神道の常識がわかる小事典
著者 三橋健
日本の風土から生まれた固有の民族宗教・神道。私たちの日常に深く根を下ろしながら、その由来や作法を知らない人が多いのでは? 「二拝二拍手一拝」にはどんな意味があるのか。なぜ...
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商品説明
日本の風土から生まれた固有の民族宗教・神道。私たちの日常に深く根を下ろしながら、その由来や作法を知らない人が多いのでは? 「二拝二拍手一拝」にはどんな意味があるのか。なぜ禊(みそぎ)や祓(はらえ)が大切なのか。天皇と稲作の関係とは……。神道の根本思想を説きながら、興味深い話はさらに広がる。「神道」という語は中国で造られた熟語であるという。割り箸のルーツは神道儀式にあった。神職のことを禰宜(ねぎ)と呼ぶのは神を「ねぎらう」から。神棚は、南向きないし、東向きの高いところに設けるのがよい、など日本人なら知っておきたい神道の基本知識を教えてくれる。さらに、『古事記』『日本書紀』をはじめ、国学の四大人(うし)といわれる荷田春満、賀茂真淵、本居宣長、平田篤胤などの国学者についても紹介。また、伊勢神道、吉田神道、山王神道など、神道の様々な流派についても解説する。碩学が太古より伝わる神の道を解き明かしている。
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日本人の風呂好きは、気候風土だけではなく神道の影響があるのかも。
2008/04/12 12:17
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:佐々木 昇 - この投稿者のレビュー一覧を見る
奈良の都から筑紫の大宰府帥として着任した大伴旅人は任地で妻を亡くしている。その大宰府政庁の南にある現在の二日市温泉で《湯の原に鳴く葦鶴はわがごとく妹に恋ふれや時わかず鳴く》と詠んでいる。
この万葉集に収められている歌について『萬葉集とその世紀』において北山茂夫は休養のために温泉地を訪れ、亡き妻の念を深めこの歌を詠んだのだろうと注釈をつけている。字面だけを追えば、なるほどなあと思っていたが、本書を読み始めて早々に「万葉集」は神道古典として位置付けられているとある。神道と「万葉集」とがどのように関わりがあるのかが不思議だった。
そして、47ページに「湯」は「斎(ゆ)」に通じ、地底からわき出る泉(温泉)は地底の「黄泉の国」とつながっているところからあらたな魂の「よみがえり」を願っての禊(ミソギ)であると出ている。
今まで、妻を任地で亡くした男が、淋しさを温泉で紛らわしていたものとばかり思っていたが、大伴旅人は妻の新たな魂の「よみがえり」のために禊(ミソギ)をしていたことになる。神道を背景にした慣習とはいえ、都から遠く離れた任地で湯につかり亡き妻と会話をしていたのだろうなと思うと、大伴旅人の哀れさが増してくる。
また、風呂桶のことを湯船とも呼ぶが、この船とはこの世(現世)とあの世(来世)とを行き来する聖なる乗り物であるとも出ている。無意識のうちに、入浴という形で日本人は神道における祓いや禊といった行為を日常生活の中に組み入れているのかと、感心をした。多くの日本人はなんの疑問も抱かずに年始には神社に参詣するが、このことは特別な行為でもなんでもなく日常生活に溶け込んだ神道の一つの行為でしかないということか。
神話の世界の延長という認識で神道を見ていたが、この小冊子は「万葉集」という作品の裏に隠れたもう一つの深い意味を引き出してくれる手助けとなり、「古事記」などの古典を別の角度から読み説く必携の書ともなった。
初心者向けではない
2008/12/10 09:41
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:K7 - この投稿者のレビュー一覧を見る
私はほとんど知らない神道について入門書のつもりで本書を購入した
私が購入を考えている方に注意していただきたいのは、本書は”小事典”という点についてである
内容は、神道について理念、教理、歴史など幅広くあつかっている
出典などは年月日まで丁寧に書かれている、が、初心者にとってそれは不要なものである
また、固有名詞が多用されており、理解するために何度も辞書を引かなければならなかった(それでもよくわからない部分もあった)
神道について興味を沸かせる部分もあったが大半のページからはまるで教科書のような印象を受けた
ある程度知識のある人が読めば面白いかもしれないが、とりあえず初心者向けではない