮城谷 昌光
時に戦雲が天を覆う春秋時代前期、「管鮑の交わり」として名高い管仲と鮑叔は周の都で出会う。以後、ふたりは異なる性格ながらも互いを認め、ともに中原の沃野を駆け抜けていく。しか...
管仲(下)
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管仲 下
商品説明
時に戦雲が天を覆う春秋時代前期、「管鮑の交わり」として名高い管仲と鮑叔は周の都で出会う。以後、ふたりは異なる性格ながらも互いを認め、ともに中原の沃野を駆け抜けていく。しかし、時代はまだこのふたりの天才を知らなかった――。のちに、思想家、為政者として卓越した能力を発揮し、理想の宰相と称された管仲の生涯と、彼を支えた人物群像を余すところなく描いた、渾身の歴史長編。
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紙の本
内容紹介
2003/04/10 12:41
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投稿者:bk1 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この当時、周王の勢力は衰え、周より東は、鄭・魯・紀と斉・衛・燕・宋の二大勢力が同盟を結んで戦をすることとなった。鄭は魯と紀の軍を待たずに進撃し、斉の連合軍を撃破する。乱戦の最中、管仲は兵車から落ちた公子諸兒を助ける。粗暴で何かと評判の悪い諸兒は、管仲に助けられたことで糾に好意を寄せる。しかしこのことが、のちに災いを及ぼすことになろうとは……。
斉の僖公は弟夷仲年が亡くなると精気を失い、太子を諸兒とし、公孫無知を同等の扱いとした。僖公の死後は諸兒が即位し襄公となる。
襄公は妹の文姜(ぶんきょう)を愛していたが、文姜はすでに魯王のもとに嫁いでいた。襄公は一計を案じ、魯王を謀殺し、文姜を手元におく。次に、幼少の頃、鄭に人質として送られたときにいじめられた公子をおびき出して処刑する。
小白にも襄公の魔の手が広がることを恐れた鮑叔は、管仲にも報せず、小白とともに斉国を出国し身を隠した。襄公は自分と同格とされた公孫無知を貶め、公子糾を厚遇する。悪名高き襄公に厚遇されることに管仲は不安を抱く。また、公孫無知はついに怒りの兵を挙げ、襄公を刺殺し、公子糾にも兵を差し向ける。管仲は機敏に対応し、糾を伴い魯に亡命する。しかし、この公孫無知も在位わずか二、三ヶ月であっけなく横死してしまい、斉国の帝位が空位となる。帝位に近い者は管仲の主君の糾と長い亡命生活を送っていた鮑叔の主君小白であった。
糾と小白はそれぞれ亡命先から斉国の都を目指す。管仲は、小白の声望を恐れ、糾と別れて小白暗殺を決意する。味方は兵の数が少ないので、狭隘の道に兵を伏せ、矢をつがえた。
自分は鮑叔の主君である小白を殺して、鮑叔の人生を奪おうとしている——。
小白暗殺に逡巡する管仲だったが、ついに矢を放った。矢は公子小白の腹部に突き刺さった。管仲はそれを見届けると公子糾に小白が死んだ旨を告げる。鮑叔は、小白の亡骸を抱き、斉の都に戻ったはずだった……。
しかし、斉の都に着いた糾と管仲の眼前に信じ難い光景がうつった。なんと、鮑叔率いる万を超える軍が布陣し、小白は生きていたという。管仲の放った矢は小白の帯鉤(たいこう、帯にある金属)にあたったのであった。
小白は即位して桓公と称する。糾たちは魯に戻るしかなかった。ここまで尽してくれた鮑叔を桓公は宰相にしようとするが、鮑叔は頑なに拒否し、あろうことか、桓公を殺そうとした管仲を推挙する。
桓公も後に春秋時代の覇者となる器の持ち主のため、鮑叔の言を受け入れる。鮑叔は魯から管仲を呼び寄せ、糾を亡き者にし、召忽は糾の後を追い自殺してしまう。
召忽の死するや、その生くるに賢る。
管仲の生くるや、その死するに賢い。
(召忽が死んだのは、生き延びるよりもすぐれ、管仲が生き延びたのは死ぬよりもすぐれている)
宰相となった管仲は、貴族のためではなく人民のための善政を行い、法律を整備し、積極的な人材登用を行った。
才知に満ちた管仲、友人を敵に回してもなお信じた鮑叔、そして自分を殺そうとした者を許した度量の大きな桓公、これらの類稀な人物により、斉の国は中華全土に大きな力を有する勢力となっていったのである。