紙の本
偽の金融リテラシー本に対する批判の書
2009/05/12 23:03
13人中、13人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:MtVictory - この投稿者のレビュー一覧を見る
良心的な金融リテラシー本である。
本業がある「普通」の投資家には資産運用に十分な時間は取れないもの。運用は仕事でも趣味でもないのだ。そのため著者は第一章でいきなり具体的な運用方法を述べ、自身「超簡単」という運用方法を紹介している。その方法は「ほぼ効率的」、「損をしない」、「無難」な方法だという。具体的な商品名や資金の配分比率まで書いている。更に、できるだけリスクを取りたくないという人のために「リスク調整可能型」という方法も挙げている。
資金はあっても本業が忙しくて運用している暇なんてない人、金融関係のセールスに無駄な時間やエネルギーをとられたくないという人向けである。他人任せの運用で金融機関にカモにされるくらいなら、本書は一読の価値がある。しかし分かりやす過ぎて、誰でも出来るくらいの方法なのでつまらないかもしれない。知的ゲームとして運用を楽しみたい人向けではない。
第一章で本書の結論を先に書いてしまったので、第二章は超簡単運用法の背景にある概念や考え方について述べている。第三章では持ち家と賃貸の損得判断や、日本の財政赤字に絡むパニック論、ギャンブルとの付き合い方などの10のトピックについて解説していて、これはこれで興味深い。
紙の本
投資から学ぶ人生のスタンス
2011/06/09 13:35
5人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:悠々楽園 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ひとはこの手の本を手にとって読んでみたい衝動に駆られがちだが、手にしてみればやっぱりあまり真剣に読む気にはならないし、読む必要もなかったと後悔することが少なくない。
この手のモノゴトに「読んだ通りやればうまくいく」ことなど皆無なのだ。その点では本書も多かれ少なかれその例に漏れない。
ただし、山崎元という人の反抗的態度というか、体制や権力に(おおむね)こびることなくすっぱりとモノ申す姿勢や言葉に元気や(ときには)勇気をもらえるという効用がこの本にはある。
といっても、巨悪をあばくというほどの物々しさはない。そのあたりの、良くも悪くも市民的良識的態度に真実味があり、共感を覚える向きは少なくなかろう。
タイトルの通り「余剰資産の超簡単な運用方法を提示する」というのが本書のメインテーマであり、さらに、その根拠の説明とに紙数の大部分を当ててもいる。考えてもしょせんわからないことや専門知識と時間が必要なことを素人がするのは現実的ではないので、投資効果として大きく劣らないお金の運用方法を伝授しようというわけだ。
著者の十分な経験と豊富な知識から洞察される経済・金融に関するアドバイスにはもちろん説得力がある。それはそれで役に立たないとは言わないが、この本の趣旨はまことしやかに語られるウソや儲け話のたぐいを真っ向から否定することにこそある。
すなわち、「甘い話には裏がある」ということであり、「十分準備をして真っ当なことを続ければ正当な利益(さほど大きなものではない)がもたらされる」ということにほかならない。投資に興味のある多くの人にとっては実につまらない話と映りかねないが、それが本当のことなのだろう(と思える)。
だからこの本から学ぶべきより重要なことは、投資や資産運用のプロとして、仕事を通して著者が見つけた「大らかな合理主義」と呼ぶところの処世訓のほうにこそある。いわく、
1 結論が出るものについては勇気をもって優劣をつけて選択し、しかし、
2 努力で改善できないものについてはくよくよとこだわらず、
3 事前の意思決定としておおむねベストならそれでいいではないか、
著者が本当に書きたかったのは、投資の技術や資産運用の方法論ではなくて、世の中にはびこる罠やごまかしに足を取られることなく、快適に人生を送るために取るべき人生のスタンスなのだ。
電子書籍
お金の教科書として最適
2019/12/27 09:57
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mistta - この投稿者のレビュー一覧を見る
お金に関するリスク、利用しないと勿体無い優遇制度、運用の初心者向けのお金の運用方法。
推奨する方法論についてその理由、メリットとなる点、存在するデメリットについてまで言及している。
5年以上前に書かれた本なので、書かれた当時の時代の情勢と現在の差異があるものの、概ね参考にする価値の有る内容。
お金の教科書として最適。参考にした。
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年始に読了.
今までに5回ぐらい読んで実践中.
まず3ヶ月分の生活費は貯まりました.
また,個人年金や生命保険も見直しました.
まず,こういったノウハウ本は実践あるのみ.
良くなければその時やめればいいので.
あとはETFへの資金作り中です.
これは半年ほどかけて勉強中です.
今年後半から仕掛けていこうと思います.
・・・というぐらいシンプルで実践しやすい本です.
すごくオススメです!
