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スナイパーの誇り(上)
著者 [著]スティーヴン・ハンター , [訳]公手成幸
ボブ・リー・スワガーは親友の記者キャシー・ライリーがモスクワから発したメールを読み、いたく興味を掻き立てられた。第二次大戦末期の独ソ戦で輝かしい狙撃歴を残したソ連邦赤軍に...
スナイパーの誇り(上)
スナイパーの誇り 上 (扶桑社ミステリー)
商品説明
ボブ・リー・スワガーは親友の記者キャシー・ライリーがモスクワから発したメールを読み、いたく興味を掻き立てられた。第二次大戦末期の独ソ戦で輝かしい狙撃歴を残したソ連邦赤軍に女性狙撃手がいたという。名前はミリことリュドミラ・ペトロワ。射殺した敵兵数は百を超え独軍からは“白い魔女”と呼ばれ恐れられていた。だが1944年の半ば以降ミリの名前は記録からふっつりと消える。いったい彼女になにがあったのか。ボブはただちにモスクワに飛び当地でキャシーと再会しミリに関する調査を開始した!
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紙の本
68歳位の老・元名スナイパー(ボブ・リー・スワガー)の戦いや如何にと思ったら、何と主役は第二次世界大戦時の独ソ戦における赤軍美女スナイパー“白い魔女”だったとは。
2016/12/07 10:36
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
全く期待を裏切らない面白さでした。68歳位の老・元名スナイパー(ボブ・リー・スワガー)の戦いや如何にと思ったら、何と主役は第二次世界大戦時の独ソ戦における赤軍美女スナイパー“白い魔女”だったとは。突然、記録から姿を消した“白い魔女”の謎を追うボブ・リー・スワガーが、“白い魔女”の最期の狙撃地で彼女の銃で狙撃をするという出来過ぎた話ではあるが、スパイ絡みの謎解きと、緊迫した追撃戦、そして感動的な幕切れ(出来過ぎですが)に超満足でした。
1942年のスターリングラードで、独・ソ連のスナイパーの息詰まる一騎打ちから始まる。ロシアのスナイパーは絶世の美女・愛称ミリ(リュドミラ・ペトロワ、“白い魔女”)。この対決は、ドイツのスナイパーが右肩を撃たれて終わるが、ミリも脚を撃たれるらしい。この短いプロローグからいきなり現在(2014年)に変わり、キャシー・ライリー(ワシントン・ポスト紙モスクワ特派員)からスナイパーに関する事項で相談を受けたボブ・リー・スワガー(名スナイパー)が、狙撃銃モシン-ナガン91から徐々に“白い魔女”=ミリに関心を持って調査を始めることになる。話は、1944年の独ソ戦の中で、ミリの行動を追う話と、ボブ達が英雄であるべき“白い魔女”=ミリが1944年7月を境に記録が完全に消え去ってしまった理由を追う現在との間を交互に展開される。“白い魔女”=ミリが、何やら独・ソ間の途方もない陰謀に巻き込まれ、独・ソ両方から抹殺対象にされたらしいところまで進んだ段階で、突然モサドが登場し(上P-186)、ボブとキャシーが車にはねられそうになり(上P-198)、70年も前の事件が現在の大きな陰謀に関係しているらしいことを示唆させる。更に突然、何の脈絡もなく1944年7月のドイツ特殊部隊によるソ連側戦線内における橋爆破作戦の話が出てくる。ム、これはひょんなことから孤立無援のミリに対する救世主にするための布石かなと勘ぐるが、結末になって正にそのとおりであったことが判る。
下巻でも、過去を調べるボブが70年前にミリが狙撃を行った場所を特定するための推理に並行する形でミリの戦いが活写される。70年前にミリが運命のドイツ軍将校狙撃(1000mの超長距離狙撃)を成功させたその場所で、ボブは遂に姿を現した謎の陰謀組織との死闘を展開することになる。なお、狙撃に成功したミリは結局ドイツ軍の手に落ちるが、予想通りドイル軍特殊部隊に助けられて、共に中立国であるスイスへと亡命して生きながられることになる。ちょっとハッピーエンド過ぎるきらいはあるが、純粋に使命を全うする人間でおまけに美人とあってはこれ位のご褒美があっても良いでしょう。
なお、何故ミリが両方からの抹殺対象になったかと言うと、スターリンの右腕とも言うべきソ連軍高官がナチス軍高官の反ユダヤ思想に傾倒してユダヤ人大虐殺という点で共鳴し、ナチスのスパイとしてナチス軍進出地域におけるユダヤ人名簿を渡していたという事実を独ソ協力して隠蔽しようとしたということである。但し、ミリ=“白い魔女”がどうやってその事実に気付いたかに関しては何も触れられていなかったように思うのだが・・・・・・・・、読み落としたのかな。