紙の本
心細いと思えば
2019/04/29 20:07
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
東日本大震災に巻き込まれた独身者(主に女性)の姿に迫った一冊。
心細い立場だったのかと思いきや。
皆さん、本当にたくましい。
心強い内容でした。
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東日本大震災の中でメディアに多くとりあげられた家族の絆の物語の陰で、独身者たちは何をしていたのだろう。
そんな「?」から始めた独身者たちへの取材をまとめた一冊。
酒井さんならではの切り口ですね。
いろんな家族がいたように、いろんな独身者がいたようです。家族がいてもいなくても、みんなが心から幸せだと笑える日が来ますように。
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酒井さんなりに
震災を受け止めて、
出来ることをされている。
感情的にならず、
冷静に温かく人の話を聞く力がある方。
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2011年3月11日14時46分に東日本大震災が起きた。今年で3年目になる。被災地から遠く離れた地に住む私が出来る事は3.11を風化させない事だと思い、この本を読んだ。震災時に独身だった方々のインタビューが書いてあり、20代独身の私は食い入るように文章を見つめた。もし、私が住む県で大規模な地震が起きた場合、私はこの本に出てくる独身の方々のような状況におかれてしまうのかもしれない。いざという時、あなたは独身なのだから〜という世間の空気や言い方に遭遇した場合、私はこの本に書かれている事を思い出そうと思う。
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東日本大震災のときに、独身の人はどのように感じどのように行動したのかを、被災者だけでなく地震のあと被災地入りした人や遠くに避難した人など多くの人にインタビューして書かれた本です。
報道ではやはり配偶者や子供などの家族のいる人が取り上げられることが多いですが、この本では独身の人に絞って書かれているところが、著者ならではの視点で、多くを考えさせられます。
血縁だけが大切というわけではないと、多くの人が思える世の中は住みやすいだろうなと思います。どこに住んでも誰といても、他者といい関係を築けて、それでいて身軽でいられたらいいなと思いました。
今日3月11日に読むにふさわしい1冊でした。
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著者が「はじめに」で書いているとおり、東日本大震災の物語はほとんどすべて家族の物語であり、あの日、あの時、そしてあれ以降、独身者達はどうしていたのだろう?というのは気になるところだったので、とても興味深く読んだ。
一人暮らしの女性が単身飼い猫の無事を確かめにいく話には激しく共感!しかし一方で「フットワークが軽いゆえボランティア活動に邁進する(できる)独身者達」の話が半分くらいを占めていて、やはり独身者はこういうことを期待されるのかと気が重くもあり。
インフラが整った都会では一人暮らしは成り立つけど、いざ災害になったらやはり人の縁がものをいうのだなというのも、漠然と分かっちゃいたけど、こうして突きつけられると将来のことも考えさせられる。
なにはともあれ、私の気分を代弁してくれた部分もあり、こういう本が人に読まれるというのはうれしいことだ。独身者じゃない人に読んでもらいたい気がするけど、でも結局読むのは、危機感を感じている独身者だけなのかな、という気も。
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2014/酒井順子だからこその一冊、こういう嗅覚に優れてるのはさすが。各章のタイトルもグッときて、いつもより読むのに時間かかった。対象者的にこうなってしまうのだろうけど、独身にスポットあててるとはいえ、アクティブな独身だし誰かしら友人なり同僚なりもいるしなあ。もっと色々な人々の話が聞いてみたいと思った。
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東日本大震災から1・2年後にさまざまな独身者にインタビュー。どちらかと言うと女性へのインタビューが多いかな。
あの地震がさまざまな人の人生を変えた。私の人生にも確実に影響を与えたと思う。あの地震がなかったら多分転職していなかった気もする。
そこからもう10年以上経っているから、彼らの人生がどのように流転しているか想いを馳せた。
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東日本大震災後に語られたのは「家族の絆」だった。
