商品説明
南町奉行根岸肥前守の懐刀隼(はやぶさ)新八郎、神道無念流の名手で頭脳明晰、心やさしい好青年だが恋には晩生(おくて)。あからさまに出来ない犯罪を、密かに探る内与力の役についている。折しも、淀橋と成子坂(なるこざか)で2つの殺人事件が発生、さらに、雑司ヶ谷鬼子母神での惨劇に拡大する……。(講談社文庫)
目次
- 淀橋の殺人
- 大奥
- 闇の中の声
- 鬼子母神
- 椿
- お犬
- 鷹野
- お志賀の方
- 籠の鳥
- 雛の日
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紙の本
籠の鳥──健気な女性たちの物語。
2002/06/06 11:01
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:凛珠 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「耳袋」で有名な南町奉行・根岸肥前守の内与力・隼新八郎を主人公にしたシリーズの第一作。1巻は大奥をテーマにした長編推理小説に仕上がっている。本書の内容は全て作者の創作かと思っていたのだが、「耳袋」に元ネタがあるらしい。封建時代らしい切なくやりきれない、哀切な話である。それとからめて、既婚の新八郎と元下女・お鯉の恋愛も哀しい。男が自由な江戸時代ならば、特に武家の男が妾を囲うことは普通だろうが、そうはいかないところに二人の美しい哀しさがある。そしてラストは、いかにも女性作家らしい終わり方だ。哀しいけれども、ご都合主義ではないがゆえに、お鯉の魅力が出ている。しかし、何とか二人が結ばれて欲しいものだが……。