紙の本
ミイラ取りがミイラに・・・みたいな感じ
2015/04/07 18:11
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投稿者:kazu - この投稿者のレビュー一覧を見る
世の中どんどん便利になって、情報なんて秒単位で取得できるけど・・・
この本の主人公は、他の人をフォロアーすること等デジタルな世界での活躍で自身の会社での評価も上がっていくのだけれど、途中から読むのもつらくなってしまった。
それも職業っていえば職業だけど、う~ん、実体の人より仮想の人との付き合いの時間が長いってのは楽なんだろうけど、得るものがあるのかな~。
いろいろ考えさせられながら、分厚い本を読破しました。結論として、どんどんつながるLIN×をやめて、その分はちがった(読書や音楽鑑賞)趣味に回しています。
紙の本
すべてお見通し
2020/12/20 23:56
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
憧れの情報企業に入社したヒロインに待つ、思わぬ落とし穴にゾッとします。全人類の一体化と透明化を目指す、カリスマ経営者も風刺がきいていました。
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なんという恐怖小説。グロでもオカルトでもないのに。
訳者はあとがきで「にやりとさせられたり膝を打ちたくなったりするようなエピソード満載」と書いているが、笑えるどころではない。最高に恐ろしくて気持ちが悪かった。
もちろんそれはこの小説が面白くないという意味ではなく、SNS疲れを感じている人や、逆に所謂ツイ廃の自覚がある人に読んだ感想を聞いてみたい。
恐怖と気持ち悪さの要因は2つ。強制コミュニケーションとファシズム的情報管理。
1部では、見聞きした情報や映像を含む自分の全ての情報を同じ「サークル」の社員たちと共有するのが当たり前であり、毎日膨大なメッセージを交わし合うのがコミュニケーションであるという社風が延々描かれる。
何しろポルトガルの話で盛り上がるためのブランチ会のお誘いメッセージをスルーした主人公が上司に呼び出され、メッセージを無視されたことに涙ぐむ会の主催者に謝罪させられ、その経過レポートを全社員が共有するというんだから相当気持ち悪い。
この上司いわく、
「たとえば、この会社が幼稚園のクラスだとして、ひとりの女の子が誕生パーティーを開いたときクラスの半分しか出席しないとすると、誕生日の女の子の気持ちはどうなると思う?」
幼稚園児の集まりかこの会社は。
主人公はこんな社風に疲れ病んでいくのか……と思いきや、2部ではむしろ主人公のほうが気持ち悪さのスターダムにのし上がっていく。
全ての情報が公開され誰もがそれを見られることこそが全世界の幸せだと信じて疑わない主人公は、ただ静かに病気を癒したいと願っている両親のメルアドを無断でネットに公開し、「サークル」に情報管理されたくなくて逃亡した元カレを監視カメラとネット信者の「協力」で追い詰める。
どれもこれも発端は彼女の「善意」であり、何故それを両親や元カレが厭うのかが彼女にはさっぱり分からない。全てをオープンにして全世界と繋がることをどうして拒むのか?
果ては昏睡状態に陥った友人の頭の中を覗けないことにすら苛立ちを覚えて侮辱と感じる。
いよいよ世間で不評のマイナンバー制度が施行されようとしているが、これを読んだらますます不安しか覚えない。
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秘密は嘘
分かち合いは思いやり
プライバシーは盗み
すべてを人に見られている生活を拒むことのできないことの悲劇がある。
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サークルの目指す「完全化」。これまで自分が繰り返し夢想してきた世界と重なる部分が数多くあった。したがって、薄気味悪さや居心地の悪さを少し感じながらも、完全化された世界への拒絶感はなく、むしろ自分のような人間には歓迎すべき世界なのかもしれないなどと思ってしまった。
自分はもしかしたら、「サークラー」の世界の方が心地よいのかもしれない。深い人間関係を築かなくても、組織の一員でありさえすれば、自分のスマホで検索するだけで他人のすべての行動が把握可能な世界だ。現実世界での人間関係の構築が不得手な自分にとっては、好都合ではないか。
最近、ブクログのレビューを書くことに重きを置きすぎていないか?もう少し純粋にがむしゃらに読書したい。しばらくは読書状況の記録にとどめて、レビューを休んでみてもいい。
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ライフログの公開による「透明化」を推進する社会を描くティストピア小説。
「
秘密は嘘
分かち合いは思いやり
プライバシーは盗み
」
という標語は、オーウェルの「1984」に出てくるダブルスピーチの翻案だろう。
極端な情報公開主義と新自由主義の結託と暴走、という大構図もさることながら、細部にくりかえし描かれる、承認への渇望とハイパーメトリックの「病み」と「闇」がリアル過ぎてつらい。みんな、こうやって狂っていくのだ。
こんな風にはならないよ、と信じる理由が私にはない。テクノロジーもメンタリティーも、もう揃ってるのだから。
ハリウッドのアクション映画の文法でつくられたようなビジュアル優先で構想されたように感じるシーンが繰り返し出てくるのも印象に残った。具体的には、遠隔操作で追い詰められるところのアナウンサーの嬌声の差し込み方や、鮫の水槽のシーンのアップの表情を次々切り替えながら切迫感を出すところ、プランクトン会議でのプレゼンテーションと喝采など。悪い意味で目に浮かぶようだ。テクノロジー支配下の想像力の限界についての物語が、その作劇においてハリウッド的想像力の枠組みとらわれているのは興味深い出来事だ。
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現代の1984。舞台はサークルという「C」のロゴを持つIT企業。疑いようもなくモデルはGoogleであり、世界は知らず知らずのうちに情報を管理され、プライバシーはなくなり、監視のもとに晒される。「C」の穴が閉じるとき、サークルは完全な円になる。
