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すこくろ幽斎診療記 : 1 寒さ橋
著者 今井絵美子 (著)
御典医に飽き足らず明石町で施薬院を営む傍ら、石川島の人足寄場医師として医療活動に奔走するすこくろ幽斎こと杉下幽斎。訳あって罪を犯し寄場に収容された者たちに情をもって尽くす...
すこくろ幽斎診療記 : 1 寒さ橋
寒さ橋 書き下ろし時代小説 (双葉文庫 すこくろ幽斎診療記)
商品説明
御典医に飽き足らず明石町で施薬院を営む傍ら、石川島の人足寄場医師として医療活動に奔走するすこくろ幽斎こと杉下幽斎。訳あって罪を犯し寄場に収容された者たちに情をもって尽くすのだが、今日もまた死人が……。書き下ろし時代小説第一弾。
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すこくろ先生、よろしく。
2017/04/05 19:12
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
初めはあまり馴染めないかなと思ったけれど、だんだん引込まれていった。様子としては赤ひげのようなすこくろ先生。あんなに乱暴ではないんだけど。弱き者を全員救いたい。その理想を実現するため、奔走する。金銭の出資どころとかその過程とか、ちょっとうまく行き過ぎてるなあと思うけれど、そうじゃないと辻褄が合わなくなるから大目に見よう。お辰の口が悪いところも気になるけれど、でも根が優しく正直で、徳坊を産んだいきさつ、そしておかずちゃんへの想いを知るにつれぐっと応援したくなってきた。おかずちゃんどうなるかな。さて第2巻だ。
紙の本
すこぶる玄人医師・すこくろさんと施薬院「幽々庵」の面々が織りなす出会いと別れ。変化を追う感情移入が心地よいシリーズ第一弾。
2011/12/13 07:40
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:月乃春水 - この投稿者のレビュー一覧を見る
『すこくろ幽斎診療記』シリーズ第一弾です。
鉄砲洲明石町にある施薬院「幽々庵」と石川島の人足寄場(にんそくよせば)で医療活動に奔走する医師・杉下幽斎。
「すこぶる玄人」ゆえ、すこくろさんと呼ばれ、人々に尊敬され親しまれている。
すこくろさんと出会う患者たち、そして幽々庵ではたらく面々━産婆兼助手のお辰、大取(だいとり・見習い医師)の川合俊輔、下男の福助、勝手をまかされている婆やのおよね、お端下のおつゆ━の義理と人情、せつなさと希望が入り混じった物語です。
5つの連作が収められています。
寒さ橋
さくら芽吹きし頃
朧夜
暮の春
花卯つ木
罪を犯し、寄場に収容された者たちの過去と病、明石町界隈で出会う理由(わけ)ありの人たち…それぞれが抱える事情に胸を打たれます。
現代とはちがう江戸時代だからこその、どうにもならない内情や治しようのない病。やるせなさが募ります。
といっても物語全体を包んでいるのは、しんみりとした情緒にまさる快活な空気。
それはお辰の気風がよく、毒も含んだ物言いによるところが大きいような気がします。
身勝手な人のふるまいに怒ったり、泣いたり、自分の失言に潮垂れたり。忙しいことこのうえない。そこがお辰の魅力です。
さらに、現在は使われていないであろうことばの数々。カッコ書きで意味がわかるようになっていますが、これらがブレンドされて、たいそう活きがいい。
たとえば
そっぺいもない(愛想のない)
ふてらっこい(図々しい)
ちょっくら返した(からかう)
てんごう(冗談)
糟喰(酒飲み)
どろけん(酔っ払い)
気ぶっせい(気づまり)…といった具合です。
あらたに出会った人たちが、過去を断ち切るまで、身も心も癒す場所となるのが幽々庵。
毎月、一日から五日頃まで寒さ橋に一日中佇んでいた小夏は生薬の調剤兼看護人となり、
両替商三国屋の甥で長崎で医学を学んだ美馬龍作はもうひとりの代取として加わり、
十二歳になるお辰の息子、徳次を兄のように慕う四歳のおかず…と登場人物が増えていきます。
第五話まで読み進めていくうちに、さまざまな変化に泣いたり喜んだり…
そんな感情移入も心地よく、読了しました。
シリーズは第三弾まで出ていますが、登場人物たちにさらにどんな変化が起きるのか…
続きが気になります。