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H21.1.22
(運用するほどお金はないが、)今後の資産運用の指針とするのに最適な本。
著者の立ち位置を客観的に見据えたうえでの資産運用の明快な説明をしてくれた。
・何はともあれ、住宅ローンは優先的に返済しよう。
・うまい話には気をつけよう。
・過剰な悲観論はつつしもう。
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個人の資産運用を考えるときには、自分の”人的資本”や”ライアビリティ”(将来必要な支払い義務全般)のことを頭の片隅に置いておくと、見通しがよくなる。若い人は人的資本が概ね潤沢だから金融資産ではリスクを取ることができる場合が多いし、高齢者は持っている資産の割りにライアビリティが小さいからリスクを取ることができる場合が多い。
民間の保険会社の医療保険には入る必要がない。保険会社に高い手数料を払わずに、自分で貯めて運用する方が合理的。健康保険には高額療養費制度があり、大きな支出になる場合でも1時的な金策ができれば、一定額を越える額は後からカバーされる。健保に関する心配は、外資を中心に保険業界がアメリカのような民間保険会社の医療保険市場を日本にも作りたがっているように見えること。財政再建の名の下に強引に行われている医療費、社会保険費の削減をみてもわかるように、そのために公的医療保険制度をダウングレードしているのではないかという疑いがある。
生命保険で検討に値するのは、死亡保障の定期保険だけ。必要な期間に最小限必要な額だけ掛けるのが基本。
ライフネット生命保険の”かぞくへの保険”は保険料が圧倒的に安い。また”特約”を全廃している点も好ましい。
保険の”乗り換え”を伴うような生命保険の見直しは、前の保険の積立金を次の保険料の割引に充当して得をしたように見せかけているだけのことが多く、新しい保険に入った場合、最初の2年間程度は営業費見合いの付加保険料(手数料)を集中的に取られるので、実は大いに損だったという場合が少なくない。保険の見直しは、保障の縮小や不要な特約の解約など保険会社との縁を切る方向にのみ行うべき。
確定拠出年金は、最大限に利用したい。月々払う掛け金が所得控除の対象になる。
日本の財政赤字は明日にも国家破綻するようなものではない。パニック論とセットで売られる金融商品の方が怖い。
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生活費3ヶ月分を普通口座 残りの4割を国内ETF6割を国外ETF 大きな支出が必要となったらETFを解約が原則 TOPIX連動型上場投資信託 1306 iSheres MSCI KOKUKAI index (code TOK) 借金はしない リボはだめ 一人一行1000万まで預金保護 個人向け国債10年満期 MRF 不必要な保険にはいらない ライフネット生命保険の家族への保険 確定拠出年金 メリットは所得控除できる 過去の利回りと比較しない プライベートバンク お金持ち向けに特別儲かる運用はない 住宅を買うかどうか、最終的に考える尺度は家賃との比較 賃貸は家賃をはらっても自分のものにならないけど、買ってしまえばローンが終わると自分のものになるという不十分な二分法で思考停止しない。 自分がいくら払うのか、将来の物件価値はいくらあるのかといった損得を考えてみるべき マンション投資には近づくな 基本的に売り手が熱心に売っているものというは買ってもメリットが少ない パニック論の後ろには霊感商法が控えている。
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メモ
超簡単お金の運用法
1 当座の生活に必要なお金を銀行の普通預金に置く。(3ヶ月運程度)
2 残ったお金は全額国内外の株式に投資するETFに国内4割、外国株6割の比率で投資する。
3 大きな支出が生じたら、2を躊躇無く部分解約してこれに充てる。
4 必要な場合ネットで生命保険に入る。
ライフネット生命保険など
1本はTOPIXに連動。コード1306
もう一本はTOK MSCIコクサイindex
http://kaeru.orio.jp/blog/2008/02/msci_kokusai.html
人的資本
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(2009/4/29読了)タイトル通りの超シンプル投資術だった・・・。生活防衛資金(3か月分)を普通預金に置き、それ以外の資金は、日本株と海外株のインデックスETFを4:6の比率で購入せよ。以上。
すげー!さすがは山崎先生である。
ちょっと生活防衛がヤバイ現状なので、すぐには実行できないのですが、参考にさせていただきます。
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?生活費3か月分を現金保有、?海外株式ETFと国内株式ETFを6:4の比率で保有、?大きな支出の必要が出たら、躊躇なく?を解約し、当てるという内容。若い人は金融資産の中で大きな比率でリスクを取って良いという説明に対して、若い人は、人的資本価値として将来の稼ぎの期待値を現在の価値に評価して高い(1億円程度はある)為、金融資産の運用で取るリスクが相対的に小さいという説明は分かりやすかった。ALM(アセットライアビリティマネジメント)の考え方も参考になった。
