イリヤの空、UFOの夏 その3
著者 著者:秋山 瑞人 , イラスト:駒都 えーじ
浅羽を巡る恋の三角関係が進行中、ということで、ついに伊里野と晶穂の正面切ったバトルが発生! 最終決戦の場となった「鉄人屋」の惨状は……! 血と涙が吹き荒れる『無銭飲食列伝...
イリヤの空、UFOの夏 その3
商品説明
浅羽を巡る恋の三角関係が進行中、ということで、ついに伊里野と晶穂の正面切ったバトルが発生! 最終決戦の場となった「鉄人屋」の惨状は……! 血と涙が吹き荒れる『無銭飲食列伝』。 突然、園原基地付近で起こった爆発。北からの攻撃、輸送機の事故、UFOの墜落とさまざまな憶測が飛び交う中、水前寺はひとり、爆発事件の取材に向かった……緊迫の『水前寺応答せよ・前後編』。 水前寺テーマが「超能力は果たして実在するか」であった頃、つまり浅羽がまだ一年生のころを描いた『番外編・ESPの冬』。 果たして、伊里野の運命は――? 浅羽の覚悟の行方は――!? クライマックスへ向けて、夏は静かに進んでいます――。
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夏の終わり近づく…。
2003/07/20 14:55
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:imanim - この投稿者のレビュー一覧を見る
その1、その2ではミステリアスな美少女・伊里野加奈とさえない普通の高校生・浅羽直之との面白切ないラブストーリーであった。しかしその3では話が急展開!?
「無銭飲食列伝」
浅羽を巡る伊里野と須藤晶穂が大食い対決!? その時浅羽は!?
「水前寺応答せよ・前編」
園原基地にUFO墜落!? しかし伊里野と浅羽は仲良くボーリング!?
「水前寺応答せよ・後編」
水前寺がいなくなってしまった…。伊里野の涙を見て浅羽は決意する。夏の終わり近づく…。
「番外編・ESPの冬」
水前寺の興味がESP、つまり超能力だったころの話。水前寺と浅羽はコタツで超能力実験!?
この作品はとても内容が濃いものとなっている。読み始めたら止まらなくなり一気に全部読んでしまった。浅羽の心理状態が痛いほど伝わってきて読み終えたあと切ない気持ちになった。すぐにその4が読みたくて、頭の中がイリヤでいっぱいになってしまう。小説を読んだことない人や、絵がなくちゃやっぱり…と思ってる人にはぜひ読んで欲しい。挿絵が一切ないこの小説なのだが文章を読んでるうちに自然と頭の中に映像が浮かんでくるのにびっくりする。秋山氏の技量に感服させられる作品だった。
「面白くやがてせつなきイリヤかな」
2003/01/31 13:25
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:成瀬 洋一郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
我々が住んでいるのとよく似た世界の日本。世界情勢はかなりキナ臭くなっており、一部では武力衝突も始まっているらしい。そんな世界で、基地の近くの高校に通う主人公と、なぜか彼を慕う謎の美少女イリヤの恋の物語。彼らは、美形で成績優秀でありながら変わり者の水前寺先輩を中心に、さまざまな冒険をし、さまざまな事件を引き起こしていく。その物語もついに3冊目。
断片的にはアクション・コメディでありラブ・ストーリーだが、全体としてはそうも括れないのがこの作品だ。周囲の状況は、一個人が大暴れしたくらいではどうにもならないほど切迫し、社会全体が追いつめられている。そして作者はどちらも等価に描く。片思いのちょっとしたすれ違いによる少年少女の口喧嘩も、冗談半分で軍の機密を漏らしてしまった者がいつの間にか電話口の向こうから消えてしまう恐怖も。
そしてついに少年と少女は大人のくびきから、軍の監視から逃れように旅立つ。そして我々は彼らの行き着く先が、たとえ凡庸な結末であろうと、ハッピーエンドであることを願うばかりだ。