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谷川俊太郎詩選集 3
「飛び去る時がどれだけ人を賢くするか/魂は満ちることを知らぬ穴ぼこ――」(『魂のいちばんおいしいところ』所収「木星の岸辺」より)。「生」を実践するなかで、詩は、谷川俊太郎...
谷川俊太郎詩選集 3
谷川俊太郎詩選集 3 (集英社文庫)
商品説明
「飛び去る時がどれだけ人を賢くするか/魂は満ちることを知らぬ穴ぼこ――」(『魂のいちばんおいしいところ』所収「木星の岸辺」より)。「生」を実践するなかで、詩は、谷川俊太郎は、どう変遷してきたか。若き中国人研究者、田原の目を経て新たに編まれた21世紀初のアンソロジー、完結編。編者による書簡インタビュー、半世紀を超える詩人の多彩な活動をあとづける年代別著書目録、年譜を収録。
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書簡インタビューにこそ谷川俊太郎の姿が見てとれるようです
2005/11/04 23:29
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
『谷川俊太郎詩選集』第3巻は、1980年代後半から現在に至る作品を集めた1冊となっています。『詩選集』の最終巻でもあります。おおよそ今の谷川俊太郎が収められていると言えるでしょうか。
前2巻と同様に、様々なスタイルの詩が収められていますが、読み進めるうちにしばしば「詩」が「死」に通じているように思えてなりませんでした。決して、詩の中にそのような直接的な表現があるわけではないのですが、「詩」のことを語っているものに「死」の匂いを、「死」が表現されているものにこそ「詩」を感じてしまったのです。どちらも”shi”と発音されるのだから、何か共通するものがあるのだろう、なんていう解釈は余りにも谷川俊太郎の言葉遊びみたいで実も蓋もないのですが、「詩」をもって自分の存在そのものを語り続けてきた谷川俊太郎ですから、60代から70代と年齢を重ねてきた中にどうしても「死」の姿が見え隠れするのは自然なことなのかもしれません。
この第3巻巻末には、編者の田原と作者谷川俊太郎のメールによる書簡インタビューが載せられています。田原の問いに微妙にずらしながら答えているのが、実はどんな作品よりも彼らしさが出ているようで、一番おもしろく読んでしまいました。ここまで含めて初めてこの『詩選集』が完成するのではないかとも思われます。
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生と言葉との関係
2020/06/20 13:11
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:やっこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
谷川俊太郎さんと田原さんの書簡インタビューが巻末にあります。
詩集だけでなく、それも楽しかったです。
そこで、谷川さんは「私にとって本当に問題なのは、生と言葉との関係なのだ」と仰っています。
これは、とっても大切なことだと思いました。何か大切なことを伝えたくても、言葉は不完全だということの意識を常に持つことの大切さを教えてくださっている気がしました。