紙の本
古今東西の名作を、サイバラがぶった斬り、けなし倒してゆく。読んでて、むかむかしてきました。
2009/05/23 11:35
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:東の風 - この投稿者のレビュー一覧を見る
作家・清水義範(しみず よしのり)が取り上げ、案内する古今東西の名作(と言われている)文学20作品を、漫画家・西原理恵子(さいばら りえこ)がコマ割りマンガでもって、「この本のどこが面白いんじゃー」「けっ。ちーとも分からん。カネ返せ! 時間返せ!」と文句をたれ、ぶった斬ってゆく一冊。
「古今の名作、何するものぞ。肝心なんは、自分が面白いと感じたかそうでなかったか、そこなんでないかい」と、言いたい放題、けなし倒していくサイバラ。その言動は、いっそ清々しいといったレベルを超えて、「何そんなにギャーギャーわめいてるんだ?」と腹立たしくなる程のもの。読み進むほどに、不快指数が右肩上がりで増大していきました。
サイバラの独断流「読書」必勝法のコメントを、いくつか紹介しておきます。以下のコメントを、「おっ! 言うねぇ。ま、いいんじゃね?」と許容できるか、「その小説のどこにも面白いところ、なかったのかよ。感じなかったのかよ。ただけなせばいいってもんでも、ないっしょ」と不愉快に感じるか。私はむかむか、すごーくヤな気分になりました。
<だいたい衣食足りてる女がな 猫並のせまいテリトリー内で 思っちゃったり感じちゃったりした事をだな、だらだらだらだら自分語りしてどこがおもしろいんだ それをまた わからんちん男が女になった気分でかくのよ 読めるかっつーの>谷崎潤一郎『細雪(ささめゆき)』
<泉鏡花 名前がたまらなく嫌。泉で鏡で花 鳥肌実だ。>泉 鏡花『高野聖(こうやひじり)』
<三島は日本語なのに 何かいてるか さっぱり このような難解な文章を誰が理解しているのか? 作品、本人の変度としては 当、まんが界で 楳図かずおと似かよった何かが――>三島由紀夫『金閣寺』
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ハカセのちょっとずれたキ真面目さは相変わらず。少なくとも、このガイドを読んで面白そうだから読んでみようとはぜったいならない(笑)むしろ読んだことがある本を一緒に笑い飛ばしましょうぜ的読み方をする方が楽しいと思う。しかし、このラインナップを今どき全部読んでる人がいるとは思えましぇんvv この私でさえ「魔の山」など高校生以来何度挫折したかわからない。サイバラはムシロ鋭い、が今回下ネタ過ぎ;; 清水ファンの息子に先に読ませてしまったじゃないか!どうしてくれる!
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坊ちゃん、ロビンソン・クルーソー、伊豆の踊子、ガリヴァー旅行記、細雪、ハムレット、陰獣、嵐が丘、高野聖、罪と罰、河童、
谷間の百合、濹東綺譚、黒猫、暗夜行路、ボヴァリー夫人、金閣寺、若い芸術家の肖像、万延元年のフットボール、魔の山、他・・・
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本文を読まなくても
サイバラさんのまんがだけ読んでいるだけでオモロくなってきます
祝 手塚治虫文化賞受賞記念まんが
オモロすぎっす!!
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定番のサイバラさんとのコンビエッセイなのですが、「魔の山」解説のときのサイバラさんの漫画には笑った。
「しかしインターネットなぞであっという間にあらすじのわかる今、わざわざこの本を買って名作を読んだ気になる人なぞいるのだろうか?(企画的にまず失敗でないかと)」
「清水さんのファンが喜んで買うんじゃないですか」
言い当てすぎである。さすがサイバラさんです……。
でもこの本は、五分で読む名作(だっけ?)みたいなあらすじ読んで名作知ろう本的なものじゃなくて、どっちかっていうとアルファブロガーに「この本おもしろいよ、こんな感じ。あとは読んでみてね」って紹介されるのに似てると思います。好きな人が好きな本だと思うと、読まなくちゃ!って気分になる、そんな感じです。
だから清水さんのファンじゃない人が読むとおもしろいのかどうかは、正直わかりません('A`)どっぷり捕まえられてるから……
ファンなら買いです。あいかわらず清水さんかわいい。だいすき。
しかし清水さんって、なんかいつまでも40代オッサンのイメージがあるのですが、もう還暦迎えてるんですね。おっしゃることが凝り固まってないから、全然おじいちゃんっぽい印象を受けない。このままいつまでも柔らかい方でいてほしいです。かわいいおじいちゃんになあれ。
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清水義範・サイバラコンビはどっちも好きなのですが、買ったらいつもサイバラさんのマンガを先に読んじゃいます(爆)
で、マンガだけ読むと、ここに載ってる「名作」が全部「駄作」に突き落とされてますけど、出版業界的に大丈夫でしょうか(汗)
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古今東西の、有名どころ本の感想…というか
突っ込みどころ? になるんでしょうか??