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超簡単お金の運用方法(基本形)
1)当座の生活に必要なお金(例えば生活費3ヶ月分)を銀行の普通預金口座におく
2)残ったお金は全額内外の株式に投資するETFに、国内株4割、外国株6割の比率で投資する(TOPIXインデックス+ishares MSCI kokusai)
3)大きな支出の必要が生じたら、2)を躊躇無く部分解約する
●投資信託は絶対銀行で買わない
●自分が持っているものの価値は、過大評価されがち。
●実行上、最大の課題は、自分の買値より安い価格でETFを売却できるかどうか。
●株式投資に長期的かつ平均的に期待できる利回りは、市中金利プラス5%くらい
●生命保険はライフネットが安い
●バランスファンドはベストの運用対象にはならない
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いいたいことは冒頭に書かれていてシンプル。
基本的にはそれについてしかかかれていない。
他に書かれているのはなぜその方法になったのかの説明と、その他金融商品についての間違った見方を直してくれるような著者の回答。
業界側の人間である著者の そうでない側である客への思いが伝わってくる一冊。
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「何か投資を始める上でお手ごろな本はないだろうか」という方にオススメなのがこの本です。
最近は新書でも投資関係の本は出ているのですが、正直、玉石混交です。
この本の著者「山崎元」さんは有名な方で、色々な記事等書かれていますが、率直に意見を表明され、著者に対する批判的な視点も歓迎されており、意見に賛成するかしないかは別として、その姿勢には好感が持てる方だと思います。
(楽天証券でも記事を書いておられるので、著者が気になる方は楽天証券のレポートを参照されてみてはいかがでしょうか)
本の内容は「インデックスを使い、単純なポートフォリオを組む」と言った事がメインとなります。
そういう点では、「インデックス派」の投資関係の本を読まれる方にはそう目新しい事はありませんが、初めての方には色々と目移りせずに、そのことにのみに単純に集中して書いてある為、大変読みやすいものとなっています。
ただし、「個別株で一山当てる派」や「うねりをとる派」ではありませんので、そちらを投資に期待される方はご注意です。
基本、上記の投資の方法についてがメインですが、「401K」や「保険」「貯蓄」とうにつていも記述があり、投資だけでなく「お金の運用」トータルの本として読むことが出来ます。
また、「プライベートバンク」「住宅」「財政パニック論」「ギャンブル」などについても、ちょっとした記述があり楽しむことが出来ます。
投資を始めるにあたり、変な投資話に騙される前に、この手軽に読めて1,000円足らずの本に投資をして「普通の常識」を仕入れておくことをオススメします!!。
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山崎氏が伝えたいことは、本誌を通して伝えたいことは、、
「あなたが儲けていないものは、銀行や証券会社が儲けている。
これは投資信託以外全ての金融商品を通していることである。
(住宅ローン、リボルビング払い、定期預金等)」
なんって感じのことを伝えるための一冊だと読み取りました。
また、本誌の中で、銀行・証券会社が儲けないものは、銀行や証券会社では「あまり売りたくない・売りたがらない」更には、別のものを売り始めるので注意しなさい。
だからネット銀行のほうが良いんだよ!なんって紹介でした。
まだまだ、今後金融資産を学ぶこと・増やしていく立場であることを思うと、考えさせられることが多くあります。
P25に書かれている今までに思っていたことが凝縮されていました。
銀行は窓口で投資信託の販売を行うようになったが、ETFをまだ扱っていない。銀行がラインナップしている投資信託は、多くは手数料の高いものだ。著者は、個人のお金の運用に適していると判断できるものをほとんど診たことが無い。
読者は「投資信託は決して銀行で買わない」と決めておいて結構だと思う。ついでに「個人年金保険」などと称することが多い変動保険も買わないと決めるといいだろう。銀行で購入してもいい商品は、ある程度の金額の決済余蘊普通預金を除くと、せいぜい個人向け国債だけだ。
~ココまで抜粋。
確かに、私自身も、銀行のメリットを最近考えていて。。「余り無い」しいて言うなら、全然使わない振込み・クレジットカードの引き落とし(引き落としは全て一括にしています。)
更に、終始一貫して、金融機関が儲からない商品を進めているところが、証券マンらしくなくてすごいと思います!
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簡単運用術は3ヶ月ほどの必要資金を普通預金に持っておき、あとは国内と海外のETFに投資するというかなりシンプルなもの。この方法が良いかどうかは個人の好みにもよるんだと思うけど、私は結構好きかもしんない。というか、ややこしすぎるのは性に合わないもので。
生命保険のことや為替のこと、そして「長期投資でリスク軽減」や最近恐慌派が好む「経済破綻寸前の時代には金」といった誤った常識をわかりやすく解説してくれてる(気がする)。