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初めては、おじさまがいい
著者 葉月奏太
営業マンの伸二郎は、他界した兄の娘の理沙をひきっとってアパートで二人暮らしをしてきた。理沙は健気に伸二郎の世話をしていたが二十歳になった今、日増しにセクシーになっていくの...
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初めては、おじさまがいい
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商品説明
営業マンの伸二郎は、他界した兄の娘の理沙をひきっとってアパートで二人暮らしをしてきた。理沙は健気に伸二郎の世話をしていたが二十歳になった今、日増しにセクシーになっていくのだった。そしてある出来事がきっかけで理沙に「初めては、おじさまがいい」と迫られた伸二郎は…。抑えきれない欲情が弾ける官能ロマン。
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紙の本
タイトルのイメージそのままな回春的純情恋愛物語
2015/01/05 21:21
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る
なかなか蠢惑的でドキッとする表紙カバーイラストだが、本作のメインヒロインである姪はこんな破廉恥なポーズをとる娘ではない(官能小説としてナイスなのは言うまでもない)。また、タイトルから得られるイメージに反した「迫られ系」な内容との憶測も(葉月作品だけに)一瞬よぎったが、それは杞憂に終わった。むしろ訳ありな叔父と姪の、禁断を超えた純愛な作品だったと言える。相姦かと思わせながら交錯する2人の想いがドラマチックな展開の果てに素敵な結末を迎えている。
ただし、そんな作風にあっても主人公と共に読み手もそわそわしてしまうテイストは盛り込まれている。自身の生い立ちにある負い目もあってか従順にして可憐で気立ても良く「おじさま」と慕う姪にちらつく男の影に動揺する主人公が終始描かれているが、そこにある恋慕の情と叔父という立場や年齢差といった葛藤は回春路線の王道でもある。しかしながら、そうした悶々とした心情を多少なりとも緩和させてくれるのが作品世界に満ち溢れている下町っぽい人情。挫けそうな主人公を周りの人々が陰日向に支えてくれている。そして、同時に悩みを抱えた女性達を癒しているのも主人公だったりするのである。
近所にある乾物屋の若女将に始まり、取引先の事務員から行きつけの小料理屋を営んでいる幼馴染みまで、姪を密かに思いながらも周りにいる女性達と逢瀬を次々と重ねるのは官能小説ならでは。それはそれで濃厚な描写でもあるのだが、本作および姪に漂うピュアな雰囲気のせいか、今回の主人公は官能的行動のだらしなさが少し浮き彫りになっているように見えなくもない。ただ、これらは結末へと至る繋ぎだったり、果たせなかった積年の想いを振り払うためのものだったりといった深みを内包して作品世界を切なく彩っている。そして、そんな主人公に「初めて」を捧げる場面で姪が心に忍ばせていた想いは最高級に切ないの一言である。
最後にほんわかさせてくれるハートウォーミングな結末を、官能成分もありながら人情物語としても楽しめるのが本作の魅力と言えよう。