震災を経て大切なものに気づいたこと。それが儚くも失われてしまうものであるということ。震災は人生を見直すきっかけとなったはずである。斯くいう自分もそうだ。
そんな美談の裏で、忘れられていること。
語られていないこと。
あのとき“独身者”は何をしたのか。
絆が語られて続けた影で独身者が完全に忘れられていた。忘れられていることすら忘れていた。それに光を当てたのがこの作品だ。
震災はいろんな物語を浮かび上がらせたが、まだまだ見えていないものがたくさんある。それをこの作品は品を持って告発しているようだ。
何と言っても酒井さんの文体が素晴らしい。
作品は独身者たちが震災において何をしたのか、何を感じたのかをインタビュー形式で辿っているのだが、その文章から伝わる各人への“リスペクト”感。これがとても素晴らしい。煽るわけでない、同情するわけでもない。ただ、尊敬の念を持って受け入れ、感謝しているのである。著者のその姿勢がこの作品に品を与えている。
それは一方で影に隠れ続けていた“独身者”たちのプライドを静かに立ち上がらせてくれているようでもある。
独身者たちが震災を経て何を思い、何をしたか。それは当たり前だが千差万別。この中には自分の人生だって書かれてもいい。私も災後を生きる独身者だ。
何かを考えて、何かを感じて、何かを決断する。それを覗くことがこんなに尊いとは。自分のために生きて他者のために生きる。
独身者だからこそ出来たことがあり、救えた人生がある。その逆もしかり。
言葉を尽くしてもあまりに多彩な人生に対して私は首を垂れるしかない。
「スゲーよ人生は」と言いながら自分も進むしかない。
この作品は震災の記録としても、人生賛歌としてもずっと読み継がれていけばよい。とてもいい作品だ。
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震災後の被災者からは、家族の話が語られることが多く、同じような境遇の独身男女はどうしていたんだろうというところから始まる。その視点は興味深い。
結果、家族がいる人よりも独身男女は活躍したということが、インタビューから明らかになる。しかし、それは想定内のこと。独身の男女が今後起こりうる大きな災害にどう備え、災害時にはどう動けばいいのか、もう一歩ふみこんだ内容を期待したかった。
また、インタビューからは作者の優しさ、丁寧な取材が感じられた。毎週ホテルで女友達とお茶するというのがSACTっぽくて、独身女子を謳歌しているのがうかがえる。
作者がどのような方なのか調べてみると、負け犬という言葉を世に知らしめた方だった。恐れ入りました。
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酒井さんらしい切り口での取材された震災ノンフィクション。鉄子の一面も垣間見れてそれはそれで面白かった。
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独身女性にインタビューするというのは、まさに酒井さんの仕事。独身女性の目を通じて改めて「震災」がもたらしたものについて考えさせられる。涙なくしては読めないエピソードが多々あり、これも語り継がなくてはならない。
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311の震災では、家族の元に帰ろうとする人や、子供の心配をする人等、とかく「既婚者」の美談が脚光を浴びた。しかし震災からの立ち直りを本当に支えた人たちの陰に「独身者」の活躍があったことを忘れてはならない。独身者は守るべき人を理由に逃げることができない。だからこそ独身者は復興に向け働き、コミュニティをつなぎ、守り、現地でも助け合った。逆に人に縛られることなく逃げられるという自由度も持っていたが、逃げてもまた戻ってきた。震災の現場で咲いた絆の花はこうした人たちによって育まれたのかもしれない。
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東日本大震災と独身者。
インタビュー。
東日本大震災では,
家族の絆ばかり取り上げられていたが,
独身者から見た震災をインタビューで
取り上げる。
何かをした,
何かが出来た,
何もしない,
何も出来ない,
いろんな人がいるんですよ。
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東日本大震災では、親子、夫婦など家族の絆が強調される報道、逸話などが多く見られる。
作者は、自らの体験を踏まえ、そのとき独身(若くして未婚の場合も含むが、年齢からみて結婚している方が多い世代も含む)だった方に丹念に取材し、その時、どのように考え、どのように行動したかということについて、洗い出す作業をおこなった。
作者は末尾に「東日本大震災によって、家族等繋がりの重要性が見直されたのは、確かです。しかしもう一方では、家族以外のつながりもまた、時に家族と同等もしくはそれ以上の役割を果たすという事実も、明らかになったと私は思います。」と記している。
それもまた、ひとつの真実だと思います。