紙の本
ひとつの生き方として
2020/02/21 09:30
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:けろん - この投稿者のレビュー一覧を見る
生き方として、非常に参考になりました。
この本に書かれている対人関係療法の考え方は実践しやすいため、社交不安障害の対人関係療法に関心がある方はもちろん、他の治療を受けている方や自分でやってみたい方にも一読をおすすめします。社交不安障害の方にとって重要な他者である、家族や恋人、親友の方などにもぜひ読んでいただきたいです。周りの理解やサポートがあると、治療効果が出やすいからです。
私は今後の治療として対人関係療法を採用する予定はありません。作者の水島先生は患者さんに特に薬物療法、そして可能であれば認知行動療法(運が良ければ対人関係療法)を勧めておられます。対人関係療法を専門にする病院は数少ないため、この治療を受けられる機会はごく稀だそうです。
ただ、対人関係療法を受けるつもりがない私でも、社交不安障害との付き合い方、楽に生きる考え方として本書から学べることは数多くありました。
社交不安障害を「病気」として捉えることで、決して私の「性格」の問題ではないと分かり、自分を責めることが減った、というのが一番の変化です。
「多少の不安を感じながらも行動すれば、自信がついて不安が軽くなる」、「不安によって出る身体症状は症状として受け入れるときに、もっとも力を失う」という言葉には背中を押してもらえました。
また、対人関係療法の考え方として、「境界設定」という考え方が、私にとってとても役に立っています。自分側の問題と相手側の問題を分けるよう意識することで、人と関わるのが楽になりました。
そして、社交不安障害から学べることがある、と考えると前向きになれます。水島先生は、社交不安障害は「人間性の受容」を学ぶ機会を与えてくれる、と書いておられます。相手そのものに関心を向ける、不完全さを受け入れることができるようになると、人間の温かさに気づくことができると思います。
「人に言われたことは、自分に役立つと思えば受け入れれば良いし、有害だと思えば受け入れなくて良い。相手側に問題がある場合もある。」当たり前のことですが、先生に改めて言っていただけて良かったです。
この本を読んだことで、改めて社交不安障害ときちんと向き合おうと思えました。自分を信じて、治療を進めていきます。
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今は「社交不安障害」っていうらしい。
「人間性の受容が学べる病気」
つまりはそこが課題。
なきそう。
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自分の人生を変えてくれた大切な本です。
この本をテキストにした対人関係療法で、社交不安障害を治すことができました。
実際に社交不安にかかっている人だけでなく、人づきあいが苦手だなっておもっている方も、読むことで楽になるところがあると思います。
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人から変に思われないか、とよく不安になる人は読んでみて。いいひとを演じるのに疲れた人にもオススメ。
えー、そんな治療するようなもんじゃないよ、とか避けるのはもったいない。社交不安障害という病気の症状とカラクリを知ることで、少し楽になれるかもしれません。
自分のためのまとめ:
不安センサーが強すぎて、気にしなくていいことまで心配させて、引っ込み思案にする病気。センサーが起こす身体症状(手の震えなど)は、病気を直す努力をする間は仕方ないと考える。先に症状を打ち明けるのも一手。
客観的に、自分が相手の立場だったらどうかと考えてみる。自分は悪くなくて、相手の態度が悪いのかも。自分が本当はどうしたいのかというニーズ、相手への期待、自分が不安に思っていることを、打ち明けてみる。人は自己開示しあうことで親しくなる。親しくなりたい人は、打ち明けてくれるのを待っている。思いきって誰かとの関係を変えてみるには、病気を理解している協力者(治療者)との作戦立てとロールプレイが効果的。小さなコミュニケーションから挑戦して、大丈夫だった経験を少しずつ増やして、コントロール感と自信をつける。誰かへの期待と現実とのずれが、対人関係のストレスになる。期待はきちんと言葉で確認しないと正しく伝わっていないことが多い。
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■安心感の持てる治療者とは
対人関係療法を自分自身でも試してみたいと思われている方は
できるだけ安心感の持てる治療者(この人だったら何を話しても大丈夫だと思える治療者)を
見つけてください。
対人関係療法を専門とする人ではなくてもかまいません。
人間として信頼できる、安心できる、と思える治療者は見つかると思います。
ポイントは
①「何を考えているのかわからない」タイプではなく、
自分の味方になってくれていることがよく分かる人
②社交不安障害を病気として扱ってくれて
その病気の症状による自分の苦しみを分かってくれる人
③批判的ではなく温かい人
です。
■自分を守るために採用してきた方法を肯定する
役割不安とは
本来は能力がある領域なのに
リラックスできないと言うような特徴を意味します。
身近に批判的な人がいたりした影響で
長年の間に身に付いてしまった「根拠のない不安」と言ったほうが
わかりやすいかもしれません。
これは社会不安生涯の発症と経過に
関連の深い問題領域として考えられます。
まずは、自分の対人関係をよく検討してみるところからはじめます。
対人関係を検討する、と聞くと
すぐに「自分は他人から好かれない、人と話すのが苦手」などという
考えが浮かぶと思いますが
ここでいいたいことはそういうことではなくて
自分の「役割不安」から守るために身に付けている
パターンを検討してみる、ということです。
たとえば、いつも忙しそうにしている、
人と一緒の時はつねに携帯電話を操作している、
というパターンもあるでしょう。
あるいは、人と眼を合わせないようにする、
できるだけ目立たないようにする、
というようなものもあると思います。
その場の話に関心がなさそうなふりをする、「いい人」になって
相手のいう事を何でも受け入れてしまう、というパターンもあるでしょう。
これらのパターンをよく認識した上で
そのパターンが実際の対人関係や自己肯定感に
どうのような影響を与えているのかを考えてみることは
役立ちます。
忙しそうにしたり、形態ばかり操作したりしていると
他人は「社会に関心がない人なのだ」と思うでしょう。
その場の話に関心がなさそうなふりをすると