ここでは、SNSのニコマークを得るのに中毒になっている人間や、知る権利の正義を信じてハードワークをこなす人間がたくさん出てくるが、それらは全て私たちの生き写しだ。私たち一人ひとりは罪のない一般人だし、影響力もないし、そんなに悪い人でもない。ただその無意識の盲信が集団で持つ力はあまりに大きすぎる。
知る権利は確かにあるところまで正義だろう。性犯罪をなくすこともできるだろうし、介護が必要な親の生活を見届けることもできるだろうし、税金の無駄遣いをなくす効率的な政治をすることもできるだろう。しかし、アカウントを義務化して、人間にマイクロチップを埋め込むのはやりすぎだ。ただ、その境目はどこだろう。その境目ははっきり分かったり急にやってくるものではなく、あまりにグレーで緩やかにやってくるために、我々は変化に気付かず、気付いた時には世界は終わっている。
非常によくできた小説で、デイヴ・エガーズという新進気鋭の作家の実力にも非常に惹かれた。
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とにかく面白かった。500ページ超の本を一気に読んだ。
実在するIT企業を髣髴をさせる現実的な設定が特に面白かった。
あと10年もすれば全て実現できるのでは?と思わせる
妙にリアルな近未来の世界がぞわぞわと心に迫ってくる。
便利にすること、だれにでも分かりやすくすること、正直で公平であること。
そこから始まったことが段々と常軌を逸していく。
スタートが「善」だと、そこに異議を唱えるのは難しい。
中庸というのは本当に難しいのだと改めて思った。
このシステムは本当に便利だ、だれにでも無料で使えるようにするべきだと思うシステムもあった。けれど、その裏には常に危うさが付きまとう。
オンラインが実生活から切り離せなくなっている以上、この難しいバランスをずっと取り続けなければならないのだ。
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ページ数が多いのに、1ページにしめる文字数も多くて本当に読みきれるのか不安になったけど、なんとか読み切ることができた。
内容は監視社会になるまでの話。まさかのバッドエンドだった。
なんとなく、サマーウォーズを思い出した。ハッキングされたら大変なことになるな。いや、それも監視してるからそういうことが起こる可能性は低いのかもしれない。気付かれないように盗撮できるかもしれない仕組みを社会的にいいことと宣言するのはどうなんだ・・・。
いやでも、本当、こんな会社なら嫌だよね。コミュ障の自分なら絶対ついていけない。
後、主人公がまさかのヤリマンだった。3%しか嫌う人がいないことに驚き(無記名投票じゃないから、嫌いでもそうじゃないと答えた人はいそうだけど)。
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SNSをカリカチュアライズしたような小説で、Facebookなどを一生懸命やっているのであれば面白く読めるのかもしれない。
冴えない地方公務員であったメイは知人のつてで人も羨む最先端企業サークル(グーグル?)に転職する。「起こったことは全て知らされるべし」の原則のもと、メイはSNSに没頭して社内でのパーティーランクを上げ、プライベートでも謎の男性カルデンとの関係を深めていく。サークルの新たな社是である透明化(常にカメラを装着してプライベートの全てを公開する)にもいの一番に志願し、世界の全てを透明化し選挙もサークルのSNS機能に統合しようという会社の広告塔になっていく。
カルデンがサークル設立者の一人であることを明かされ、過度の透明化、政治化への危惧を説かれたメイは、一大発表会で透明化への反対を表明するように説得されるが、、、
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2015/5 怖い小説だ。半分はリアルな世界で起きていることで、半分はこれからリアルになりかねない世界。facebook twitter 食べログ 楽天 amazon Yahoo! google etc これらが合併したら便利なのか恐怖なのか。
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メールやSNSでの活動、支払い履歴などの全データを蓄積する巨大インターネット企業「サークル」により、個人のプライバシーが可視化し1つの巨大な世界になっていく様を描く。
映画化されるみたいですね
メイはエマ・ワトソン、トム・ハンクスはカルデン?
現在のテクノロジー進歩スピードを考えると
SFでもない気がする、怖いですね。
つかみはOKだったが、途中でだれた、長かった。
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全てのものがIoT化されたときに起きるものは。最後があっけない。続編が出るのかもしれない。読むのに意外と時間がかかった。
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世界最高のIT企業「サークル」に転職した24歳のメイは、熱意ある同僚に囲まれて充実した会社生活を送りはじめる。しかし、社員同士のコミュニケーション手段がSNS主流の生活は、次第に彼女のストレスとなってくる。
人間とインターネットの未来の良いところと悪いところを考えさせられる小説。
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2017年映画が来るということで先読み。まぁおもしろかったのだが、スピーディーなテンポがまるで映画向き。読書としては少々疲れます。原文がそうなのかどうか未確認とした上で、日本語版はけっこう読みづらかった。古式ゆかしい文学ではなく、そのスタイルでさえ情報の海の中心である“サークル”的な表現なのだとすれば、ふさわしい訳文と言うべきか。
Facebookなどソーシャルメディアとのつきあい方を見直したい人や違和感を明文化しておきたい人(大なり小なりきっと誰もがそうだと思うのだけれど?)は読んでみるといいかも。確かに「嘘やヒミツがなければその場面で争いや憎み合いにならないのに」と思うことはある。でもヒミツ――まだ語られていないということは、人生で必要だとも信じているので、同書で描かれている世界はわたしにとって完全にデストピアでした。
予告編で観ただけで判断するなら、メイ役のエマ・ワトソンがおそらくはまり役。完全にイメージ付けられてしまい、読書中も脳内再生はエマ・ワトソンだらけでした(笑)
これは映画が楽しみ。救われる方向の描写があると嬉しいのだけど、どうなるのでしょうか。