あれの意味が分からない、これの意味が分からない。
けれど分かれば面白いのもあるよ~でも理解できない。
みたいな内容は、感想、でいいのでしょうか?w
途中にある漫画は、内容に沿っているものもあれば
まったく沿ってなくて、我が道を走っている事も。
続きものになっている部分もあって、別々に読んだ方が
お楽しみはあるかも知れません。
聞いた事はあるけれど、あらすじ程度しか知らないものから
それすら知らないものから、題名から知りません、まで。
ちょっとした興味はわきましたが、最後まで読むと
読まなくてもいいかなw という気分にさせてくれます。
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『坊っちゃん』『ロビンソン・クルーソー』『伊豆の踊子』『ハムレット』『罪と罰』―。文学史に燦然と輝く20作品を、シミズ博士のウンチクとサイバラ画伯の過激なマンガで大胆に解釈する。名作を読まなくても楽しめる、新機軸のブックガイド。清水義範が選ぶ泣ける物語ベスト10、王道ミステリーベスト10も収録。
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いわゆる「世界の名作」を大真面目に紹介する清水義範のパートだけでも、それはそれで面白い。やっぱ古典は読んどくかなあ(…時間があれば)と思った。それにしても、りえぞうさんはやっぱし結構本を読んでいる人なんですね。
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清水義範氏が古今東西の名作を語ります。
取り上げてゐるのは、誰もが少なくともタイトルくらゐは耳にしたことがある作品ばかりのではないでせうか。読んでゐるかどうかは別にして。私の場合、読んだことがあるのはざつと見て3分の1くらゐです。
名作といへども、必ずしも手放しで絶賛する訳ではありません。突つ込みどころは満載で、それが却つて読書欲を書き立ててゐるのが面白い。そんなに変な小説なら読んでみようか、といふ感じ。
絵を担当する西原理恵子さんは、基本的に本文に沿つた、あるいは関連する内容のカットを描きます。当然ではないか、と普通なら思ふのですが、彼女の場合さうとも言へないところが面白い。本書でも『ハムレット』ではとことんシモネタだし、『嵐が丘』ではiPodを買つたとかの近況報告に徹してゐました。
『ロビンソン・クルーソー』では「私は子供のころからこのロビンソン・クルーソーと十五少年漂流記が大っきらい」と切捨て、『細雪』では「今回は読まずにかく」「清水このケンカ買うたる」とぷんぷんし、言ひたい放題であります。やはりこの二人は噛合つてゐないやうで、実は名コンビなのでせう。
第1巻から第19巻までは基本的に1作づつ紹介してゐますが、最後の第20巻-第22巻は特別講座で、それぞれ「読書の秋におすすめの十編」「泣ける話に四苦八苦」「王道ミステリーの楽しみ」といふテエマになつてゐます。私としては、本編よりもこちらの方が興味深く、清水氏も伸び伸び書いてゐるやうに思はれます。室生犀星『蜜のあわれ』なんて、すぐに注文したくなりました。まだしてないけど。
やはり本書は清水氏のエッセイと、西原さんの突つ込みを楽しむ本で、自分の読む本はやはり自分で見つけたい、と再認識したのでした。『蜜のあわれ』は読みたいけど...
http://genjigawakusin.blog10.fc2.com/blog-entry-167.html
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独自視点?の略解が楽しかった。そして西原氏のシモネタ全開の粗い漫画もナイス。ちょっと電車内で読むのがはばかられるくらいの勢い。紹介された本のうち、数冊を所有していることが判明、読みたいと思う。
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古い名作が結構多かったので、実は読んでませんでした・・・というのがかなりありました。面白い読み方もあったけど、え~、そんな筋やったんかという内容のもあり、読みたいと思わせない作品も。ええんか、それで?西原さんの鋭いつっこみは良かった。
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著名な図書について粗筋をつかむことができたのだが、やはり頭に残らない。世界文学などは、清水さんらしく簡潔に紹介してくださっているに関わらず、読みたいという意欲を掻き立てられなかった。
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清水氏の西原氏に対する評価、「この人は大した小説読みだ」は、清水氏に悪気はないのだけど、教師が生徒に対してよくやる評価(褒めているようだが、こう評価するのは自分より下と見なす人に対してのみ)である。この評価に喜ばず、それに敏感に反応した西原氏の反射神経はさすがである。
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清水西原ペアの今回は文学ネタ。
清水の文章にあるちょっとした毒も楽しいけれど、西原のぶっちゃけた感想の方がより役に立ちそうな感じですね。(^^;
これだけ、名作を取り上げているのに、自分が読んだことがあるのがポーの「黒猫」だけってのは、やはりちょっと問題を感じないわけではありません。(^^;
ま、特別講座でまとめられている中には、読んだことがある本がたくさんあったので良かったということにしましょう。(^^;
古典作品世界の時代背景って、なかなか専門家が「常識だから」と言って取り上げてくれないので、こういった本で時代背景などを加味した読み方の解説があるといいですね。
こういうサービスをつければ、古典もまだまだ売れると思うんだけどなぁ。