くらがり同心裁許帳
著者 井川香四郎(著)
一年前に内藤新宿の飾り職人が、酔って大川に転げ落ち溺死した。 奉行所の調べでは、単なる事故として片づけられたが、その死を受け入れられない母親は、月命日のたび南町奉行所に...
くらがり同心裁許帳
商品説明
一年前に内藤新宿の飾り職人が、酔って大川に転げ落ち溺死した。
奉行所の調べでは、単なる事故として片づけられたが、その死を受け入れられない母親は、月命日のたび南町奉行所に再吟味を哀訴していた。
同心の角野忠兵衛は、事件の真相をつかむため探索を始める。彼のお役目は迷宮入り事件ばかりを扱う「永尋書留役」。奉行所の角に忘れ去られた事件を追って、窓際同心角野忠兵衛が八百八町を駆け巡る!
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江戸時代番おみやさん登場
2004/09/20 14:47
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投稿者:伊藤克 - この投稿者のレビュー一覧を見る
与力番所の例繰方永尋書留役、角野忠兵衛シリーズの第一巻。
例繰方永尋書留役とは未解決事件の調査・記録係で与力番所でも極めて窓際的存在である。現代でいえば、某TV局で渡瀬恒彦が主役だった「おみやさん」シリーズのようでもある。
南町奉行所大門前で一人の老婆が一年前に事故死した息子の事件を調べ直してくれと訴えにきていた。話を聞いた角野忠兵衛は、深川遊郭の女郎おさよの身請け金強奪に絡む殺人事件と断定し犯人を割り出す。
日頃竹光を腰にさして歩く昼行灯の忠兵衛が鍔と鞘を紙縒で結んだ真剣を手にする時、事件は解決する。
遊郭に売られ、地回りの親分に引かされるおさよと許婚の母親を描いた「闇の明かり」、だめな(と思われていた)父親と野心を持つ息子を描いた「埋もれて候」他どれをみても人への優しさで溢れている。