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ドキュメント豪雨災害
著者 稲泉 連著
決壊する河川,崩壊する山々,危険をはらむ土砂ダム…….東日本大震災から半年後,紀伊半島を襲った台風は百名近くの犠牲者を生んだ.いったい何が起きたのか.どんな危険が身を襲っ...
ドキュメント豪雨災害
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ドキュメント豪雨災害 そのとき人は何を見るか (岩波新書 新赤版)
商品説明
決壊する河川,崩壊する山々,危険をはらむ土砂ダム…….東日本大震災から半年後,紀伊半島を襲った台風は百名近くの犠牲者を生んだ.いったい何が起きたのか.どんな危険が身を襲ったのか.奈良県十津川村,和歌山県那智勝浦町の現場を,ノンフィクション作家が行く.豪雨のリスクに無縁な地は日本にはない.首都水没予測も含め,豪雨災害の実態を伝える迫真のドキュメント.
目次
- 目 次
- 序
- 第一章 深層崩壊する山々 ──奈良県十津川村──
- 1 台風一二号の爪痕
- 2 十津川村災害史
- 3 救援体制はどう作られたか
- 第二章 那智谷を襲った悲劇 ──和歌山県那智勝浦町──
- 1 時間雨量一〇〇ミリ超の現実
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紙の本
水害の国、日本人の心得
2014/07/20 10:03
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投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、3年前に紀伊半島を襲った台風12号の豪雨災害を振り返り、読者に追体験をしてもらうことで、今後の防災に活かしたいという内容でした。
第1章と第2章は奈良県十津川村と和歌山県那智勝浦町の悲劇を、渾身の筆力で活写しています。深夜の豪雨に何が起きつつあるのか分からない不安感と恐怖。翌朝、状況が判明した時の驚愕と混乱。当てにならない役人。立ち上がる人々。復興への長い道のり。とにかく迫力のあるルポでした。そして、そこには、いくつもの教訓がありました。
「避難指示・勧告の発令はその場所に危険があることを示すが、発令がなかったことは必ずしもその場所が安全であることを示すものではない(105ページ)」
「役場の混乱を非常に感じたのは、会議で『誰かが被災現場に行かなければならない』という話をしても、それがなかなか実行に移されない(109ページ)」
「役場に頼んでもできん、できんと言うばかりやから、自分たちでやるしかない(119ページ)」
昨年の伊豆大島での悲劇もそうでしたが、いざという時、役所(公務員)は全くあてになりません。自分の身は自分で守らなければいけないと強く思いました。
毎年、全国各地で起きている水害。今年も既に、長野県の梨子沢で、台風8号による土石流に巻き込まれ犠牲者が発生しました。しかし、同じような事が、自分の身に降りかかると思っている人は少ないのではないでしょうか。第3章では、過去の水害を振り返り、首都圏を始めとした都市部の危険性を問うています。本書を読んで、防災意識を高めておく必要があると思います。少なくともハザードマップを確認しておくだけでも違うでしょう。