他人は「自分たちとかかわりを持つことに関心がないんだな」と
思うでしょう。
いずれも、他人が近づくことを阻む効果があります。
また、人と眼を合わせないようにする、
できるだけ目立たないようにする、というようなやり方を
していると
自己肯定感をますます失っていくでしょう。
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社交不安障害は性格の問題でもなく、自意識過剰でもなく病気であるとの事だが、この境界線は曖昧だし識別は困難であるとあらためて感じた。
「対人関係療法」はかなり実践的で有効であるように思えたが、これは治療者の高度なスキルが求められるので、治療法としては広がり難いという点では現実的ではないのかもしれない。
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社交不安障害に対する対人関係療法のエッセンスが理解できた。病気として受け入れ、コミュニケーションをとるやり方を教えることが治療につながる。相手と自分の教会をはっきり区別できるように指導すること。
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社会不安障害(社交不安障害)を分かりやすく説明しつつ、筆者が力を入れている対人関係療法でどう対応しているか書かれている。もう一つの治療として書かれている認知行動療法は一部効果がない場合もあるとあるが、何故なのか、はっきり書いていないので、そこはわかなかった。治療の結果でないものが、治療の効果として結構混ざってしまっているのかなと感じた。
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社交性不安障害と対人関係療法を中心にかかれていますが、不安症全般のこともよくわかります。
不安の取り扱い方、不安障害を病気と認識する大事さなど、わかりやすく書かれています。
不安障害のことを、センサーが壊れた火災探知機をたとえにした説明が面白くわかりやすかった。
危険なことや未知のものに不安になるのは当たり前。
ただならなくてもいい程度の時にも危険信号だとセンサーが過剰反応するのが不安障害の人で、センサーの調整が必要だということ。
対人関係療法についても、詳しく書かれているので、どこに焦点をおいていくかなど、とても参考になった。
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目標は不安を感じなくなることではなく、コントロールを取り戻すこと。
センサーを調整する。
多少の不安を感じながらも対人関係を改善させれば、自信がついて、不安も軽くなるという方向に考える。
人からのネガティブな評価を恐れる。
いかにしてネガティブな評価を避けるかというテーマを中心に回っている
不合理だと頭ではわかっているのだけれども気持ちと身体がコントロールできない。
「社会不安障害を病気として認め、病気と人格を混同することをやめましょう。」
身体症状そのものは、危機に瀕したときの自律神経の反応という風に考える。
変化は、徐々に、そして地道な努力のなかでおこる
不適切な気持ちなどない。社会不安障害という病気にかかっているという条件を考慮すれば適切な感情なのです。
自分が逆の立場だったらどうだろうという視点を持つことは自分の気持ちを肯定していくためのよいトレーニングになる。
p99 役割不安という問題領域
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社交不安障害の全容と対人関係療法を行うメリットについて理解することができました。認知行動療法のような宣言的な修正に注力することより、リアルな関係性を重視して実体験から思考を修正するというところに治療の効果の違いを感じました。
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コミュニケーションに課題を感じつつも、なかなか一歩踏み出せないでいる方に読んでいただきたい一冊です。
おすすめポイントを3つ紹介します。
①社交不安障害の正しい知識を学べる
この病気は、社交不安障害という病名の他、社交恐怖、社会不安障害、社会恐怖等と呼ばれています。
一言で表すことが難しい病気ですが、「不安」という病気の症状が生活を支配するような状態になり、職場不適応や、ひきこもりにつながってしまうことがあります。
症状の特徴や、周囲のサポートについて正しい知識を得ることができます。
②回復プロセスを知れる
風邪をひいて治りかけの時、ちょっと咳が出たからと言って、もうこの風邪は一生治らないかも、と思う方はいないと思います。あるいは、咳が出た原因について、思い当たる事があるかもしれません。
それは、風邪はどうやったら治るのか、回復プロセスがよく知られているからです。
社交不安障害は、回復プロセスがよく知られていないので、少し症状が出ると、「全然良くなってない」と思ってしまうことがあるそうです。しかし、一時的な症状は、回復する時に必ず起こります。
この本には、様々な事例を元に、社交不安障害の回復プロセスを知ることができます。
③対人関係療法という期間限定の関係性について
この療法は、皆さんが日頃取り組まれている認知行動療法とは違い、治療期間が限定されています。
この狙いは、クライアントがより治療に集中できることにあります。治療者が「いる間に」、思い切って不安という海に飛び込んでみようと思えるようになります。
私はこの治療者とクライアントの関係性について、就労移行支援に繋がるものがあると思いました。
この本の言葉を借りて、私の想いについてお話すると、
「就労移行支援が終わってから新しいことをやってみて、失敗したと思っても、もうそれをここで話し合うことができなくなります。これから起こりそうな恐いことは、何でもやってみましょう。ひらくにいる間であれば、たいていのことは何とか対応ができます。」
ということを皆さんにお伝えしたいです。
内容が気になる方はぜひ読んでみてください。
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対人認識のズレを修正する考え方と症例を紹介しているだけで、具体的には信頼出来る医師による対人関係療法プログラムを受けるで完結しているので、この書籍では具体的な治療については学べなかったです。
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個人的に読みやすくて学びの多い作品だった!!
特にセンサーの説明とかが症状を簡易的に説明しているように感じて良かった。
本で知識が得られるって素晴らしいと再確認。
今後も学びを深めていきたいですね‥‥